表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
毒舌うたのおにいさん  作者: 響ぴあの
7/9

体操のおねえさん

 園田マリ、23歳。こう見えて苦労人の元グラビア系アイドル。歌は得意だし、アイドルグループの一員として歌手デビューしたこともあったけれど、全く鳴かず飛ばずで、芸能界の厳しさを身に染みて感じた10代後半。アイドルがダメならば、グラビアアイドルならば、と提案され、心機一転で写真を撮られる仕事を始めてみたけれど、なかなか無名から有名になることもなく、テレビに出演できるほどの知名度は得られなかった。


 そんな時に、事務所が子供向け番組のうたのお姉さんの話を持ってきた。正直、それってどうなの? 需要が決まっているから、爆発的な人気は望めないけれど、一定数の需要と認知度は確実に得られる仕事だった。アイドル歌手にはなれなかったけれど、歌のお姉さんという歌手になろう、そう思った矢先。


 事務所とテレビ局で行き違いが生じたらしい。決定していたお姉さんは、一般募集の素人に決まったらしいという話だった。私はつくづく運が悪い、そう思っていた。しかしながら、妥協案として、体操のお姉さんを創設したから、やってみないかと言われた。ここで断る理由はなかった。が、私はラブラブな彼氏がいたのだ。恋人と別れなければ、この仕事は他の人に頼むと言われた。私ではなくても人員はいくらでもこの業界にはいるのだ。断れば、他の人に決定するだけなのだ。彼氏と結婚しようと思っていたのだが、彼氏にそれとなく聞くと、結婚なんて考えていないという返事が返ってきた。結婚できるのかわからない男よりも、体操のお姉さんという道を私は選ぶ。


 私は見た目が生真面目に見えないので、何となく、本気じゃないのかなという誤解を受けやすいのだが、いつだって本気だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ