表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートだけど宿屋はじめました。  作者: nyonnyon
第四章:宿はじめました。
18/61

宿屋の日常5

本編更新でございます。


どうぞ……。

 客室の数も多くないこの宿の掃除・洗濯は意外に時間がかからない。


 貴方一人でまかなえるのかって? 皆さん忘れたのであろうか、SPD 500という驚異を。


 ……あ、今はSPDあがってますけど。冒険者やって上がったのだ。


 私は今日の昼食に何を作るかを考えながらテキパキと作業を進めた。



----



 掃除、洗濯の時間……、

 その時間、『竜帝の宿木』は戦場と化すのだ。


 『竜帝の宿木』では掃除・洗濯の時間は決められている、というより決めないと危険だった。


 "朝・昼すぎ・夕食後"


 この三つの時間がそれにあたる。


 昼と夕食後の掃除は、簡単な内容で戦場という荒々しい雰囲気はまったく無い。

 いつも通りのほのぼのとした空気の中で掃除を行う私の姿が目撃されていることだろう。


 問題は朝だ。

 宿の全てを掃除するのは朝の時間と決めている。正確には8時~9時の一時間。

 この時間はお客様には宿の外に出ていただくか、けして部屋の外に出ないことを条件として宿にいるかを選択していただいている。


 では何故そんなことをしなければならないのだろうか?



----



 私は今正面入口前の道を箒で掃いている。……そして同時に宿全体を水拭きしながら乾拭きし、同時に客室から持ってきたベッドシーツなどを洗濯しながら洗濯が終了したものを裏庭に干していく。さらには同時にベッドメイキングや宿内の花瓶に花を活けたりもしている。


 何を言っているか分からないって? まぁ、多分こんな状況を見れば誰でも……。私が同じ立場であっても同じ感想を(いだ)いたと思う。


 まぁ、超速のスピードをもって宿を駆け回っているだけだ。それも床、壁、天井問わず縦横無尽に。

 さながら分身の術でも目にしているかのような超人的な動きである。


 現在、普通の人の目から見ると、宿内に18人前後の私を確認することが出来るだろう。

 ある種のホラーである。


 間違えて宿の中に足を踏み込めばその瞬間、私の分身どれかとぶつかり、塵も残さずこの世から消滅するだろう。

 実際邪な事を考えていた傭兵? と言った感じの二人組みの男は宿から消滅している。

 私が一人になるこの時間帯を狙ったのだろうが、逆に自分達がこの世から消えることになろうとはまさか思うまい。


 さて、そんなに超速で動いて宿が崩落しないのか? と疑問があるかも知れないが、そこには宿の秘密が隠されている。


 まずは宿全体の作りから。

 お伝えしたかも知れないが、よくゲームなどで見かける酒場兼宿屋といった雰囲気の木造と漆喰の壁で作られた宿屋である。

 木も漆喰も私の超速に耐えるようなものではない。では何故大丈夫なのか?


 ……答えはこれらが魔法金属だからだ。

【アセーロディ・サンドリトス】という漆喰に似た質感を持つ金属と【ミタールベロ】という木の質感を持つ金属を上手く活用して作られている。

 この二つは、見た目、質感、香り、など全てにおいて木や漆喰にそっくりなのだが、魔力を流すと硬さはオリハルコン並みになるという中々にレアな金属である。

 これをもって私の超速にも耐えているのだ。

 家具なども当然同じ材質で作られており、軽量化の魔法がかけられていなければ一般人が持ち運ぶことなどとても出来ない。


 ……まぁ私は持ててしまうのだが。言っててなんだか悲しくなってきた。


 次に窓、ここも普通に割れてしまうはずだが、そうはならない。


 ここには【ゴールヌイゴーネ】の鱗から作られている、ガラスが入っている。


 こちらはある程度割れても周りの魔素を吸収して自己修復してくれるのだ。

 流石は世界最強の種族の一つ、ドラゴンから作られているだけはある。


 超速で洗われているベッドシーツも見てみよう。

 物凄い速さで洗濯板(こちらも当然ミタールベロ製です)にこすり付けられ、汚れが存在することを許されていない。

 このシーツの材質も当然特別製である。【ジンロ】と呼ばれるオオカミの体毛をしようしているのだ。

 このジンロだが、白い体毛が特徴で、泥の中に飛び込んでもまったく汚れることが無い。


 これをシーツとして使おうと考えた私ってアイデアマンだろうか? いや、ウーマンか?


 などといったように質素に見えてそれこそ国一つが買えるほどの貴重品であふれている宿屋である。



 さて、掃除・洗濯も一通り片付いた。



 今日の昼食は【コケ】を使った『親子丼』にでもしましょうか。

まあ、色々出てきました全て造語ですので、

現実には存在いたしません。


詳しくは、時間があればここに追記いたします。


2/13 脅威→驚異に修正いたしました。

ガラムマサラ様ありがとうございました。


追記

一応言っていた造語について書いておきます。


【アセーロディ・サンドリトス】・・・(アセーロ)消去(デリート)(サンドル)(リトス)から作った造語です。漆喰は、消石灰で出来ているらしいので。

【ミタールベロ】・・・金属(ミタール)(アルベロ)から作った造語。木の金属……、安直です。

【ゴールヌイゴーネ】・・・水晶ゴールヌイ・フルスターリ(ドラゴーネ)から作られている造語です。

クリスタルドラゴンだと思っていただければ。

【ジンロ】・・・神狼から。

【コケ】・・・鶏の鳴き声から。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ