表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
406/557

406. 祭りのなごり 5 (エピローグ)


2021/5/5をもちまして、お友達100人できました!

392話あたりでしたかね。

ありがとうございます!


本日記念挿絵を後書きにいれましたよ(2021/5/23)





一方こちらは、逃げ走るランに抱えられているサクラ。

野を越え、山越え、谷越えて……


「ちょ、ストップ、ストラップ、ラン!」


ランに止まる様子はない。


ここは一体どこですかー!?


「私、アスとの打ち合わせがあるから、ラ・マリエにいかないと、、」


「やだね」


ランは聞く耳持たずで走り続ける。


「やだね、って、どこむかってんの、ラン」


「アジサイ街♪」


ランの声が弾んでいる。

アジサイ街に何か楽しいことがあるの?


「何で?」


連れ込み宿(ラブホ)があるから」


「は?」


おいおいおいおい。ランさんや、一体急にどうしちゃったの?


「サクラが言ったんじゃん、″奪って″って」


「はぁ!?」


「嬉しいな♪サクラから誘ってくれるなんて。久しぶりだし、獣人化中だから、オレ、何回もイケるよ?」


そんな、爽やかに言われても、、


「あほかぁ――――!!!」


″スパ――――ン″


久しぶりの ランのセクハラ大魔王発言に、またしてもサクラの結界が炸裂した。


「いってぇ、抱えてンのに弾くなよ~お前が危ないだろ!」


やられてるのはランなのに心配ありがとう、いや、そうじゃなくてよ、、


「ランが変なこと言うからだよ」


「先に言ったのはサクラじゃん」


「意味が違うわ!」


まったく、都合良く解釈しおってからに。


「どうする?サクラ、俺がいないと帰れないけど?」


「か~え~れ~ま~す~」


サクラにはキラキラ銀色魔法がある。

ちょっと体力(←魔力)使って疲れちゃうけど、アスとの打ち合わせは明日にしてもらって帰って寝れば良いだけだ。


オーガの村の穴に閉じ込められた時と同じく、ドアを描いて、森のイシルさんちの自室のドアに繋げれば良い。


しかし、、


(ここ、何処?)


場所が良く分からず、イメージしにくい。


(困ったな)


何か別の魔法を考えなくては……

サクラは倒木に腰かけて頭を悩ませる。

ランもサクラの隣に腰かけた。


(ワープのイメージ、他に何かあったっけ?)


「サークラっ♪」


ランが様子を伺いながらサクラに近寄る――


(某SFドラマでは現地で体を粒子にして、転送先で再構築するというのがあったな)


「ねぇ、サクラってばぁ」


ジリジリと間合いをつめるように――


(原子レベルに体をバラバラに細かくするとかありえん、失敗して戻れなくなったらどうする!!却下。空からならドワーフの村が見えるかな?ワープよりも飛ぶ方法を考えるか……)


「諦めて、俺と逝こうよぉ」


ランがサクラに近づき、ふーっ、と耳に息を吹き掛けてきた。


「ひいっ!やめれ///ラン、ちょっと静かにしててよ、今、考えてるんだから」


サクラは耳を押さえながら更に考える。


(飛ぶとしたら重力魔法?無重力、、は息が出来ないか、え~と、風魔法で体を浮かせる?失敗したら怖いな、今日は普段着だから、服にも靴にも加護なんかついてないから 落ちたら怪我じゃ済まな――)


サクラの前にふっと影ができ、日が遮られ――


「オレ、別に外でもいいよ?」


「は?」


いつの間にかランがすぐそばまで来ていて、顔を傾げ、サクラの顔に自分の顔を寄せていた。


「ちょ///」


サクラの唇にランの唇が近く。


″ガツッ″


「うわっ!」


サクラが弾こうとした直前に、何故かランの体が宙に浮き、ランが驚いて声をあげた。


「そこまでです、色魔(しきま) (たわ)れ猫」


「イシルさん!?」


本命登場!(怒)(おこ)お父さん!!


イシルが猫の子を持ち上げるようにランの襟首をつかんで持ち上げている。

片手で凄いですね、イシルさん。

ランの体はケモノ化して いつもより一回り大きいですよ?


「なんだよ、イシル!何でここが分かったんだよ!?」


「僕には何でもわかるんです」


あー、チェーンのかわりに薔薇のネックレスにつけたイシルさんの髪で編んだ(GPS)のせいですね?


「全く、春の発情期ですか?困ったものですね」


「生理現象だよ!動物の本能!」


「開き直らないで下さい」


「俺のこの体の(たぎ)りを、(ほとばし)る劣情を、躍動する下半――」


ピキリと音がしそうな空気、わかれよ、ラン。


ランが下ネタを連発しそうになったので、イシルがそれを言葉を被せて遮った。


「そんなに元気なら 僕が手伝ってあげますよ」


えっ!手伝うって、イシルさん!?


「なっ、何すんだ、イシル!」


イシルはランを地に立たせると、その場でコマのようにぐるぐると反時計回りに回転させ――


「わ、わ、わ、わ、目が、ま、わ、る、る~」


フラフラになったランを抱えあげると――


「行ってらっしゃい、ラン。沢山走れば()()はおさまるでしょう?」


ぶんっ、と、遠くへ放り投げた。

ランはヒューンと飛ばされ、


″キラッ″


星になって見えなくなった。


「あの、ランは……」


「しばらく森をさ迷えばおさまるでしょう。方向感覚を狂わせておきましたから、良い運動になると思いますよ」


鬼ですね!イシルさん、容赦無し!!


「帰りましょうかね、サクラさん」


「いや、アスとの打合せが……」


「そんなの明日でもいいじゃないですか」


イシルがサクラをひょいっと抱える。


「折角、二人きりなんですから♪」


イシルの笑顔にサクラは一抹の不安を覚える。


狼を追い払ったのは、別の狼とかじゃないよね?イシルさん?










ブクマ100御礼挿絵

赤ずきんちゃん風です


挿絵(By みてみん)



森のおばあさんの家に届け物をしに行くサクラのつまみぐい(←もはや食事)と

そんなサクラをつまみぐいしたいオオカミ黒猫のラン

未遂なのにすでに矢をぬきかけている狩人ご立腹イシルさんです。


本編の何処に入れようか迷いまして、今回三人の場面ですのでこちらでご紹介です。

今回の話しに似てますしね( *´艸`)



一周年から二週間ほどでした。

一年がんばってよかった(≧∀≦)

ありがとうございます!

これからもよろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ