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親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
3章 邪教編

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5話 エスペランサで情報収集です。


 邪教を潰す為にエスペランサに転移して来ました。

 最近は、周りの国への配慮などを理由に直接エスペランサ城への転移は自粛するように言われているので、エスペランサ城の離れの塔に転移するように言われています。

 私が転移してくることを紫頭が事前に伝えていたそうで、マジックが私を出迎えました。

 こういう時は筋肉かブレインなのに、マジックとは珍しいですね。


「待っていたぞ、レティシア。この書類をブレインから渡すように言われている」


 書類ですか。恐らくは邪教のことでしょうね。

 書類には、ここ数カ月の間に起こった、邪教徒関連の報告が書いてあります。


 ふむ……。

 予想以上に暴れている様ですね。


「これだけ問題を起こしているのです。四天王が自ら出ることは無かったのですか?」


 たとえ邪教徒が魔族だったとしても、この国は魔族の国です。クランヌさんの四天王が出ていけば、捕縛することは勿論のこと、殺すことすら可能でしょう。何故そうしなかったのか……。

 

 答えは簡単でした。

 魔族相手であれば、捕獲や殺害も簡単に行うことが出来るとのことですが、邪教徒の中には人間や別の亜人もいるらしくて、下手に手を出せない状況だそうです。

 何故でしょうかね。国を守るという名目があれば、魔族が人間を殺そうと問題ないと思うのですが、ダメなんですかね?


 この事を詳しく聞こうと、クランヌさんかブレインに会うことを希望したのですが、今日はいないそうです。明日には帰ってくるとのことですが。

 どうやら、亜人の問題について話し合うために、別の国に出かけているそうです。

 確かにクランヌさんは国王でブレインは宰相、それなら仕方ありません。

 しかし、ブレインと言えば数日前に来ていたような……。まぁ、いいでしょう。


 今日は時間が余ってしまったこともあり、私は書類を詳しく見ます。

 報告書には、邪教徒のアジトの場所もはっきり書いてあります。

 この国の邪教徒はコソコソ隠れていないのですね。まぁ、魔族は人間よりも強いですから、隠れる必要もないということでしょうか?

 しかし、魔族が相手であればエスペランサ軍も簡単に動ける……成る程……。


「エスペランサの邪教は人間が立ち上げて、魔族や亜人がそれに乗っかったということですか……」

「正解だ、よくわかったな」


 それならば、魔族が動けないのも納得です。

 人間を迂闊に攻撃できないという魔族の事情を知っている人間が、自身を盾にしてきたりすることもあり得ますからね。


「わかりました。今日は大人しく町を見回るくらいにしておきます」

「レティシア、町に出るのなら一つだけ約束してくれ。これを守ってもらわない限りエスペランサ内で邪教に何かするのを許さない」

「許さない?……私が素直に言うことを聞くとでも?」

「言うことを聞いて貰えないのであれば、ケンに連絡してエレン嬢に来て貰う……」


 くっ……、エレンのことを紫頭から聞いたのですね。邪教の次は紫頭にお仕置きをする必要がありますね。

 まぁ、そんなことを言われてもクランヌさんに会うまでは大人しくしているつもりでしたよ。

 この二年で私も成長したんですから。

 国には国のルールがありますのでそれには従いましょう。事故で数人死ぬくらいは大目に見てくれるのならですけどね……。


「出来れば人間は殺さないでくれ。魔族に関してはどうしてもらっても構わん」

「それをすれば、エスペランサは人間に『甘い』とレッテルを貼られませんか?」

「大丈夫だ。人間にも罪を償ってもらう。あくまで国際法の範囲だがな」


 エスペランサも今では立派な国です。

 世界の国々のルールに従う必要があるのでしょう。


「トラウマは与えても構いませんか?」

「別に人格崩壊しても構わん。生きていればいい」


 それを聞いて安心しました……。



 私はエスペランサの町を歩きます。 

 魔族の住民の中には、私のことを知っている者もいるようですが、驚きこそすれど、声をかけてくることはありません。


 この町も二年で変わりました……。

 二年前の違いと言えば、この町にも数多くの人間や亜人が共生していることです。

 ファビエも亜人や魔族を受け入れていますが、この国ほどではありません。

 ブレインの話では魔族と人間の夫婦が増えたり、男型だと思ってた魔族が実は女型だと判明したりと色々あったようです。

 クランヌさんや、マジック、ブレインを見る限り、魔族は美形が多いらしいので、人間の女性がこの国によく移住してくるそうです。

 

 まずは邪教についての聞き込みが必要ですね。

 聞き込みを行うのなら雑貨屋さんや、ご飯屋さんが良いでしょうか。ちょうどお昼時なのでご飯屋さんに入ってみましょう。



 食事を終えて店を出た私は二つの意味で大満足でした。

 まず料理が凄く美味しかったです。まぁ、エレンの料理には負けますけどね。


 そして、魔族の店長が私のことを知っていたらしく、邪教と邪神と呼ばれている私とではやることが全然違うと違和感を持っていたそうです。

 何故なら、私は単騎で魔族全部を相手にしようとしたのが印象的だったそうで、もし邪教が言うように、私が世界を牛耳るつもりならば、姑息な手を使わずに一人でエスペランサくらいは滅ぼせると思われていたみたいです。

 それを聞いて、「流石に無理と思いますよ」と返しておきました。

 確かに戦力的には可能でしょうが、私自身が鍛えた、筋肉とハヤイ、それに独自の方法であの頃よりも遥かに強くなったクランヌさんとマジック、天才とも呼べるブレインを全部相手にするのは骨が折れてしまいます。


 更に聞けた情報として、魔族からすれば、私は恐怖の象徴だそうです。

 それはそうでしょう。私がやったことは生き返ったとはいえ、魔族の大量殺戮です。

 これに関しては、当時は敵だったわけですし、私としても滅ぼすつもりだったんですから、反省するつもりはありません。

 しかし、邪教はこのことを理由に私を利用しているそうです。


 彼等の言い分をそのまま言うと、「自分達は邪神レティシア様に認められている。自分達に逆らうことはレティシア様に逆らうことだと思え!!」とのことです。

 当然ながら、私は基本知り合い以外はどうでも良いと思っているので、彼等に何があっても怒ることはありませんし、人の威を借りて偉ぶる者は嫌いです。

 私は店のおじさんに、今後は「私が認めていることは無いので、追い返してもらっても構わないですよ」と言っておきました。

 まぁ、クランヌさんが帰ってくる明日からは、店に邪教が来ることも無くなりますが……。

 

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