表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

六花

作者: 一之瀬 薄荷

以前、別名義で運営していたHPからの転載な習作です。

重たい空を仰いでみれば 舞い落ちるのは 白くて冷たい むつのはな


少女が、空から降ってき来た。


某国民的人気アニメの一シーンのように、ゆっくりと。


瞬きを数回、自分の頬を抓ってみる……痛い。


痛いということは、多分、恐らく、これは夢ではなくて現実で。


降って来る少女は、どこか朧気で白くて


助けないと。 と、頭では思うのに、足先からゆっくりと降りて来るから


何故か咄嗟に、両手ではなく、片手を出した。


程なく、爪先が掌に触れる……重さは感じない。


ふと、少女を見上げる。


少女は、一瞬だけ悲しげな笑みを浮かべて、ついで掌に感じる冷たさ。


ビクッとする身体。


気付居た時には少女は消えていた。



そして僕の掌には、消えずに残る雪の結晶。


これは、初雪が降った日の不思議なフシギな出来事。




「あれ、携帯のストラップ変えたんだー!! 雪の結晶? ねぇ触って良い?」


「……ダメ」


「えー、ケチ! なんで」


「だって、雪の結晶なんだから溶けるだろ」


「ストラップが人肌で溶けるわけないじゃん」



この結晶は溶けるのだ。 と、笑って。けれど、何故か人に言っては触らせない。


あのことを言ってしまえば、


俺の中の少女まで、溶けて消えそうな気がするから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] すごく素敵な作品ですね! 結晶と少女という世界観に引き込まれました! [気になる点] 少し脱字等見受けられました。 [一言] はじめまして。 同じユーザーネームなことから気になって読…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ