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婚約破棄された悪役令嬢、転生して世界を蹂躙する  作者: ささやきねこ
第二章 星輝のプリンセス2・2周目
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裏1話「婚約破棄? ふん、スプライト軍団ごと粉砕してあげるわ!」

セレスティア王都、学園メインホール。

ド派手な大理石の床に、今まさにバカな声が響き渡った。


「ミカエラ・フォン・エルミナ! 君との婚約を、ここで破棄する!」


ふん、知ってた。

前世で『星輝のプリンセス2』を周回プレイしていた私は、こんな茶番、耳タコよ。


ドヤ顔の王子ミヒャエル、その隣で白々しく微笑む偽聖女ミシェル。

そして、広がるクソみたいな空気。


──はいはい、台本どおり。そろそろ出番ね。


「ミゲル、準備は?」

「完了だ。スプライト出現位置に光魔法陣設置済み。」


後方で魔導書を構えるミゲルがクールに答える。

ミハイルはすでに剣を抜いて、警戒態勢。忠犬っぷり、頼もしいじゃない。


私はドレスの裾を翻し、ニヤッと笑った。


「じゃあ、演出開始よ!」


次の瞬間、ミシェルが手を掲げて叫ぶ。


「聖なる光よ、悪を討ち給え!」


──きた、スプライト召喚。


だが、現れた強化クリスタルスプライト50体は、出現するやいなや結界に引っかかり、


「ゴゴゴゴゴッ!」


とものすごい音を立てて蒸発した。


一瞬、場が静まる。


「な、何……?」


ミヒャエルとミシェルが真っ青になりながら固まっている。

私は星輝の杖をクルッと回し、クールに告げた。


「ふん、聖女ごっこは楽しい? ……そろそろ終わりにしましょうか。」


* * *


学園大広間、次なるイベントは──


偽聖女ミシェルによる「清廉アピール演説会」。


本来ならここで「民衆の心を掴む」のが筋書きだけど、

残念、もう全部読んでるのよね。


私は開会直前、広場全体に魔力封鎖結界を展開。


「聖なる浄化の光よ、我が身に──っ!」


ミシェルがポーズを取った瞬間、何も起きなかった。

ただ、民衆の冷たい視線だけが突き刺さる。


「え、えっと……?」


焦るミシェル。

私は最前列で腕を組みながら、ニヤリと笑った。


「どうしたの、聖女様? 奇跡の光は?」


パニックに陥るミシェルを尻目に、ミゲルが魔導書をパタンと閉じる。


「解析完了。ミシェルの聖女魔法、すべて偽装確定。」


ざわつく市民たち。

その場にいた教師や貴族たちも、何が起きているか理解し始めた。


「ふふ、乙女ゲームのヒロイン落ちイベント、いい出来栄えじゃない。」


私は星輝の杖を軽く肩に担いだ。


* * *


実技試験。

このタイミングでは、本来、ワイバーン級の魔獣が1体出現するはずだった。


──だが、今の私は知っている。


2周目補正で、強化ワイバーン群が押し寄せることも。

だから、事前に対空迎撃陣を五重に設置しておいた。


案の定、試験会場の上空に大量の影──ワイバーンが出現する。


「グオオオオ!」


だが、魔法陣が発動し、

ワイバーンたちは次々と空中で爆散。


空には、羽根のかけらと光の残骸だけが舞っていた。


呆然と見上げる試験官たちをよそに、私は髪をかき上げて笑う。


「ふん、試験用のザコじゃ、相手にならないわね。」


レベルは、18から一気に22へ。

インフレ加速、順調順調。


私はミカエラ・フォン・エルミナ。

星輝の宝珠を携え、記憶を持ったまま2周目を生きる者。


この世界、

次はもっと楽しく──もっと派手に、ぶっ壊してやるわ!

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