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458. ѕαкυяα ιи ωσи∂єяℓαи∂ 21 (サクラ vs ジャスミン) ★

少し暗い話になります。

人によっては残酷描写かもしれません。

ご了承下さい。


挿絵挿入(2021/8/4)

イメージ壊したくない方は画像オフ機能をご利用下さいm(_ _)m




「ふふふ、良くわかりましたね、サクラさん、誉めてあげますよ」


イシルの顔でジャスミンがニヤリと嗤う。


「安心して、アリスの夢を食べたら サクラさんの夢も食べてあげますから、、さて」


ジャスミンはイシルの姿のまま、右手を前に出した。


「料理を始めましょう」


ジャスミンの手のひらの上に 黒い闇の玉が浮かびあがった。


「アリス、君の両親は随分いろんな薬を探していたね」


ジャスミンの手のひらの上の黒い玉は霧散し、黒い霧となる。


「まずは、ロリス」


ジャスミンが名を呼ぶと、スローロリスのロリスがジャスミンとアリスの間に現れた。


「な、なんだこれぇ~」


ジャスミンの手のひらの闇が ロリスにまとわりついていく。


「その昔、スローロリスのその肉体はてんかんの治療に使われていました。目は惚れ薬り、肉は喘息や胃の疾患の治療に、黒焼は熱冷まし――」


ロリスの体を蝕むように蠢く黒い霧。


「君は喘息持ちだよね?アリス。随分お世話になったようだ」


「チッチッ、ジッジッジッ、、」


黒い霧から顔だけを出した苦しげなロリスの鳴き声。


「美味しかったかい?」


「いやあっ!!」


アリスが両耳を押さえる。

ロリスは 黒い霧に包まれて――


「ジッ……」


消えた。


「ああっ!」


アリスの叫び。


「クッ、ククク」


ジャスミンはごくりと旨そうに夢を飲み込むと、ペロリと舌舐めずりをし、再び黒い霧を操る。


「ケロッグ」


次に現れたのはカエルのケロッグ。

ジャスミンがアリスに猫なで声で語りかける。

まるで 母親が子供に諭ように、優しく……


「ガマの脂は創傷を癒すのに使われるんだよ?どんな傷もピタリと治す。虚弱を治し、強心作用があるんだったね?」


「ゲロッ、ゲゲ、、」


「料理したら鶏肉みたいな味がするんだ。ガマだって知ってて食べた?君は残酷だ」


うっ、げふっ、と、アリスがむせる。

サクラがアリスを支え、背をさすりる。


「汚いなぁ……今吐き出しても駄目だよ」


「黙れ!悪魔め!」


サクラの怒鳴りにジャスミンが嬉しそうに嗤った。

その感情もジャスミンにとってはご馳走だ。


「アリス、君の心臓が動いていたのは ガマのおかげ、治りにくい傷が治ったのもそうだ」


「ううっ、、やめて……」


ケロッグも 黒い霧に飲み込まれて――


「ゲコ……」


消えた。


「いやーっ!!」


アリスの悲しみと罪悪感がふくらむ。


「くくくっ、ああ、美味しい……君の叫びは最高のスパイスだよ、アリス。可愛いねぇ、もっと苦しんで、もっと悲しんで、もっと罪の意識を増幅させてよ。僕のことを愛していんるんだろう?あはははっ!代わりに僕が君をオトナにしてあげるから!心も、体も(けが)れるといい!」


「はあっ、あっ、ヒュッ、あふっ、、」


ジャスミンの言葉に アリスが苦しそうに嗚咽をあげ、呼吸も儘ならなくなる。


「止めなさい!ジャスミン!」


サクラがアリスの背をさすりながら、ジャスミンを睨んだ。

ジャスミンはイシルの顔でゲスな嗤いを浮かべる。


「次は何がいい?蜂?卵?ツバメ?それとも、、ウサギ?君は沢山の命の上に生かされてたんだねぇ」


「うっ、ぐすっ、、ううっ」


「アリス、人は生きるために食べなければいけない、貴女が罪の意識を持つのは、それだけ命の尊さを知っているから。大事に、食べたからよ」


サクラの言葉はアリスに届かない。

ひゅーひゅーと 喘息のような呼吸をしながら ジャスミンに追い詰められていくアリス。


「このっ、、」


右手に闇を呼び出すジャスミンに、サクラは三日月の杖を振り回して襲いかかった。

しかしサクラは、簡単に捕らえられてしまう。


「うぐっ、、」


ジャスミンは 捕らえたサクラに顔を寄せ、味わうように すうっ、と、息を吸い込んだ。


「ああ、やっぱりいい匂い。思った通り美味しそうだね、サクラさんは。なんだ?術が効きにくいな。直接食べなきゃならないのか。君は後のお楽しみだ。ゆっくり料理して味わってあげるからね?」


サクラはジャスミンによって黒い霧に拘束され、自由を奪われてしまった。


(私じゃダメだ)


夢魔に夢にはいられたらどうすればいいか聞いた時、イシルはこう言っていた。


″自分をしっかり持って、これは夢だと自覚しておけば大丈夫ですよ。所詮夢ですから″


(これは、アリスの夢。アリスのものだ)


サクラはアリスに向かって叫ぶ。


「アリス!負けないで!貴女しか勝てないの、しっかり自分を持って!」


「もう、いや……助けて……ううっ」


「泣いてるだけじゃ何も変わらない、ちゃんと立って、前を向いて!」


アリスはいやいやと首をふりながら泣き続ける。


「私を見て!アリス!これは夢よ!貴女の夢!」


「私の夢……」


アリスがサクラに目を向けた。

やっと、サクラの言葉が届いたのだ。


サクラはアリスに微笑んでみせる。


「そうよ、苦しくなんてないはず。貴女の大切な夢の中なんだもの。貴女の大事な世界なんだもの。ロリスも、ケロッグも、貴女を恨んでなんかなかった!貴女の幸せを願っていた!この世界で命をもらい、みんな、貴女の役に立ちかったの!」


「みんな……」


ぐすん、と アリスが鼻をすする。


「泣いてないで、みんなを守って、アリス。今の貴女は病弱なアリスじゃない、夢の中だったらなんだって出来る!走ることも、空を飛ぶことだって出来るわ!貴女の自由!ジャスミンなんかぶっ飛ばせ!」


「私の、自由、、」


アリスの呼吸が落ち着き、瞳から涙が消えた。

ぽうっ、と ジャックが輝きだし、ジャックの傷が塞がっていく。


「黙れ!」


ジャスミンがチッ、と舌打ちして、サクラを床に転がした。


「あうっ!」


サクラを踏みつけ、ギリギリと体重をかける。


「いぎっ、、」


重いし、その靴痛いよ!ジャスミン!


「お姉さん!」


「戦え!アリス!前に進め!誰かがオトナにしてくれるんじゃない、オトナには、自分でなるのっ!」


ジャスミンに掴まれていたジャックが輝きを放ち、スパン!と、ジャスミンに光の玉を投げた。


「くっ!」


光の玉はサクラに当たり、黒い霧を中和してサクラを解放した。

傷の癒えたジャックは、アリスを守るために アリスの前に立ち、守りの体制を取る。


「小賢しい!口の回る小娘だな!」


黒い霧からは解放されたが、ジャスミンはサクラを逃さなかった。


「先にお前からだ」


サクラの首を掴み、顔を近づける。


「この顔が 好きだろう?」


「ぐっ、、好き、じゃ、、ない」


「嘘をついても無駄だ。僕は君の理想の異性の姿をしているはずだからね」


おかしいな、私の理想ビジュアルはミケちゃんだったはずだけどな。

現実が理想を越えちゃったんだね。


(もう イシルさんと一緒にぽよんちゃんとこに行けないな)


「何を考えている?」


ジャスミンがイライラとサクラの首を閉めてきた。

上の空なのがバレた。


「はな、、せ」


「君はこの男の素顔を知ってるのか?」


ジャスミンがいたぶるような、勿体ぶった口調でサクラを料理し始める。


「戯れ言は、、聞きあきた」


「ふふ、手強そうだ」


ジャスミンは愉しげに嗤い――


「じゃあ、これは、どう?」


サクラに更に顔を近づける。


″シワッ″


「?」


()()()は1200歳だったね」


″シワシワッ……″


イシルの顔をしたジャスミンの顔に シワが刻まれて行く。


「本来なら一体どんな顔になるのかな?」


「やめ、、」


「ふふふ、この美しい顔が 干からびて朽ち果ててぼろぼろのミイラのようになる様をみるがいい!本当の姿を!!」


「この、、」


″ぷちっ″←キレた。


「やめんかーっ!!」


「うわっ!」


サクラが手を伸ばし、ジャスミンの髪を引っ張った。


″がぶっ″


サクラの首もとを吊るすジャスミンの手が緩んだ瞬間におもいっきり噛みつく。


「いっ!!」


手に当たる場所をどこであろうと構わず引っ掻き、かみつき、髪の毛をむしり、体重をかけてがむしゃらに攻撃する。


なりふり構わずみっともなく攻撃するサクラの気迫にジャスミンが押される。


「イシルさんはミイラになったって美人だよ!ただなぁ、そんな味気ないシワのつき方なんかしないんだよ!感情のないオマエと一緒にするな!心を覚えることしか出来ないオマエとは違う!表情を()()事しかできないオマエがイシルさんを真似るな!」


「この、言わせておけば……」


「うっさい!このおたんこなす!」


「おたん、、」


「人には心がある、感情がある。その感情によって表情に現れる。()()っていうのはな、その人が生きていた歴史、年輪だよ。笑って過ごせば笑ったシワが出来る。怒ってばかりなら怒ったシワが出来る。ただ単にしわしわになるのは、、オマエだけだこの干しイモ野郎!!」


サクラは満月のコンパクトを取り出し――


「オマエこそ本当の姿を見せやがれ!!」


サクラはジャスミンの目の前に満月のコンパクトを掲げた。


「うっ、、」


ジャスミンが鏡に写る本性と対峙し、満月の力により、その姿を表した。


本当の姿を――


「うわっ!」

「きゃっ!」


ジャックとアリスがその姿を見て悲鳴を上げた。


カマキリを思わせるマスクに、なまめかしい肢体に不釣り合いな長い尾尻(おじり)

長い足の片方は青銅で出来ており、もう一方の足はロバの足だ。

バケモノ、、こんな魔獣は存在しない。


「見たな、、」


忌々しげにジャスミンが呪わしくサクラを見た。

しかし、ジャスミンの予想とは裏腹に、サクラは瞳をキラキラと輝かせている。


「かっこいいすね///」


「へ?」


セクシーダイナマイト!

ジャスミンの本来の姿は、昆虫タイプのピッチリボディースーツに身を包んだ、スーパー戦隊の女幹部かっ!!





挿絵(By みてみん)



















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― 新着の感想 ―
[良い点] 命をいただくこと、大人になること、老いること…… 一話で網羅されたすごい回でした。 そして底力ですべてをぶつけるサクラさんもガチギレでキレッキレ! まさしくクライマックスでしたね! しかし…
[一言] 金目猫様 昆虫タイプのピッチリボディースーツに身を包んだ、スーパー戦隊の女幹部かっ!! ステキ!! 悪役主役よ モテモテYO! ドロンジョ様? マージョ様? スーパー戦隊のケガレシ…
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