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チートだけど宿屋はじめました。  作者: nyonnyon
第五章:宿での出会いは一期一会編
30/61

登場!? 女神の元彼 その1 第1話

どうも。


こっちにしました。

もう一つの方は従業員を増やした後にでも。


では少し短いですがどうぞ。

「申し訳ありませんその日はご予約をさせて頂くことが出来ません」


 勝手な話なのは分かっているがその日だけはどうしてもダメだった。


「申し訳ありません本日はお泊り頂くことは出来ません」


 連泊を申し込んでいただいたお客様にも申し訳が立たないがこればかりはどうしようもない。



----



 一年に一度私は必ずある場所に行く。 その場所は遠く、行き帰りだけで6時間も費やしてしまうのである。 そんな場所に行くなら宿は閉めざるを得ない。


 え? チートな能力を使っていけばいいじゃないかって?


 ……場所が場所だけにチートな能力を使っていきたくはないのである。


 なので従業員が私一人の現在では宿が機能しないのである。


 ……従業員増やすか? 最近は技術の独占とかも余り考えなくなってきたことだし……。

 そうだな……、今度従業員募集の張り紙でも出すか。


 なんてことを考えながらお客様に謝り続ける私。

 明日はいよいよ一年に一度の日なのである。



----



 朝起きてすぐに身だしなみを整える。 お客様は昨日の夜から取っていないので宿内はいつも以上に静かだ。

 宿に本日定休日の張り紙をして施錠をし、出発する。


 ――目指すは王都の西だ。


「おはようございます」

「おはようございます。 カーラちゃん、今日も相変わらず美しいねぇ」


 そんな風に言葉をかけてきたのは、西門守衛隊【隊長】にして、王都守衛隊【隊長】の騎士『ディック』、あいも変わらず『真面目な軟派騎士』と呼ばれている男である。


「ディックさん、いつまで軟派なままなんですか? そろそろしっかりした方がいいんじゃないですか?」

「え? いや~、これは性格だから直らないねぇ」


 王都の外に出るには必ず城門を通らなければいけないのだが、この騎士達は一体いつからいるんだ? 結構朝の早い時間帯に出てきているはずなのだが?


「奥さんに言いつけますよ?」ボソッ

「いやっ、ほら、奥さんは天使じゃない!? カーラちゃんは女神って呼ばれてるし……! だからほら、ね?」


 ディックと出会ってからもうかなり経っているが未だに軟派ヤローな空気は変わっていない。 そこを突いて少し脅して見たのだが面白いほどうろたえた反応を返してくれた。 というよりあの呟きが聞こえたのかディックよ……。


「嘘ですよ、言ったりしません。 では通らせてもらいますね?」

「……ほっ。 脅かさないでくれよ。 ケンカになったら俺は勝てないんだから……。

 それと、また例の彼の所に行くのかい? 毎年毎年、一年に一度しか会わない男のためによくそんなことが出来るね? 意外と一途なのかな?」


 何を言ってるんだディックは、一年に一度会わないといけないんだよ。


 あいつとだけは【絶対】に……。


「別に一途ではないですが、まぁ、私の誕生日でもありますし、ちょっとしたお祝いもかねてるんですよ……。 それじゃ行ってきますね」

「おう、行ってらっしゃい。 元冒険者の君には余り必要ないかも知れないが、王都の周りは魔物も出現するからね、気をつけて」


 挨拶を交わし王都を出発する私。

 ディックの「危険な所へ行ってまで会うなんて、十分一途だと思うけどなぁ」という呟きは届くことはなかった。



----



 毎年毎年あいつとは会っているが、今年はどんな顔をして会おうか……。


 襲い来る一角兎の角を掴んで振り回し、ゴブリンとコボルトの混成軍を地中に埋め込みながらそんなことを考えていた。

 

 私の通った後には、頭を軽くつぶされたゴブリンとコボルトの首だけが残されていたという。

久しぶりの彼が登場してくれました。


カーラとはちょくちょくあっていたようですが……。


後編になるか中編になるかは分かりませんが、


次回もよろしくお願いいたします。


3/12 前編→第一話にタイトルを変更しました。

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