424. ハーフリングの村へ 4 (vs 猪熊族) ★◎
挿絵、料理写真(?)挿入しました(2021/6/19)
イメージ壊したくない方は画像オフ機能をご利用下さいm(_ _)m
キャンプ地は ドワーフの村とハーフリングの村の丁度中間地点辺りにあった。
オーガの村の休息地みたいに近くに水場はないが、代わりに井戸があり、簡易的にだが馬繋場もあり、打ち込まれた杭に繋がれた馬が水を飲み、草を食んでいた。
サクラ達の他には、旅の小隊が一組と、その護衛の冒険者達がいた。
(見て、ますね)
(やっぱり?)
(てか、睨んでるよな)
サクラ、イシル、ランは キャンプ地点でBBQの用意をしながら、ゴニョゴニョ
(ありゃ猪熊族だな)
数人いる護衛の中に、頭に獣の頭蓋骨を帽子のように被っていて、顔が半分見えない者が三名ほどいた。
それがランの言う猪熊族のようだ。
その中の一人は、体つきからそれが女性だとわかる。
その女性が先程からこちらを、、ランを睨み付けているのだ。
(やっぱり、あれですか?さっきの)
(女性でしたもんね)
(……レイス)
森でランの後ろをついてきたレイスの正体。
ランのラッキースケベの相手。
褐色の肌に、赤い髪、大きな鉞を担いだ彼女は、まさにアマゾネスって感じだった。
頭蓋骨マスクの下から覗く大きな瞳、女性らしいアゴのラインに、への字に曲げられてはいるが可愛らしい口元、そして、毛皮製のビキニアーマーに包まれた 形の良い胸……
(あ、こっちに来る)
(知らんぷりすりゃあ、、)
(無理でしょうねぇ)
「おい、貴様」
((来たっ!))
「よくもオレの身体に触りやがったな」
猪熊族の女はランを睨みながら食って掛かってきた。
当然ランは素直に謝るはずもなく――
「お前レイスだったし、女だって解んないくらいぼんやりした見た目だったんだぜ?別に触りたくて触った訳じゃ、、うおっ!?」
ランの態度にイシルが頭をがっつり掴み、後頭部をを押し下げる。
「なんだよ、イシル!」
そしてサクラが横から詫びをいれた。
「どうもすみません!うちの子が失礼を致しまして!お身体戻られたんですね、大丈夫ですか?」
ランの両脇から詫びを入れるサクラとイシルに、猪熊族の女の怒気が少し和らいだ。
「え?ああ、、驚いた拍子に思い出したんだ」
「なんだよ、オレお陰で戻れたんじゃ、、うぷっ」
イシルがランの口を押さえる。
ナイスサイレント!イシルさん(←物理)
サクラが調子良く続ける。
「それは何よりでした!」
(イシルさん、リュックを)
(解りました)
(モゴっ)←ラン
サクラはイシルに目配せをして、亜空間ボックスからリュックを出してもらう。
「これ、つまらないものですが、お詫びと、お身体の全快のお祝いに、どうぞ」
サクラはリュックからお菓子の詰め合わせを出して、猪熊族の女の前に差し出した。
透明のプラスチックの筒に入った、串に刺さったイカの加工品。
あま~いタレがかかっている。
(モガ!?オレのよっちゃん!!)
暴れるランをイシルが羽交い締めにする。
「食い物か?」
サクラは、猪熊族の女の言葉に、赤い蓋をくるくるっ、と回して、一本取り出すと、まずは自分が食べてみせた。
″あむっ、もぐっ、、″
ちょっとピリ辛、魅惑の駄菓子。
イケナイ味。
ちょっぴりちゃちい感じがまたいい。
サクラが食べるのを見て、猪熊族の女が筒に手を入れ、一本とる。
そして、恐る恐る口にする。
″あむっ、、ぶちっ″
女はイカの駄菓子をワイルドに噛みちぎった。
「んっ!!」
もぐっ、もぐっ、今まで食べたことない味。
「こりゃ、いいツマミになるな!」
入れ物ごと小脇に抱える。
女の機嫌も良くなったことだし、事なきを得たかと思いきや、女がとんでもないことを言い出した。
「じゃあ、ソイツをオレに渡してもらおうか」
ソイツ……ランの事だ。
「オレの身体に触ったんだ。部族の習わしに従い、オレと結婚してもらう」
「「はいぃ!?」」
一難去ってまた一難!
「何言ってんだよ、ちょっと胸さわっただけだろ!?」
ランの猛抗議。
今度はイシルも止めたりしない。
「もっ///揉んだだろう!!」
「揉んでたね」
「揉んでました」
サクラとイシルも白い目でランを見る。
「お前らフォローしろよ!!」
「日頃の節操なしが祟りましたね、ラン」
「最近やってねーし!あんなの揉んだうちに入んねーよ、揉むってのはな、もっとこう、技術を駆使して、感じるところを探りあて、相手の反応を見ながら、撫でたり、こすったり、焦らしたり、愛でるように力の強弱をつけて――」
″ベシッ″
「痛てーなサクラ、はたくなよ」
お前こそ乙女の前で卑猥なことを具体的に力説するんじゃないよ、セクハラ大魔王!
猪熊族のおねーさん、顔真っ赤じゃん!
「だから、女だなんて気づかなかったんだよ!!」
猪熊族の女がランの言葉に顔を歪める。
「貴様、人を はっ///辱しめた上に、責任のがれをするつもりかっ!」
「お前こそ、人の所有物に手をだすなよ」
ランはサクラにがばっと飛び付く。
「オレはサクラと契約している」
従魔のね。
「オレはサクラの物。オレにはサクラがいるからダメだ!」
サクラを抱き締めて、チュッ、と 頭にキスをした。
「なっ///ラン!」
「っ///人前でなんと破廉恥な!そうか、ならば仕方ない、、決闘だな」
「なんだ、力で済むなら受けてたつぜ」
猪熊族の女が 地に円を描く。
「ルールは魔法なし。己の力のみで戦い、地に膝をつくか、サークルの外に出れば敗けだ」
相撲ってこと?
「いいぜ、さっさと決着つけようぜ」
ランが円の中に入る。
ヤル気満々だ。
「貴様ではない」
猪熊族の女はサクラを見る。
「そこの女、サクラとやら、お前と決闘だ!」
「……へ?私??」
↑猪熊族ターニャとサクラ




