裏8話「公開裁判? カオススペクター? 禁呪覇光でフィニッシュよ!」
王都セレスティア、最高法院。
偽聖女ミシェルと、バカ王子ミヒャエルの罪を裁く──公開裁判の日がやってきた。
王族、貴族、市民、全ての目がこの場に注がれている。
──そして、私もわかっている。
ここで本来なら、
「最後の足掻き」として、カオススペクターが召喚されることを。
ふん、全部読めてるわ。
* * *
「次、ミシェル・リュミエール、ミヒャエル王子、前へ!」
重々しい声が響き、
拘束された二人が中央へと引き出される。
震えるミシェル。
顔面蒼白のミヒャエル。
──だけど、二人の背後、空間が不自然に歪み始めた。
「……きたわね。」
私は静かに杖を構える。
ミゲルもすでに詠唱準備完了、ミハイルは剣を抜いて警戒態勢。
次の瞬間──
黒い霧と共に、異形の存在が出現する。
「グゥゥゥゥゥアアアアアア!!」
──カオススペクター。
ワイバーンの翼、ドラゴンの鱗、魔獣の爪、
あらゆる魔の属性を組み合わせた、異形の融合体。
会場は悲鳴と混乱に包まれた。
だが、私は微笑む。
「禁呪・星輝覇光、展開。」
右手に握った星輝の宝珠が、
太陽のような輝きを放つ。
私は天を指さし、詠唱を叩き込む。
「すべての闇を断ち、星の輝きを取り戻せ──!」
ドォン!!!
一瞬、世界が真っ白になった。
カオススペクター、反撃する暇すら与えず、
その巨体ごと、光の奔流に呑み込まれる。
「ギィィィィィィ!!」
断末魔の叫びと共に、異形の怪物は完全消滅。
静寂が戻った広場に、
私だけが堂々と立っていた。
* * *
「……裁判、続行しましょうか。」
私は事もなげに言って、
星輝の杖を肩に担いだ。
レベルは──65から80へ。
もはや、人間の域を超えている。
市民たちの視線は一変していた。
憧れ、畏怖、そして崇拝。
「ミカエラ様! ミカエラ様バンザイ!」
歓声が巻き起こる。
この国の未来は、完全に私の手に落ちた。
ふふ、楽勝ね。
──だが。
そのとき。
空間が再び、歪んだ。
「よくここまで辿り着いたな、ミカエラ。」
どこからともなく聞こえる、甘美な声。
空が裂け、
銀髪の青年が現れる。
──堕天使ルシフェル。
「まさか……!」
私は杖を握り締めた。
こいつだけは、
前世の『星輝のプリンセス2』にも登場していない存在。
──つまり、ここから先は完全に未知。
胸の奥に、わずかな興奮が湧き上がる。
いいわ、
新しいゲーム、始めましょう。




