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てんとうむし

作者: 蔵樹りん

よじよじとのぼる

僕の人差し指を

七つの星を持つ赤い虫が

よじよじとのぼっていく

僕はこそばゆさを感じながらも

瞳で小さな赤色を追いかける

やがて指先にやってきたそいつは

遠くをじっと見つめたまま動かない

僕は体育館の入口に立ち

さわがしい声を背に受けながら

その姿を静かに見守る

ついに何かを決意したのか

赤い体がぱかりと割れ

ハネを手にしたそいつはゆっくりと飛び立った

からっと晴れた水色の空の中

てんとうむしは点となって消えた

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