表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【㊗9/26コミックノヴァ・コミカライズスタート】冗談で女勇者たちを口説いた大魔王、攫われて強制新婚生活  作者: アニッキーブラッザー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/41

第39話 準備

 連合軍が行軍中の大平原の先には広大な密林・樹海の地帯があり、切り倒して進むにしても、迂回して進むにしても、時間がかかるだろう。

 ノロノロしているところを一気に狩り獲ってくれよう。


「アネストが一番魔法を使うことになるが……それをどれだけフォローできるかが他の四人にかかってる」

 

 自分がそう言うと、合流地点で待っていたシャイニ、ディヴィアス、キルルは何の迷いもなく笑顔だった。


「おっまかせだよ!」

「ええ、楽勝よ」

「一気にやる」


 と、笑顔だけでなく、自信も満ちている。

 そしてそんなシャイニたちの足元には、先行部隊として山林に足を踏み入れていた数百人ばかりの連合軍の兵たちの死屍累々が積み重なっていた。



「感知部隊やら結界部隊やら連絡部隊やら、その他諸々の配置もジャーくんは分かったって♪ 本軍の大部分密林に入ったら……スパッとだね♪」


「そうだ。そして後は一気に……そして残りはジワジワと……それで大打撃を与えられるはず」



 転がっているのは全て死体。どうやら、慈悲もなく殲滅したのだな。


「それにしても~。連合軍の総大将はラブリィちゃんのお姉ちゃんか~、今の私たちのことをどう思ってるのかな~?」


 既に自分は父親や幼馴染とも縁を切ったことにしているシャイニが呟くと、ラブリィは笑顔で苦笑した。


「わかんない。お姉ちゃんも国や連合のことばかりで恋愛とか全然したことないから、私のことを応援してくれるんだったら助けたいな~……ジャーくんとエッチはさせられないけど、国なんか捨てて私たちとノンビリ暮らすとかね」


 そうはならぬだろう。遠目から見たが、あの女自身に武の力はなくとも、その醸し出す空気や瞳は、そんな簡単に揺らいだり……いや……こやつらもついこの間まで全員同じような目をしていたのだったな……


「私もヴァギヌアとはちょっと戦いづらいかも……でも、やるしかないんだけどね」


 そして、親しい間柄だったり家族だったりのものが敵に交じっているのはこ奴ら全員同じ。

 ディヴィアスも少し複雑そうにそう呟いた。



「ヴァギヌアもこういう恋愛的なの否定派だから納得してもらえないだろうしね……でも、ヴァギヌアは処女で男性経験ないだけだから、ジャーくんに愛してもらえたらイチコロのような気がするけど……」


「ダメ。これ以上、ジャーくんとの回数や、チームでプレイするときの接触面積減るのヤダ」


「分かってるわ。私だって嫌だもの。でも、まだ私はシャイニのお父さんだった人や、王子のように、今の私やジャーくんを否定されたわけじゃないからね……」



 そう、こやつらは敵には容赦ない。敵と見なせば本当に親兄弟仲間も殺す。

 しかし、自分たちの敵とならないのであれば……まだそこら辺は完全には情を失っていない者たちは、少し迷いもあるのかもしれない。

 その迷いをどうにかすれば、こやつらも少しぐらいは苦戦……


「迷いがあるなら作戦を変えることも可能だ。この作戦が実行されれば大半が死に、そもそもまともに遺体すら残らぬかもしれぬ。一気に狩る作戦のため、敵と舌戦する暇もない」


 ここで折れてくれれば、こやつらの命令内容次第でこやつらに「万が一」を与える隙を作ることも……


「そうね。確かに、ハッキリと答えを知らないまま問答無用でヴァギヌアたちを殺すのは一生尾を引くかもしれない……でも……」


 だが、そこでディヴィアスは自身の腹を撫でながら……


「だけど、その甘さでもしこの子に万が一が起こったら……私は何度生まれ変わっても後悔するわ」


 そう来たか……


「なら、殺すわ。答えを知らないままでもいいから」


 結局全てが裏目に出たか。

 自分はこやつらがどうにか苦戦するように、悟られぬ範囲で揺さぶりなどをかけようとしたが、返って覚悟を固めてしまったようだ。

 

「むっ……おしゃべりはこれまでのようですね。ようやく見えてきましたよ」


 そして、ようやく奴らもお出ましのようだ。

 奴らもここの広大な密林・樹海は気づいているだろうし、斥候や先発部隊が戻らず、連絡も途切れている以上、自分たちが何かを仕掛けてくるならここだろうと最大級の警戒をしてくるであろう。 

 だが……



「先に確認したときから配置などに変更なし……だな。では、予定通りアネスト……『山』と『空』への準備を」


「ええ、アナタ」


「シャイニとディヴィアスは『地』への準備」


「「いつでも準備できてる!」」


「では、キルル……ラブリィ……敵の半数以上が樹海に入ったら……始めるぞ」


「「了解♥」」



 いずれにせよ、圧倒的な差で殲滅することになるか……

引き続き応援をよろしくお願いします。


下記広告の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にしていただけると一人10ポイント応援できます。

また、『ブックマーク登録』していただけたら更に嬉しいです。


本作を面白い、続きが気になると思っていただけましたら、何卒応援よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑面白いと思っていただけたら輝く星を、作者にブスッとぶち込んでください!!
とても大きな励みとなります!!
どうぞよろしくお願いいたします
 〈新作投稿〉転生女騎士と前世を知らぬふりする元カレ~二度目の人生で、愛する君は敵だった
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ