表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

泣け、馬鹿。

作者: 初空 林檎
掲載日:2026/06/06

テーマ「涙」で、先日投稿したものと別でもう一つ書きました。

泣いた。

心の中では、泣いていた。

泣ける。


俺は、なんでこんな事をしているんだろう。

こんな、くだらない、つまらない事に飛び込んでしまったんだろう。

昔の俺は、本当に全く考えていなかったんだな。

浅はかだ。

やんなきゃ良かったのに。


……辞めたい。


投げ出したい。


捨て去って、いっそ楽になりたい。


でも、多分、いや絶対、辞められない。

辞められるだろうが、辞められない。


辞めなくても耐えられないが、辞めても耐えられない。

申し訳なさや、不甲斐なさといったやつだ。

周囲の人間ありきで生まれる、意味のない感情だ。

甚だ無駄なのだ。


俺が辞めても、周りは特に何も思わないのは分かっている。

特に、大層な職も役回りも、目立つようなことも何もしていない、平々凡々な、地味で、昏い、冥い、生活。

俺なんか、というちっぽけな存在ごときが、他の人間に多大なる影響を与えられているわけがない。

別に、小さい影響も与えられていない。

そんなこと、疾っくの疾うに分かっているんだ、もう。


アリは踏んだことがある、蚊も潰したことがある。

与えているとしたらそういう悪い影響しかないだろう。

そうならないようには生きてきたつもりだが。

どうだろうな。


でも、だからこそ、どうしても周りの視線が、自分を攻撃している気がして、居た堪れなくなる。


情けないだとか、何がしたいのだとか、馬鹿馬鹿しいだとか、根性無しだとか。

五月蝿いったらありゃしない。


五月蝿いのは、自分だ。

自分を責める自分だ。


……どうせ俺のことなんか、だぁれも見ちゃいないんだ。


本当に俺のことを、こんな本質を洞察してくれている人は、この世に居るのだろうか。


いや、居ないだろうなぁ。


それはそれで淋しくなる。


馬鹿みたいだな。

何、自分で深く被害妄想をして、勝手に殻に閉じこもって、世間を湿と斜に見ているんだ。


もっと楽天的に生きてみろよ。


生きれたら、こんな言、喋ってねえよ。


そんなことを日々思っている。

口にも顔にも出さない、出しているつもりはないが、思っている。

客観的にはどうだろうか。


きっと酷い顔だろうな、俺のことだから。


けっ。


クソみたいな世界だ。


愚か者め、クソは俺だろう。


腐れ腐れ、あほんだらが。


泣いた。

泣いちゃいないが、泣いていた。

仏頂面のまま、自分でも分かる苦笑いのまま、あの時踏んだ虫みたいな醜く潰れた青い顔のまま、泣かないように、泣かないように……、あぁ。


泣いてしまっていた。


泣いてもなんにもなんないのに。


無駄だろ、全部。


俺ごと。



半分実体験。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ