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Grave of My Poetry  作者: 敬愛
イリュージョン
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光を見失って

君が髪の毛をくるくるといじくるとシャンプーとリンスの匂いがして来る 宵闇の中 僕は盲目の堕天使だった


そんな夜と冷めたコーヒーだけがキッチンに残っていて君は出かけている朝 そんな日々を暮らしているとどうしようもなく不安になるんだ


2人の関係の間にはいつだってヒビが入っている 恋ってのは大抵そんなもんで愛に昇華するまでは試練だと耐える事が1番なのかな?


今すぐ君が欲しい時も繋がる手段はLINEだけ 付き合っていると言えるのかすら怪しい危うさをはらんでいて僕はいつもそれに興奮してドキドキが抑えられないんだよ Mではないつもりなんだけど


勇気を出してどうして電話には出てくれないの? と聞くと大事な仕事してるからって君は素っ気なく答えるんだよ 僕より大事な仕事とやらに嫉妬する僕は昼から眠り薬を飲んで君の体温を感じられる夜を待っているから鬱なんだろう プロザックはキメているけど


たまに思うんだ もし僕が失明して君の顔を見られなくなったら僕は君を愛し続けるのだろうかと それくらい君は美女だから 


ひとつにはなれないとしてもキスの方がもっと興奮するって夜に明るい部屋で僕がカルボナーラを作りながら君に言ったら あなた今まで何人の女にそのセリフ言ってきたの? って聞き返されて僕は心臓が止まる思いをした ガラス製のリンゴのオブジェがテーブルから落ちて割れたのは地震のせいでは無かったんだ


見透かされたくない騙し合いを続ける恋愛はいつもスリリングだなと僕は思わず目を擦った まだ光は失ってなくてホッとした

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