522. 女子旅 part2 ⑥ (お菓子の家) ☆
Ichen様より、FPいただきました!
先日のワタクシ誕生日のためのケーキ!
ありがとうござります!目でいだきましたよ~
あとがきに挿入させていただきました。(2021/11/21)
山の中にポツンとお菓子の家。
(うわあ///いい匂い)
お菓子の家の煙突からは甘~いバニラのような匂いが漂ってくる。
すんすんと胸いっぱいに香りを胸に取り込みうっとりしていると、つやつやと光る板チョコの扉があいて、中から優しそうなおばあさんが顔を出した。
「おや、珍しい。こんな山奥にお客さんとは、嬉しいねぇ~」
にこにこと話しかけてくるおばあさんにサクラも笑顔を返す。
「こんにちは、おばあさん。すごい家ですね、おばあさんが作ったんですか?」
「そうだよ。儂ゃこの家を作りたくて魔法使いになったのさ。あんたも魔法使いだね」
「はい。まだまだひよっ子ですが」
サクラはお菓子の家を見上げてうっとりする。
つやつやのチョコレートの扉の回りは 赤いイチゴジャムがポイントのクッキーで彩られ、真ん中のジャムがキラキラと輝いている。
その外側は オレンジ色のマーマレードのジャムクッキーが。
そのもう一回り外側は 緑のキュウイジャムのクッキーが。
「ちゃんとした魔法使いになれば こんなことも出来ちゃうんですね~」
「あんたも作りゃいい」
「私は魔法が中々上達出来なくてですね、、」
魔法使いになれば 食うにに困らないだろうくらいの意識しかなかったサクラは、今まであまり修行に身が入らないでいた。
「目標が出来れば 精も出るさね」
そうかもしれない。
こんな夢を目の前に見せつけられたら 頑張りたくなる。頑張れる!
「今バニラミルクティーをいれてるとこだよ、あんたも飲むかい?」
「いえ、私は、、暗くなる前に帰ると師匠と約束をしたので帰ります」
「何言ってんだい、まだ夕暮れには時間があるじゃないか。少しくらい大丈夫だろうさ」
「でも、、」
お腹も減った。
出掛けるとき、いつもなら師匠イシルがお弁当を持たせてくれるのに、今日は何もなかった。
イシルは サクラが腹が減ったら帰ってくることをわかっているから、あえて持たせなかったのだ。
「それに、目標ができたから、今、やる気のあるうちに 家に帰って修練に励みたいんです」
「それはいいことさね。でも作り方を知らなきゃ作れないだろう?教えてあげるよ」
「じゃあまた習いに来ます」
「そうかい、仕方がないねぇ……」
サクラがさよなら、おばあさん、と 背を向けると――
″ゴホゴホっ、、ゲホッ、ぐはぁっ、、″
「おばあさん!?」
血ヘドを吐くような咳をして、おばあさんが前のめりに屈みこんだ。
「だっ、、大丈夫さね、、ぐふっ、儂の事はいいからお行き、、うげええぇぇ、、」
ちょい、ちょい、ちょい待ち、大丈夫って、内臓出ちゃいそうな勢いですよ?
サクラはあわてておばあさんに駆け寄り支えると 息がしやすいように背をさする。
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫、大丈夫、、」
おばあさんはため息ひとつ落とし、少し寂しそうに誰ともなしに呟いた。
「はぁ、儂ゃいつまで元気でいられるか……げぼっ」
こんなか弱い老人置いていけるかっ!!
「とにかく、休みましょう!ベッドへ」
お人好しサクラは お婆さんをお菓子の家の中へと送っていった。
◇
お婆さんを家に連れて、ふかふかマシュマロのベッドに寝かせたサクラは、具合の悪いおばあさんのかわりに仕事を手伝いました。
「サクラ、台所のカメを水飴の木の樹液でいっぱいにしたいんだけど、頼めるかい?」
「はいっ!」
サクラはバケツを持って水飴の木に向かいました。
水飴の木の枝をしならせ、バケツに向けて傾け、枝の先を切る。
すると、とろーりとした水飴がバケツを満たして行く。
(うんしょ、うんしょ)
いっぱいになったバケツを運び、6回程往復したところで カメがいっぱいになった。
「終わりましたよ、おばあさん」
「次は庭から金平糖の花をかごいっぱいに摘んどいとくれ」
「はいっ!」
次は金平糖だ
裏庭に回ると、花壇に行き、金平糖の実をかごに集め、キッチンへ持っていき、置きっぱなしになっている洗い物を洗い、片付け、べっこう飴の床を磨く。
(あ、これ、お菓子の花の育て方だ)
雑多に散らかされたテーブルの上にはお菓子の花の育てからから、お菓子を作るまでが記されてあり、サクラは夢中になって読んでいく。
(水飴の木を育てるには ジャイアン・アントの巣の密が必要なのか、、あっ、植樹も出来るんだ!さっき切り取った水飴の木にの枝の先があるから、これ、もらってもいいよね?)
″ペラリ″
(水飴の樹液を粉にして、蜜のたねを作り、金平糖の花を育てる。そしたら金平糖の花を種にして、お菓子の材料を振りかけて、水飴の木の蜜を加えるのか、ふむふむ、、)
″ペラリ″
(呪文は――)
「いつまでかかってんだい、サクラ!暖炉にくべる薪を割るんだよ」
「はいっ!」
寝室からおばあさんに大声で呼ばれて、サクラは本に記された呪文の言葉を急いで頭に入れた。
目標のできたサクラは お腹が空いたのも忘れて、一生懸命働きました。
(イシルさんに、、美味しいお菓子の家のをプレゼントするんだ///ビックリするかな?喜んでくれるかな?)
再び裏庭に出て薪を割るサクラ。
割った薪をロープでひとくくりにして、ナッツをキャラメリゼして固めた納屋の横に置いた。
「よいしょっ、、と、ふう」
″ガタガタっ″
「ひっ!」
重い薪の束をおろし、腰をのばしていると、納屋の中から物音がして驚き 飛び上がるサクラ。
″ガタガタガタッ″
(なにか、いる、、ねずみ?)
家をかじられては大変だと、サクラはそっと納屋の扉を開けた。
″ギィ……″
納屋の中は暗くてよく見えない。
サクラは魔法でろうそくの火の明かりほどの光の玉を作り出し、中を照らす。
″ゴソゴソっ″
やっぱり何かいる。
光に照らされた納屋はうすぼんやりして余計に怖いな。
サクラは怖々と音のした方に忍び足で近づいていった。
すると――
″ガタッ、、くそっ!″
(え?)
物音と、人の声。
(まさか、泥棒!?)
納屋の一番奥、そこにサクラは――
「牢に囚われている男の子を発見しました」
「え?ヘンゼル?」
アイリーンの話を聞いていたサクラは またもや口を挟んだ。
「誰?それ」
「いや……」
いました。ヘンゼル。
『魔物資源活用機構』をお書きになっているIchen様が、先日の誕生日にケーキを作って写真を贈ってくださいました!!
去年いただいた青紫の絹の薔薇を思わせる淡い紫の素敵なケーキ。
チーズクリームのラインが薔薇の花弁の重なりのよう。
氷ったベリーがキラキラと輝き、とっても素敵(*´∀`*)
しかも、使用材料は
(生地)おから、卵、水、砂糖的なもの、ベーキングパウダー(クリーム)生クリーム、クリームチーズ、砂糖的なもの、ベリー(他)ミックスベリー
小麦粉無しの糖質オフ!
クリームにチーズをまぜて糖質オフ!!
ありがとうござります
三層にそびえるケーキはふわっふわ。
チーズクリームたっぷり。
そこにベリーの甘酸っぱさが加わり至福のひととき。
皆様にも、おすそわけ(*^^*)




