表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

3.終焉の彼岸で

体がなまってもいけないので、リハビリをしていた。戦闘も自軍が優勢で、落ち着いてきていた。降伏の勧告文を敵軍に送ったとのことなので、もしかするとこのまま終戦となるかもしれない、とのことだ。

ただ、魔物の軍勢は血気盛んなものが多いので、むしろ追い詰められたとして開き直り、むちゃな作戦を展開してくるかもしれないので油断は禁物だと、大将がくぎを刺した。


剣を握り、盾を持って、実戦形式の剣闘訓練を行う。全く動けないのではないかという懸念はなくなり、むしろ動きの切れが良すぎて落ち着かなかった。もしかしたら、記憶が減ったことで処理にかかる時間が減り、思い切りよくやれるようになったのかもしれない。記憶がなくなったという利点を感じた。


落ち着いてきてハタと、師団長がやられるほどに強いオークロードを、なぜ私が倒せたのだろうか?と思った。師団長ということは相当に実力が認められているはずである。むしろ、師団長が弱らせていたから私が討伐できたのではないのだろうか。となると、昇格は疑問になってくる。2階級特進するほどの活躍ができていたのだろうか?私は師団長に尋ねた。

「それについては心配ない。彼は確かに師団長で、オークを弱らせていたことは事実だ。だが、貴公の働きは、多くの小隊に被害を与えた手負いのオークを一手に引き受け、そして斃し、貴公は生き延びた。もしオークが斃されていなければ、戦線は維持できず撤退は免れなかった。そうなっていたら、敗北はわが軍にもたらされていたかもしれない。2階級どころか3階級以上すら上がる可能性のある武勲だ。むしろ評価がいささか低いとも私は感じるが」

だそうだ。しかし、私は、と反発しようとすると、さえぎられた。

「貴公も2人の子供と妻を養っていかねばなるまい、そして死ぬわけにもいくまい。昇進するほど任される規模は大きくなるが、より安全になる。貴公ならばおそらく素晴らしい部隊を作り上げるだろう。そうなれば同程度の敵と戦っても、より生き延びられるようになる。せっかくだし受け取っておけ」

ここで私は自分の子供と妻の存在を知った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ