第2話「学園に戻る? なら、偽聖女をちょっと焦がしてやるわ!」
セラフィム王国の王都セレスティア、朝焼けが石畳の街をピンクに染める。
私はミハイルと一緒に、裏通りをサクサク歩いてる。
深紅のドレスはちょっと埃っぽいけど、星輝の宝珠を握る手はビシッと力強い。
昨夜の地下書庫での無双、めっちゃ気分いいわね。
「ミカエラ様、学園に戻るのは危険では?」
ミハイルが低い声で言う。鎧の肩が朝日でキラッと光って、忠犬っぽい目がチラッと私を伺う。
「危険? へえ、ミヒャエルとミシェルがのさばってる方がよっぽど危険よ。」
私はニッと笑って、髪をかき上げる。
「学園に戻って、偽聖女の鼻を明かしてやるわ。ついてきなさい、ミハイル。」
彼は一瞬黙って、でもすぐに「了解しました」と頷く。ふふ、忠誠心バッチリね。
さて、セレスティア魔法学園、ゲームのメイン舞台よ。
『星輝のプリンセス2』じゃ、ミシェルが聖女としてチヤホヤされて、私が笑いものになる場所。
でも、星輝の宝珠があれば、テンプレの逆転劇、始まるわよ!
学園の門は、蔦が絡まる白亜のアーチ。
学生たちのローブがひらひら揺れて、広場の噴水がキラキラ水しぶきを上げる。
私は堂々と門をくぐるけど、視線がビシバシ刺さる。
貴族の子女たちがヒソヒソ囁いて、嘲笑がチクチク耳に届く。
「ミカエラ様、婚約破棄されたのに戻ってきた…」
「魔力ゼロの落ちこぼれ、恥ずかしくないのかしら?」
「ふぁ、聞いてるわよ、雑魚ども。」
私はわざと大きな声で言う。貴族の子女たちがビクッとして黙る。ミハイルが後ろで小さく咳払い。ふふ、ビビらせちゃった?
広場の奥、聖堂のステンドグラスがキラキラ輝く。そこで、ミシェル・サリスが白いローブの学生に囲まれて、聖女スマイル全開で立ってる。銀髪が風に揺れて、まるで女神の降臨。…ったく、芝居がかった女ね。
「ミカエラ様!」
ミシェルが私を見つけて、わざとらしい悲しげな声。
「どうして戻ってきたの? あなたの罪は、聖女の私が浄化するって決めたのに…。」
周りの学生が「聖女様、優しい!」「ミカエラ、恥を知れ!」って騒ぎ出す。
はいはい、テンプレの公開処刑シーンね。ゲームのイベントそのまんまじゃない。
「罪? へえ、ミシェル、あなたのその偽りの涙が罪じゃない?」
私は一歩踏み出して、ニヤッと笑う。
「私、ちゃんと覚えてるわよ。あなたがでっち上げた『いじめ』の証拠、全部ウソだったこと。」
ミシェルの顔が一瞬ピクッと動く。
ふふ、図星ね。学生たちがザワザワし出すけど、私は気にせず続ける。
「ミヒャエルに色目使って、私を陥れた。あの婚約破棄、全部あなたのシナリオでしょ?」
「そ、そんな…! ミカエラ様、なんてひどい!」
ミシェル、涙をポロポロ流して崩れ落ちる。
学生たちが「聖女様をいじめるな!」って叫ぶ。うわ、演技力ハンパないわね。
その時、広場の端から低い声が響く。
「ミカエラ、言いがかりはよせ。」
ミヒャエル・ヴァルセリオ、王子様登場。
金髪がキラキラ輝いて、青い瞳が私をガンっと睨む。
ミシェルを庇うように立つ姿、テンプレのヒーロー気取りね。
「言いがかり? ミヒャエル、あなたこそミシェルのウソに騙されてるんじゃない?」
私は胸を張って、余裕の笑み。
「まあ、いいわ。真実はそのうちバレるものよ。」
ミヒャエルの目がキッと細まる。…おっと、なんかヤバい雰囲気?
「キィィ…!」
突然、広場の地面から青白い霧がモクモク湧き上がる。クリスタルスプライト、しかも10体!
学生たちが「キャー!」ってパニックで逃げ出す。
ミシェルが「助けて、ミヒャエル様!」って王子にしがみつく。
…うそ、こんなタイミングでモンスター!?
「ミカエラ様、退避を!」
ミハイルが剣をスッと構える。けど、私はニヤッと笑う。
「退避? 冗談でしょ、ミハイル。ここで無双するチャンスよ!」
星輝の宝珠をギュッと握ると、魔法の窓がパッと浮かぶ。
ステータス画面、攻撃力15、魔力10。
スキル欄には『星輝の炎舞』『星輝の結界』『アイテムボックス』。よし、テンプレのピンチ、キター!
「『星輝の炎舞』、発動!」
両手から炎がグルグル渦巻いて、クリスタルスプライトにドーン!
3体が「キィィ!」って悲鳴を上げてパッと消滅! 学生たちが「え、ミカエラが!?」って呆然。ミシェルの顔が、めっちゃ引きつってる!
「へえ、偽聖女より私の方が使えるでしょ?」
私はミシェルにウインク。彼女、顔真っ赤にしてプルプル震えてる。ふふ、効いてる効いてる。
「ミカエラ、危ない!」
ミハイルの声。後ろからスプライトが2体、ガッと襲ってくる! 私はサッと魔法の窓をタップ。
「『星輝の結界』!」
青い光のバリアがパッと広がって、スプライトの攻撃をガキン! ミハイルが剣で1体をズバッと斬る。ナイス、忠犬!
「ミカエラ! 何だ、その力は!?」
ミヒャエルが叫ぶ。うわ、王子、めっちゃビックリしてる。
「ふふ、知りたい? でも、教えてあげないわ。」
私は髪をかき上げて、余裕の笑み。残りのスプライト、5体。よし、まとめて片付けるわよ!
「『星輝の炎舞』、フルパワー!」
炎の渦がドドーンと広場を包む。スプライトが次々「キィィ!」って消滅。
ステータス画面、レベル3にアップ! 攻撃力20、魔力15! さらに、地面にキラッと光る星輝の杖! 魔力+20のチートアイテム、ゲット!
学生たちが「ミカエラ様、すごい!」「魔力ゼロじゃなかった!?」って大騒ぎ。
ミシェルの聖女スマイル、完全に崩壊。ミヒャエルもポカーンとしてる。ふふ、テンプレの逆転、最高!
その時、広場の端から拍手がパチパチ。
「見事だ、ミカエラ。」
振り向くと、黒いローブの男。ミゲル・アルヴェリオ、22歳、学園の天才魔法使い。
クールな緑の瞳が、私をジッと見つめる。ゲームのサブキャラで、私の味方になる男よね。
「ミゲル、遅いじゃない。どこほっつき歩いてたの?」
私は星輝の杖をクルッと回して、ニヤッと笑う。
「君の無双を見逃したくなかっただけさ。…これからも、君を支えるよ。」
ミゲルが小さく微笑む。へえ、頭脳派のくせに、ちょっとカッコいいこと言うじゃない。
「ふふ、いいわ。なら、ミハイルと一緒に私の軍師やってよね。ミシェルの偽聖女っぷり、ぜーんぶ暴いてやるんだから!」
ミシェルが「ミカエラ様、なんて…!」って顔を真っ青にしてる。
ミヒャエルも「ミカエラ、覚えておけ!」って捨て台詞を吐いて、ミシェルを連れて聖堂に逃げる。ふふ、逃げても無駄よ。
広場に残った学生たちが、私をチラチラ見ながらヒソヒソ。
「ミカエラ様、めっちゃ強い…」
「聖女様よりカッコいいかも!」
「まあ、悪くないわね、この展開。」
私は星輝の宝珠と星輝の杖を握って、ニッと笑う。この学園、私が支配する第一歩よ!