間話 ◯視点 『三剣の華』 ヨハンネス【Bランクパーティのハンター達 1】
評価人数2222人突破記念の間話です。
多分続きますが、それはいつになるかわかりません。
どこかの間話のタイミングになるはずです。
※胸くそ悪い表現しかありません。あらかじめご了承下さいませ。
私の名前はヨハンネス、聖女アレクサンドラ様率いるAランクパーティ『三剣の華』の大楯担当である。
個人ランクはBだが、盾役とは思えないと言われるスリムな体型と、しっかりと付いた筋肉、精悍な顔のつくり。
とどめは男爵家の三男と血筋も良い。
正直言って人生勝ち組だ。
何をしても周りの目を引いてしまう。
アレクサンドラ様にも気に入られていて、戦闘時は私が御身をお守りする任に付いている。
この度ドドレライスデンでスタンピードの兆しありと指名依頼を受けた。
他の街を拠点とするAランクパーティ一組とBランクパーティ二組と合同依頼だそうだ。
帝都に到着し、仕事の内容を聞く。
事前に聞いていた内容とほぼ変わらないが、Bランクパーティの内一組がまだ捕まらないのだそうだ。
私達がいれば問題無いと思われるが、スタンピードは数も大事だからな。
二日程休息日をおいて、出発予定日が指定された。
急だが、明日だそうだ。
どうやら最後のパーティが見つかったらしい。
食糧を買い集めるが、この時期である。
碌なものが売られていない。
干し肉や堅パン、チーズ、ワインなどばかりしか手に入らなかった。
この時期であれば漬物なども売られているが、こちらは荷物になるばかりである。
ウチのパーティに【アイテムボックス】持ちがいるとしても重量で容量が決まるのだから今回は少量で諦める事にした。
数種類の根菜類を購入して、調味料などを利用した上で味に飽きぬ様努力するしかあるまい。
【アイテムボックス】を持つライムントもまた大楯持ちだが、彼は私と違い三剣を守る事が役目である。
大楯を持ち走り回る為筋肉が膨らみ、お世辞にも美しいとは言い難い。
まぁ、私とは役割が違うのだから仕方がないだろう。
ライムントの【アイテムボックス】は通常よりも大きめで、時間経過も二分の一程の高性能である。
見目は良くなくとも能力的にAランクパーティに相応しいと言えよう。
そんなライムントの【アイテムボックス】のおかげで私達は食糧だけでなく食材や、調理器具なども持ち運べるのだ。
【アイテムボックス】持ちが少ないとはいえ、世の中に全く居ないわけでは無い。
だが、ハンターになる者は少なく、なった者が居てもその容量は小さい事がほとんどである。
時間も通常通り流れる者ばかりだしな。
そういった者たちは【アイテムボックス】になけなしの保存食を限界まで詰め込んで運ぶのだ。
おそらくあの『飛竜の庇護』といったか?
Bランクパーティにいるポーターもその一人だろう。
用意されていた馬車のうち、一番大きなものに乗ろうとしたらそちらはなんと例の遅れてきたBランクパーティの乗る馬車だというではないか。
交換を要求したが、彼等が貸し馬車屋から借りたものらしく、自分達で手配しなかったのが悪いとギルド職員から言われてしまった。
一番良いものをアレクサンドラ様に渡さないなどありえないのだが、やはり平民にはわからないのであろうな。
広い心で許してやろうではないか。
ノブリスオブリージュだ。
その後、まだ時間があった為食料の追加購入に出る。
紹介された店は昨日買いに行った店で、所詮はBランクが勧める店だと思いきや、紹介状を見た途端に手のひらを返したようにあれこれと便利な品物が並べられた。
お湯を注ぐだけで料理になる保存食に、贅沢にたっぷりの蜂蜜を使用したエナジーバー、臭くない質の良い干し肉や長持ちする根菜。
料金は安いとは言えないものであったが、それだけの価値がある物ばかりだった。
馬車も“コタツ”と呼ばれる初めて見る暖房が入れられ、毛布なども配布されてこの時期の移動としては中々快適である。
ふむ、ギルドも中々わかっているではないか。
移動は快調に進むかと思われたが、昼過ぎから天気が崩れだし、夕方を待たずに今日は野営することとなった。
馬の世話を例の少年が買って出て、甲斐甲斐しく動き回っている。
恐らくポーターという名の小間使いだろうな。
どうやら馬車に飼葉などを載せていたらしい。
惜しげもなく馬たちに与えていた。
こちらはこちらで全員で雪を退け、薪を集めたり、退けた雪で風除けを作ったりと少しでも快適に過ごせる様に動いてやる。
本来なら貴族である私が行う仕事では無いが「ハンターとしてやりなさい」とアレクサンドラ様に言われてしまえば仕方がない。
他のパーティの手前やるしかなかった。
スコップを使って少しずつ雪を退けた。
やっと火が焚き付けたかと思えば、先程の小間使いが火の前に連れて来られている。
何も準備をしていないのに何故ソイツが火に当たるのか理解できない。
まずは貴族である私達が暖まるまで平民は待つべきであるし、更にその小間使いなどは熾火で充分過ぎるはずだ。
不満に思うが、顔には出さない。
貴族は感情を律する者だからな。
その後この場での宿泊が決まり、ライムントに調理器具を取り出させる。
ハンターは基本荷物を多く持たない為、移動中に調理できるのは私達の様に大きな【アイテムボックス】を持つ者達だけの特権である。
流石にAランクパーティの『白銀』は【アイテムボックス】持ちが居るが、Bランク共にその様なメンバーを確保することはできまい。
憐れんでそれとなく視線を送れば二つのパーティメンバーは笑いあって調理器具を取り出した。
その得意げな顔といったら!
切り捨てられぬだけ感謝をするべきである。
ま、まあ、平民の中にもスキルに恵まれた者がいてもおかしくは無いな。
おそらくライムント程大きくはないだろう。
うむ。
いつも俺不運を読んで頂き誠に有難う御座います。
マイページを見たら丁度評価人数が2,222名で、キリ番(この言葉が通じる方はどれだけいるのだろうかと怯えています)だったのでおっぺけ視点の間話を投下してみました。
評価を下さった皆様本当に、本当にありがとうございます。
日々励みにさせていただいております。
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モチベーションを保つのに役立っております。
これからもどうか俺不運をよろしくお願いします。
前書きにも書きましたが、おっぺけ視点なので大変に胸くそ悪い表現ばかりでムカムカしながら書いておりました。
とんでも無い思考回路が一周回って笑いになる事を祈っております。




