第7話 ターニャとコトリ
家に戻ってきたのはターニャだった。
自己紹介をした時より見た目が変わっており、例えば蹴爪がペディキュアされたように赤く綺麗になっていたりと、まるでギャルのような見た目になっている。
「ターニャちゃん・・・」
「・・・・・」
スッ….スタッ…スタスタスタ….
「あっミネリアちゃん・・・?」
「どーしたミネリア??」
バタン...
ターニャの返事に振り向きもせずに、ミネリアは部屋に戻ってしまった。
「あっ・・・」
「あれぇー・・・?あたしなんかしちゃった??」
「ううん、なにもしてないと・・・思う」
「おう、そうか!?」
スタスタスタ….
「ふぅー疲れたー」
「おいしょっと」
ストン…ドサ
そう言うとターニャがコトリの側に歩み寄ってきて、コトリの正面に座った。
「・・・あの・・・」
「ん?なに??」
「えっ!?あっここに椅子があるよ!!?」
「あーそうやね(笑)
「でも、もう座っちゃったから!」
「で、でも・・・ターニャちゃん座ってるのあなたの卵の上だよ。。。」
「あっこれ!?平気平気!」
「これまで割れるとかなかったし!」
「でも、先生達が大切にって言ってたし・・・」
「・・・ずっとそんな風にしてたの!?」
「そうそう(笑)」
「あっそうなんだ...」
確かに家に戻ってきた時もふろしきに入れた卵を片手に担いで持っていたし・・・
「・・・ターニャちゃん!もっと大切にしなきゃだよ!!!」
「大丈夫!大丈夫!!言われた通り持ち歩いているんだしさ!」
「重くて邪魔だから置きっぱにしようと思ったけど、これが私なりの大切さの証さっ(笑)」
「・・・ターニャちゃん….」
「それよりさ!コトリいいね!」
「・・・んっ??」
「いやね、あたしこんな性格だし、なんか見た目も派手でしょ?」
「そんなんだから昔からそうなんだけど、自然と距離を取られることが大半なのよ」
「でも、あんたはビビリながらも正面から話しかけてきてストレートに言う度胸がある!」
「あ・・あはは・・・逆に言い過ぎてしまうことばかりなんだけどね・・・(笑)」
「あっはっは!いいやん!気に入った!!」
「仲良くなろう!!」
「あっうん….(仲良くなろうって・・・)」
「あっそうだそうだ!」
「一応気になったんだけど、帰ってきた時の変な空気ってなに??」
「・・・.」
ターニャに振り回されている感がすごい・・・けど
そう思いながらも、ゆっくりと口をひらいた。
「・・・実はね、キッカちゃんと外で話した時に…」
「…あっコトリ!ストップ!!」
「やっぱいい!」
「えっ!??」
「いやね、なんかさーめんどくさそうな空気を感じたから(笑)」
「あっ・・・」
「ごめんね〜こんな性格だから!!」
「もう!なんなの!!」
「あはははっ」
「コトリ大変だなー無理すんなよ〜!」
「そんなコトリにこれあげる」
スッ...
終始ターニャのペース。
そんなターニャから渡されたのは小さな麻袋。
中身は分からないが何か砂?のようなものが入っていた。
「こ、これは??」
「ん?よくわかんない!(笑)」
「でも、すごいいい匂いしない!」
くんくん…
「あっする…かも!!!」
その匂いはペパーミントのようなハッカ系の爽やかな感じで、でもなにか甘ったるい匂いが鼻に残る。
「これずっと持ち歩いてるんだー」
「何回も嗅いでるとクセになる感じだね!(笑)」
「でしょー!」
「なんか分からないけど、ハマっちゃいそう!(笑)」
「わかるわかる!」
「だからね、なにか嫌な事とかあった時にこれ嗅ぐ様にしててね(笑)」
「ターニャちゃん、こんなものどこで?・・・」
コンコンコンっ
誰かが玄関の扉を叩く音がした。
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