549. プレイバック女子旅 ◎
料理写真挿入(2022/5/10)
「ううっ///ぐすっ、サクラ、サクラぁ……」
リビングに入るなりサクラに抱きついたアイリーンは 泣きながらサクラの名前を連呼する。
(アイリーンにも心配かけちゃったんだ……)
サクラはアイリーンの背をさすりながら、あやすようにアイリーンに言葉をかけた。
「もう、大丈夫だから」
持つべきものは同性の友。
アイリーンはがばっと顔をあげ、サクラを見ると――
「ちっとも大丈夫じゃないわよ!!無駄足だったわよ!」
「へ?」
うるうるの瞳の可愛いアイリーンは泣いてたかと思ったら怒り出した。
「なんじゃ、お主、サクラが心配で駆け込んできたんじゃないのか?」
ヨーコも話しが見えずにアイリーンに聞き返す。
「は?サクラの心配?なんで?あんた、また何かしたの?」
どうやらアイリーンは サクラに何が起こったか知らないようだ。
ですよね、討伐地区の西側に行ってたんですもんね。
「いや、別に……」
「サクラは力を使いすぎて魔力切れでぶっ倒れたんじゃ」
「お主のせいじゃろ、リコ」
サクラの醜態をアイリーンにチクったリコを魔力でピンっとヨーコが弾く。
「アイタっ、、」
魔力デコピンされ、リコは後ろに仰け反った。
「暴力、、反対(涙)」
「どの口が言うか、暴力で事を進めおったくせに」
ヨーコ様、容赦無し。
怒ってる?
「ふ~ん、アンタが、古狸……」
アイリーンがねめつけるようにジロリとリコに視線を寄越す。
物怖じしないアイリーン、いつも、これで性格を誤解されるのに、直す気ナシ!
「なんじゃ、サクラ、誰じゃこの失礼な女子は!」
「ふふふ……」
アイリーンはリコに、にっこり微笑み――
「ん?なんじゃ、」
“ピンっ!”
「アイタっ!」
デコピン。
「あんたの」
“ピンっ!”
「いっ!」
「おかげで」
“ピンっ!”
「うおっ!」
「アタシの」
“ピンっ!”
「えぐっ!」
「計画が」
“ピンっ!”
「おほっ!」
「台無しよっ!」
“ピンっ!”
「あううぅっ!!」
見事なあいうえおリアクションありがとう、リコ。
「アイリーン、もうそのくらいで、、」
許してあげてとサクラが止めに入る。
「動物のしつけは始めが肝心なのよ」
古だぬきをつかまえて動物て。
「“ごめんなさい”は?」
「ご、ごめんなさいぃ~(涙)」
アイリーンのよく分からない迫力に押されて謝るリコ。
「いいわ、許したげる」
天使の微笑みで今度はなでなで、癒しの水でリコのおでこを治癒するアイリーン。
飴とムチ。
叱った後は甘やかす。
見事なツンデレ、アイリーン。
「……で?アイリーン、何があったの?」
「あ″~も~、本当サイアクよ!」
サクラはリコを気にしながらも、アイリーンに尋ねる。
「西の地区で、大変だった?」
「討伐自体は全然大変じゃなかったわ。脳筋バカが一人いたけどね」
ソイツが、サイアクだったのかな?
「その……お目当ての人には会えたの?」
「会えたわよ。寧ろ、街で会うより良かったかも」
「どゆこと?」
「ホントの危機の時にしかなかなか本性って出ないからさ。切羽詰まったときにどう出るかが見れて、かえって良かったわよ」
「ん?なんじゃ?ワシのおかげか?むぐっ……」
サクラは空気を読めずチャチャを入れるリコの口をおさえる。
(リコ、こういう時は黙って聞く!アイリーンのムシの居所が悪い。またデコピンされるよ?)
(お、おう)
聞いて聞いてとアイリーンが話し出す。
「西の地区にはさ、今回会うはずだったカーターとハリソンがいたのよ」
アイリーンが会ったのは、カトレアの魔法攻撃部隊三等兵のカーターと、回復部隊二等兵のハリソン。
カーターは赤毛の人懐っこい少年で、ハリソンは優しい面持ちの金髪の青年。
おしゃべりカーターを情報源に、アイリーンはハリソンに的を絞ったようだ。
「ハリソンはさ、仲間思いで、仕事もできるのに、謙虚な心を持っててね、、」
「うん」←サクラ
「ふむふむ」←リコ
“カサッ”←?
「脳筋バカ、、ワイアットってヤツがさ、仲間かもしれないニュクテレテウスにも構わず攻撃する事に“ヤメロ”って言える常識人でね」
「うんうん」←サクラ
「ほう!」←リコ
“パリッ”←?
「あ、ワイアットは一等兵でハリソンより上官なんだけど、2人は同期なの」
「へぇ~」←サクラ
「ライバルか!」←リコ
“ポリっ、ポリポリ”←?
「てか、リコ、アンタ何食べてるの?」
さっきからカサカサ、パリポリ口を動かすリコにアイリーンがつっこむ。
「ん?これか?菓子じゃ。2階の部屋にあったでな、オマエも食うか?」
リコがアイリーンにお菓子の袋を傾ける。
リコはいつ取ってきたのか、2階のサクラの部屋にあったお菓子をわんさか抱えていた。
「リコ、お主、人の物を勝手に……」
「いや、懐かしくて……あがっ///ヨーコにもやるから魔力デコピンはするな!これ以上やられたらデコがかち割れる!!」
ポテチにせんべい、皆に配りやすいよう小分けになったファミリーパック。
ファミリーパックは小さいサイズのお菓子だから、サクラも食べられる←自制する強いココロが必要ですが。
なんて、鼻の利くヤツだ!
あ、動物だからか。
「ダイジョブ、ダイジョブだよ、ヨーコ様。もうすぐ薬もらいに神に呼ばれるからさ、また買ってくるから怒らない、怒らない、、」
「ん?サクラは現世に行くのか!?」
「自分で自由に行き来は出来ないけどね」
「そうか!トモヤによろしゅうな!あと、ワシはおさつスナックが好物じゃ」
もう次に走り出したんですね、リコさんや。
切り替え早くてナニヨリです。
しかも、おさつスナックと同列ですか、買って来いって事ですね、わかりました。
“ガキッ、バリッ、ボリッ、”
アイリーンが忌々しそうに堅焼きせんべいにかじりつき、ゴリゴリ食べる。
ほっぺがハムスターみたいに変形してて可愛い♪
しかし、空気を読んで、笑ってはイカン。
「でね、討伐の時に、ワイアットがバッサバッサと魔物を倒して行ってたわけよ」
「うん」←サクラ
「ほう、モグ、、イヤなヤツでも実力はあるんじゃな」←リコ
「まあね、で、アクア・アラーネア、、サクラは見たことないか、アメンボみたいな見た目の水属性の魔物なんだけどね、ワイアットがトドメを刺そうとしたら、ハリソンがそれを止めたのよ」
「何故じゃ!?」←リコ
「仲間かもしれないから、かな?」←サクラ
「まあ、それもあるけど、今回の討伐は殺すことが目的じゃない、ひとつひとつに命があるんだからって」
「うわ、優しい」←サクラ
「戦士としては失格じゃろうがな」←リコ
いや、それで殺られるのはアンタの味方だろ、リコさんや。
「人としては合格よ。コマである戦士としては失格でも、全体を見る大将の器よね。魔物にだって役目があるの。アクア・アラーネアはファイア・ファラエナを駆逐してくれるから、森に必要なのよ?ファイア・ファラエナは火属性の魔物で、火の鱗粉を撒き散らす。火を嫌うアクア・アラーネアはそれを消火し、ファイア・ファラエナを狙い、食糧としてるの。図らずとも、山火事を防いでくれているのね」
「ふむふむ」←サクラ
「なるほど、考えたことなかったな」←リコ
「ニュクテレテウスだってそうよ。山の茸がよく育つのはニュクテレテウスのおかげ、ニュクテレテウスは何でも食べるから、森の掃除屋でもある。だからなるべく殺さずに、南に追い立てる作戦になったんだって」
「へぇ~」
「偉いじゃろ///ワシら」
「凄いですぅ~」
「魔物も役にたってるんだね~」
「それもハリソンさんの言葉なのですか?」
「「ん?」」
気がつくと、いつの間にかお菓子に伸びる手が増えていた。
「ヒナ、リズ、スノー、、いつ来たの?」
「つい今しがた……」
「イシルさんが村に来てね、」
「サクラを宜しくってぇ~」
いつの間にやら、お菓子を囲んで女子会開催になっていた模様です。




