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序詩2:からっぽの心
ブリキの人形は毎日
大好きな歌をうたいます
ブリキの人形は
耳をふさいでうたいます
ブリキの人形は
目を閉じてうたいます
それでもブリキの人形は
自分の口は閉じません
好きな歌を毎日うたって
嫌な事には近付かない
それがブリキの人形の
幸せな毎日なのです
でもみんな気付いてました
ブリキの人形の中身は
からっぽだって事に
幸せなブリキの人形
その歌を聴いた人は
次の歌を聴く頃には
もうその歌を忘れてます
そして二度と思い出しません
嫌なものは見たくない
嫌な事は聞きたくない
それでもブリキの人形は
自分の口は閉じません
そんなブリキの人形が
ふと気が付いた時には
もう周りには誰も
いなくなっていたのです
でもブリキの人形は
目を閉じてうたいます
でもブリキの人形は
耳をふさいでうたいます
不幸に気付いたブリキの人形
それでもブリキの人形は
歌う事だけはやめません
誰もいない世界で
たったひとり
からっぽの
ブリキの人形は今日も
大好きな歌をうたいます
Destination Station of a Dream
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