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Grave of My Poetry  作者: 敬愛
ペイシェント
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寄る辺ない夜に

なんか嫌だなって思って高校卒業とともに札幌に引っ越した 行きたかったのはやっぱり東京だったけど勇気が無くて諦めた


特にこれといって何も変わらなかった 親がいないなってだけだったけど元々高校在学中から妹と2人暮らしだったので環境変化ってほどでもなくて遊び場増えたな程度


今となってはなんでそんなに1人になりたかったんだろうか さっぱり思い出せないや 友達はいたけれどみんなそれぞれ違う夢を追っていたし会う事も減っていた 大人への階段みたいな感じか


深夜2時 テレビアニメの再放送 有線のアダルトチャンネルの喘ぎ声 カビのはえたユニットバスを清掃し タバコの火で穴だらけのベッドに寝転び 回るランドリーの駆動音 そんなアパートの1室で寄る辺ない夜に1人これからどうなるんだろうとただ黙考の日々 青春だったのかもな


地元に戻ってからはあの頃描いていた夢とはまるで違う道を歩く今の僕だけど いつでもあの頃には戻れる 戻りたいと頭で念ずるだけだ 記憶は蘇るから


今も寄る辺ない夜に惑う僕だし 叶わなかった願いの方が多いし それでもあの頃の僕じゃないってさ 19歳の時の必死に真理を追及していた僕に言えるわけも無い 幻を愛したわけじゃないから ずっと繋がっている 僕の歴史だ


いつでもどこでも僕は1人じゃない そう言い切れたら無駄じゃなかったんじゃないかな 今まで過ごしてきた時間はね

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