出会いと別れを歌にのせて
初めてのチャレンジなので、お目汚しがあるかもしれません。一生懸命頑張った作品たちです。
広い心で読んで頂けたら幸いです。
今日は満月。
病室の窓から見える、見事な満月に、久しぶりに胸がざわめいたわ。
余命短く、とうとうベットからも、起き上がる力もなくなって、久しいけれど。
楽しみは、たまに顔を見に来る愛しい家族。そして、恋をした大好きな貴方。
最近は会うのが辛いのか、たまにしか来なくなったけど、やっぱり会えたら嬉しくて。
ずーっと、恋をしているのよ、貴方に。出会った時から。
この前は珍しく、梅の花を持ってきたの。病室には似合わない、紅白の梅。大切にしていた私達の庭に咲いた、思い出の梅達。今は貴方が大切にお世話してくれてると、家族が話してくれたわ。
私は、次は見れないかもしれないわね。
だからね、貴方が届けてくれた、梅の香りが漂う室内で、満月に願うのよ。貴方と愛しい家族に。
春満月
届けと祈る
この願い
梅の香薫る
病室で乞う
季語:春満月
春の朧気な月の姿を表す、春の満月の姿
別れの歌です。何だか切ない短歌となりました。
季重なりが心配ですが。
◇◇◇◇◇
朝の登校時間。
今日から普通時間で登校する私達は、ピカピカの一年生。
未来が一番輝いてる時間かもね。だって、夢に一歩近づく時だもの。
私がそうだからね。
成りたい自分に、成るためにこの学校に来たんだから。
この学校は、校門までに桜並木があって、今日は満開の桜が美しい場面となって、舞踊っている。
ゆっくりと歩む私は、桜を眺めながら、ようやく校門に着いた。今日から通う、私の学校。ふと、私と同じように見ている人が居て。
思わず、君の微笑みに見とれた。そこが区切られたように、輝いてみえて。
私の胸が、弾むようにときめいた。
校門で
微笑む君に
胸弾む
未来夢見る
桜舞う朝
季語:桜
出会いの歌です。一目惚れ一歩前くらいの情景のつもりです。
◇◇◇◇◇
学校が始まって、ようやく毎日の日常に馴れて来た頃。
最近の私には、気になっているクラスメートがいる。
外では桜が散り始めていて、外は淡い桜色に染まって見える。そんな情景を見る度に、窓側の君の横顔が見えて。その度に、気になってしまって。
いつか、告白する勇気が持てるように、密かに夢を見る。
教室で
ふと見る君の
横顔や
桜散る今
これからを思う
季語:桜
出会いの歌です。こちらも初恋の情景のつもりです。
◇◇◇◇◇
はぁ、と白い息がもれる。
まだ春先だから、この時期の山辺は寒い。でも、私は寒さを無視して、また細い道を歩いて行く。
雪解け直ぐのこの滝は、私には思い出深い大切な場所だったから。
つい最近、私は長年付き合った彼と、別れた。
理由は彼の転勤。まさかの海外、英語が苦手の私には最悪の条件だった。
彼が、好きだった。今でも好きで、たまらなくなる程には。
でも、私は彼に付いていけない理由があって。
別れるしかなかった。
彼は今頃、私を忘れて、現地で頑張っているだろうから。
だから、私は、思い出のこの滝に来た。全てを流す為に。
いつも嫌な事が起きたら、ここに来て、全てを流して来たから。
視界に、あの雄大な滝が映る。
滲む視界で、私は滝を見ていた。
雪解けの
滲む視界で
見る滝よ
別れの傷を
共と流るる
季語:雪解け
春先に雪が溶ける様を表す
別れの歌です。強くて弱い人を書いて見たかったので、挑戦してみました。
お読み頂き、ありがとうございます。
初めて短歌を書きました。未だにドキドキしています。
日下部様、素敵な企画をありがとうございます。
秋月なりに考えて、書いてみました。
お目汚しがあるかと思いますが、参加出来て良かったです。
どうぞ、宜しくお願い致します。