計算型妹と嘘つき兄の日常
俺の名前は凛 今年で24の社会人2年目、男である。
俺に女みたいな名前をつけたのは、親父である。きっとバカなのだろう。そして、妹には蓮ときた。いかれているのは確定である。
母親は知らない。親父は何も教えてくれなかった。ただ、生きていくことに必要なことは、徹底的に教えてくれた。そして急にいなくなった。
手紙が置かれていた。「俺に、あいたくなったら、探せ」
やっぱりいかれていた。今思えばハンター×2か!である。
その頃には中学卒業をむかえようとしていて、一人で生きていくのは用意だった。財産も残してくれてた。その時知ったけど親父は金持ちだった。そして今にいたる。
そんな俺には、18の妹がいる。今年大学生になる予定だ。
性格はとても明るい、ように見える計算型の妹だ。
妹は俺が育てた。一人で生きていくのは用意だったが親父がいなくなってから苦労した。妹は自由に生きていたからだ。
親父が言うには、女は自由にさせておくのが一番だと言う。
きっと母親にも自由に逃げられたのだろう。知らんけど。
教えるのには苦労した。逃げられもした。家を出て帰って来ない時もあった。俺は妥協して最低限育てたあと、
自由にした、、、、。俺も親父に似たのだろう。愛がなかったわけではない。むしろ、自由に生きている妹を愛していた。遠くから見守ることも、ひとつの愛である。協力求められれば、少しだけ力になってあげればいい。あとは、勝手に成長していく。親がダメだと子はスゴいことになっていく。
それでも頭はよく大学受験に受かるほどだ。
ストロングを見かけるようになってちょっと心配したが、合格した時はちょっと感動した。あれ?大丈夫だよな?まぁいいや。
これで俺も、安心して社会人をやっていけるものだ。
金は腐るほどあっても、腐った人間にはなりたくない。
とりあえず、いつもお世話になっている、とあるお姉さんを頼りに一般的な企業に就職した。
「明日は俺にとっては普通の出勤でけど、蓮にとっては特別なんだろうな~。ちょっとテンションたかかったし、大学デビューだもんな~。寝坊はよくするけど、初日は大丈夫だろう。なんか騒がしいけど、大丈夫だろ~。俺も早く寝よう~」
そんな妹、蓮は相変わらず自由に生きていて、俺の心配をよそに夜遅くに俺の部屋に向かってくるのであった。
私の名前は蓮 明日から大学生である。
私には秘密がある。実の兄が大好きであるということである。
家族としてではない、、、、。つまりそういうことだ。
その前日の夜、私は迷っていた。凛にぃに告白するタイミングを。何事においてもタイミングは大切だ。凛にぃが教えてくれた。そして、そのタイミングが今かもしれない。そう思っていた。
普段は計算で動く私だが、経験的に恋愛関係は計算では上手くいかないとわかっている。そして出した答えが、いきよいだ。押して押して圧しまくり、相手に考える余裕を与えず、「はいっ」といわせる。
つまり、今やるべき最善の策略は、、、
「ひゃっほーい!テンション上げてこー!
明日から大学生じゃん!つまり、大人じゃーん!
だから~ちょっとくらいだいじょうびだよね~」
私は、ストロングと表記されてるアルミ缶片手に気分上々だった
実を言うとはじめてではない。兄は知っていると思うが目をつぶってくれてる。
「明日は、はやいしこれくらいにして、このテンションで兄の部屋に行こうかな~わらわらわらわら~
告白するならこのタイミングだよね~
私も大人だし~覚悟きめないとね~
きっと驚くよね~、あーみえてムッツリだし~てか隠してるのバレバレだし~わらわらわらわら~
勇気ダセ~私、こういゆうのはいきよいがだいじ~
突撃~」
蓮はいきよいで飛び出し、凛の部屋にむかうのであった。
なぜか騒がしい夜だった。あと、寒い。この時期は暖かくなると見せかけ急に寒くなったりする。地球温暖化のせいか?
足音がした。明らかに俺の部屋に向かってきている。瞬時に俺は、自分の部屋をみわたした。俺も男だ、たまに変な物が放置されてたりする。そして外の音に敏感になる。今は大丈夫だ。
珍しい、あいつが俺の部屋にくるのは、このタイミングのシチュエーションは人生相談か何かか?
ちょっと変わった二人の日常に新たな日常がはじまろうとしていた。