第二話
続きですっ!!!!
春の昼下がり、太陽もまだ天にあり空は明るいがこの路地裏は暗い。
そしてとても静かだ。
流れる音は風のみ……
ポタリ、ポタリと頬を流れる汗がもどかしい………全身から吹き出る汗がひどくもどかしい………
だけど、一番もどかしいのはこの気持ち……ドロドロしていて足の方からじわりじわりと侵されるこの感覚………気持ち悪い。
喉にピタリとついて離れない冷たく鋭利な物。そのせいで呼吸することすらままならない。呼吸がうまくできない。自然と呼吸が荒くなる、だけど喉に張りついたナイフが目に入って、動けず更に苦しくなる。
すると、私の心は、身体は、命じていないのに……………………………………………震えだす……
やだ何で震えてるの…………止まってよ、止まってよ。そんなこと望んでないのに、しようと思ってないのに!!
動いてはいけない状況だとは分かってる、……だけど何でだろ?止まらないよ。
目に入るのは、冷たいビルの壁に狭い空。街の喧騒は遠くて誰も来ない……………私、死ぬのかなぁ?
呟いてはいけなかった、例え口に出さずとも思ってもいけなかった。
「死ぬ」と………
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ………頭のなかはそれでいっぱいになった。
「やだ……死にたくないよ」とポロリとこぼれる。
言葉を紡ぐため動いた喉に冷たい死の感触。ナイフ。この状況でやってはならない愚かな行為だと分かってるけど、紡がずにはいられなかった。
紡ぐという愚かな行動をとった直後、最も愚かな行動をとった。
死にたくない……、だけどナイフが邪魔だ。
死にたくない……、なら邪魔な物をどければいい。
頭の片隅で理性がヤメロと吼えるが気にしない。だって死にたくないから。
ナイフをどけようと手を伸ばしかけたその時、
「死にたくなかったら、動くな……」と冷たく低い声が頭に響く。
余りの緊張に弛緩していた頭が即座に正常に切り替わる。手と震えもピタリた止まった。
そして気付いた、自分がどれだけ愚かな行動をとっていたかを……どれだけ死に近かったことを……
また身体が震え出す。それを必死に止める、……死にたくないから。
しかし心に反して自然と身体が震える。止まらない……止まってくれない。 びくびく動く喉にナイフが当たって、嫌でも
「死」を感じてしまう。
「死」という恐怖が腹の底で蠢いて気持ちが悪い、吐きそうだ………
恐怖に伴って身体もいっそう震え出し、おまけに吐き気まで……最悪だ。
余りにも近すぎる死の感触に私はついに負けた……
「もう死にたい。」と
重い言葉。
理性と共に崩れ落ちる私の身体……欲望に従順で吐き気に従い嘔吐する……
嘔吐してる途中後ろで声がした、
「忘れろ、次に会っても関わるな………」と言って少年は去っていった。
嘔吐しながらも頭は正常に働いていた。そして理解していた……少年のセリフの意味も。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 吐き気が治まって空を見上げた。空は青かいけど、狭くて小さい。それを見ていると………………………………………………………
この日、私は初めて声を押し殺して泣いた……
読んでくださって、本当に大感謝、感激雨あられです!!!今後頑張って書くので是非見てください。




