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64. ラルゴの意思

セブンイレブンで冷凍の刻みオクラ山芋ミックスなんてあるんですね~便利。簡単に糖質オフれますね!




「やっぱり、ハァ、ここにいたんですね!ハァ、ハァ」


息を切らしながらやって来たラルゴは、イシルをみるなり、破顔した。満面の笑みを浮かべる。


「サンミさんも、門番も、イシルさん来てないって言ってたから……」


そして、泣きそうな顔になる。忙しいな、顔。

てか、門番はともかく、サンミは来てるの知ってるハズ……


「また会えてうれしいです!」


ラルゴはがばっと、イシルの手をとると、ぎゅうぎゅうと握りしめた。

泣くほど会いたかったんだ……

イシルはさりげなくラルゴの手をほどきながら、笑顔でラルゴに問う。


「どうしたんです?ラルゴくん、街へ行ったのでは?」


「はい!行って帰ってきました!」


「ああ、仕事を終えて来たんですね」


「いえ、仕事は辞めてきました!」


どや顔で なんて言いました?ラルゴさん。


「オレ、この村に住む!」


シャキーンと音が鳴りそうなキメ顔で ラルゴが きっぱりはっきりくっきり言いきった。


「「はぁ~!?」」


大丈夫か?コノヒトは……

嫁探しは諦めたのか?

川を渡って向(・)こ(・)う(・)側(・)へ行くのか!?

イシルのために!?


「お前さん、どうやって食っていくんじゃ?冒険者でもあるまいし」


モルガンが心配して尋ねる。


「んー、鍛冶手伝いとか」


花嫁修業みたいに言うなよ、字が違いますが。


「その細腕でか?」


ドワーフと比べるとあきらかに細腕なラルゴではキビシイだろう。


「あ~、農家の手伝いとか……」


「人手を雇う余裕のある家なんぞないわ」


「んー……」


「住むとこはどうするんじゃ」


「えー……」


「貯えはあるのか?」


「…………」


ノープランてことね。


「悪いことは言わん、すぐに謝って仕事に……」


モルガンがラルゴを説得しようとすると、イシルがそれに被せるように口をひらいた。


「ラルゴ君は商(・)人(・)カ(・)ー(・)ド(・)を持っていますね?」


「はい」


商人カードというのは、商人ギルドが発行する 商売することを認められた者がもつ身分証のようなものだ。

色んな国での自由商売が認められる。

審査があり、ギルドは商人に登録させることで 治安を守り、安全と市場の流れを把握できる。


今 この村に商人カードを持っているものはいない。

何故って?めんどくさいらしい。

持っていると責任者になってしまうから。

だから、この村の者がこの村以外で物を売るときは 商人ギルドを通さなければいけない。

つまり、手数料を取られるのだ。

ギルドに売った品物の代金からマージンが引かれ、のこりを各農家に分配している。


「では、この村の組合長になりませんか?」


「へ?」


「組合長になって、会館に住めばいいし、ギルドに払っていた手数料の分から ラルゴくんにお金を支払えばいいでしょう。それですべて解決します。いかがですか?」


先程頭を悩ませていた問題……

商(・)売(・)に(・)詳(・)し(・)い(・)人(・)をみつけたのだ。

実力の程は定かではないが、営業がうまいのは『コロッケ』で実証済み。

今までは言い値で売っていたジャガイモも、ラルゴが上手く交渉してくれるかもしれない。


「い、いやいやいやいやいや……無理です、いくらイシルさんの頼みでも そんな大役……」


「そうですか……ラルゴくんがいてくれれば心強いのですが……」


イシルがあ(・)き(・)ら(・)か(・)に(・)残念そうにため息を吐く。

憂いをおびた顔で。


イシルがラルゴを丸め込もうとしている……


「え?そう、ですか?」


おっ、引っ掛かった……早いな


ここで、イシルの企みに気づいたモルガンも 押しにかかる。

持ち回りでやっている面倒な納品と、ピューラーの開発の手助けをやらせようという魂胆だ。


「これは内緒じゃがな、組(・)合(・)長(・)が住む会館にはな、イシルさんの家につながるゲ(・)ー(・)ト(・)があるんじゃ」


モルガンが 盛大にイシルを売り飛ばす。


「本当ですか!?」


ラルゴの心が揺れる。

ラルゴよ、普通の人はそのゲート、通れません。


「それは、一体……」


ラルゴの心がグラグラと揺れている。

チョロいな……人のことは言えませんが。


「うむ、サクラはな、ゲートを通って会館からこの村に通っとるんじゃ」


ラルゴよ、よく聞け、イシルではなく、サ(・)ク(・)ラ(・)が(・)だ。

イシルはたまにしか来ない。


「オレが、そこに住むと!?イシルさん家の玄関と、オレの家の玄関が、一緒……てことは……」


嘘ではないが、語弊はある。

あぁ、憐れなラルゴ。

手のひらの上でコロコロ転がる小石のようだよ。


「駄目……ですかね?」


ハラリと落ちた 後れ毛を耳にかけながら ラルゴに問いかけるイシル。

角度、仕種、目線、表情……すべてが完璧。

これは、落ちる。


「はいぃっ!頑張ります!!」


その後のモルガンの行動は早かった。

ラルゴの気持ちが変わる前に固めてしまわなければ。

四人で会館へ行き、召集サイレンをならし村長と村の重鎮を呼び寄せ、話をする。

みんなもろ手をあげて大歓迎だ。

ラルゴがギルドへ納品に行ってくれれば その間仕事ができる。

慣れない旅や、商人の真似事などしなくて済むのだ。


かくして、ラルゴがこの村の組合長に就任した。










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