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三階層突入

 デイジーは、そのボス部屋の経路は覚えていて、ざっくりした地図を描いてくれた。

 三階層の探索は明日行い、今日はこのまま休む事になった。

 折角農村で仕入れたので、俺でも作れそうな料理に挑戦してみた。(ツマミだったかもしれない)

 トマトを厚めの輪切りにして、上にチーズをスライスして乗せて焼いただけなんだけど、焼けたトマトのジューシーさと、塩気の利いたチーズがベストマッチだった。

 アッツアツでじゅわっと溢れるトマトの果汁と、とろっととろけてまとわりつくチーズの食感も楽しい。

 ベーコン挟んでも美味そうだ。

 コレはキンキンに冷えたビールが欲しくなる。


 最初は目を丸くしていたヤンスさんだったが、一つ食べた後には気に入ったらしく、モリモリ食べていた。


「懐かしい味だ……」


 どうも、地元の料理に似ていたらしい。

 少しだけ昔話をしてくれた。

 海があって、オリーブとトマトが料理の中心で、女性を大切にする、そんな国で、小さい頃を過ごしたらしい。

 なんか、イタリアっぽいね。

 話を聞いて想像するのは、地中海の海辺のレストランだ。

 青い空、白い雲、寄せては返す波の音、美人のお母さんとジェントルメンなお父さんに挟まれて、ピザをはぐはぐ食べる、ショタなヤンスさん。

 遠くで海猫とカモメが鳴いている。

 ……自分の想像力の貧困さに凹むわ。


 翌日、二階層から三階層へ降りる。

 デイジーの地図と、探索魔法と、実際の地形を確認しながら進み、マッピングを行った。

 確認するだけだった、一、二階層とは違い、また二十歩歩いては止まりメモを取る、を繰り返す。


 昨日聞いた、小さくて、すばしっこくて、硬くて、弱い毒を持ったトカゲにも遭った。

 ジャックはイワトカゲの子供じゃないか?と言いながら、右手に持った武骨なナイフで突き刺している。

 クマさんは機敏で力強い……

 俺のナイフとピッケルは掠るだけで全く当たらなかったのに、すごい。


 イワトカゲ(幼生体)

  鉱石を主食として生きる爬虫類型の魔物。

  硬い表皮と爪に弱毒を持ち、素早い動きで動

  き回る。

  警戒心は強いが、好戦的ではない。

  鉱石であればなんでも食べるが、稀に気に入

  った鉱石のみを食べ続ける個体もいる。その

  個体は一定以上のレベルに達した時、独自進

  化を起こす。今まで見つかった種類はオパー

  ルイワトカゲ、雲母イワトカゲ、ダイアモンド

  イワトカゲ、ミスリルイワトカゲなどであ

  る。報告されていない種類も多く、実際にど

  れだけの種類が存在するか不明である。

  この個体は雑食、通常幼生体である。


 【鑑定】してみると確かにイワトカゲの幼生体の様だが、コイツの成体は偶にレアが出るみたいだ。

 捕まえておんなじ鉱石ばっかり食べさせたら独自進化するかもしんないな。

 他には一階層二階層で出てた魔物ばかりだ。


 まずは、デイジーにボスの部屋の前まで案内してもらい、一度安全地帯へ。

 それから拠点を設営して、マッピング再開。

 端から順に確認しつつ、フロア全体を回った。

 三階層の地図の完成には三日を要した。

 このフロア罠が多すぎるよ。

 隠し扉や隠し通路があり、魔法陣に魔力を流さないと通れない道もあった。

 その魔法陣に良く似たアラームの魔法陣なんかも設置されていて、本当に厄介だ。

 「ヤンスさん、それはアラームです」と声を掛けた瞬間、エレオノーレさんが「何が違うの?!何処で見分けるの?!」と飛んできて隊列が大変なことになったりもした。


 念の為、鉱石を採取してみたりもしたが、特におかしな事は起こらない。

 手に入った鉱石は上の階よりも質が良いものであったが、危険度と照らし合わせると、上の階の方が安全に沢山確保できたので、あまり割に合わない気がする。

 下の階層に向かう入口は無く、間違いなく仮定ボス部屋の奥に階段があるのだろう。

 宝箱らしき物も気になる。


 気は急くが、万が一の場合を考えて、一日安全地帯で休養を取る。

 普通は食糧や水が勿体無くてそんな事しないんだろうけど、【アイテムボックス】があれば問題無い。

 皆で交代でしっかり休んで、しっかり食べて、大体の戦闘シミュレーション会議まで行った。

 体調も気力も万全で、俺たちは扉の前に立つ。

 全員、防具や武器も対岩蠍モードにしてきていた。


「良いか?扉を開けたらまずはジャックが前に出る」


 ヤンスさんは扉に楔を打って閉まらない様にして、オーランドはその護衛。

 俺とエレオノーレさんで後方と左右の警戒、デイジーは誰に攻撃がきても回復できる様に準備を行う。

 オーランドが最終確認をすると皆頷いた。

 いつもは一番後ろにいるジャックが隊列の一番前だ。


 ヤンスさんが扉の罠を確認した後、オーランドが大きく扉を開いた。

 真っ暗な部屋をトーチの灯りが照らす。

 じゃりっとジャックが部屋の中に足を踏み入れると、部屋の壁に付いた篝火が入口から奥に向かって、ボッ、ボッ、ボッと音を立てながら点いていく。

 まるでゲームのボス部屋のイメージそのままだった。

 いつも『俺不運』読んで下さってありがとうございます。

 ブックマーク、評価本当に嬉しいです!ありがとうございます!


 次回は岩蠍とバトルです。

 バトルシーンの描写は苦手ですが、頑張りますので、次回もどうぞよろしくお願いします。

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