表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
2章 教会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/134

教会編 最終話 邪神レティシア

いつも誤字報告ありがとうございました。


 アブゾルを片付けてから、一年が経ちました。

 教会に神敵認定されていた、ファビエ王国、魔国エスペランサ、エラールセ皇国、マイザー王国の4国は、これからのことを考えて同盟を組み連合国になりました。

 それを機に女王である姫様は王配であるレッグさんに王位を譲ることで、レッグさんが王となることが決まりました。

 私としては、いまいち納得がいっていないのですが、姫様が子供が欲しいと言い出しましたので、納得しました。

 まぁ、姫様改めネリー様が女王でなくなっても、私が護衛するのはネリー様ですから問題はありません。


 連合国以外の国や教会は一時的に荒れました。

 アブゾルが実質いなくなり、教会の神官や信徒の洗脳が解けた今、教会を維持するのは難しくなりました。

 事実、今まで異教徒を権力や暴力で排除していた神官達は、異教徒の暴動により殆どが殺されたとのことです。

 中には操られていたのだから、神官に罪は無いという偽善者も現れたようですが、操られていようが罪は罪ですからね。

 神聖国アブゾールの神官達は特に酷い目に遭ったと聞きました。

 洗脳が解けた後も、王族に対し今までのような事をしようとした結果、殆どが捕らえられ処刑されたそうです。

 アブゾルの力がなければ、当然の結果と言えるでしょう。


 アブゾルから神敵認定されていた魔族の皆さんですが、教会が無くなった今、人間達が魔族を忌み嫌う理由も無くなりました。

 とはいえ、今まで迫害を受けていた魔族達が素直に人間と仲良くしましょうね、とはなりません。

 この一年で魔族による様々な問題も起こりました。

 それを裁き魔族を更生させていったのはクランヌさんです。

 クランヌさんは、その誠実さとその容姿から、他国の王族からの縁談が数多く来ているそうです。

 かつての魔王四天王も同じなようで、ブレインは「人間の節操のなさに驚いているんだが?」と愚痴を言っていました。

 四天王と言えば、最弱のハヤイですが教会軍との戦争で瀕死の重傷を負ったらしく、他の四天王に出遅れていると、私に鍛えてくれと頼み込んできました。仕方ないので1カ月間鍛えて上げたところ、以前よりも強く頼りになるとクランヌさんが言っていました。


 エラールセ皇国は、以前のまま、狂皇グローリアさんが善政を続けています。但し、狂皇と呼ばれる過激な性格のままで、逆らう者は容赦なく処刑しているそうです。

 最近は、レッグさんが王になったことで、グローリアさんが先輩風を吹かし、レッグさんに国王とは何かを教えているそうです。

 ネリー様は笑っていましたが、レッグさんがグローリアさんのような過激な性格になられても困るのですが……。


 マイザー王国では、ホムンクルスで化けさせた前王を処刑した後、ベネットさんがマイザーを冒険者の国として再建しました。この際、マイザー王国は王国ではなくなったので、マイザーと名前を変えました。

 裏ではファビエはもちろんのこと、エラールセやエスペランサも協力したのは言うまでもありません。

 教会が無くなったことの弊害として、神兵による魔物討伐が無くなったので、冒険者達の負担が多くなったそうです。

 マイザーが冒険者の国になったことで、今までは好き勝手やっていたギルドを一つにまとめました。

 これは、ベネットさんの功績が大きく、いまでは冒険者ギルドのグランドマスターとして忙しい日々を送っている様です。


 それから、()()()()()は聖女エレーナや魔導士ジゼル、武闘家アルジーと共に贖罪の為に旅に出ました。

 タロウ本体は永遠の罰を受けているので、このタロウは以前のタロウではありません。

 ベースはホムンクルスで、サクラさんの秘法によって改心した後のタロウの人格を一から作り上げ、ホムンクルスを実質、一人の人間として生まれ変わらせました。

 作り上げたといっても、アブゾルに殺されたときの性格をそのまま作っているので、当然過去の罪に苦しみはしましたが、彼の仲間と一緒に贖罪の旅に出ることで少しでも償えたらと言っていました。

 とはいえ、以前のタロウの姿形のままでは恨みを持つ者に殺されてしまう可能性もあるので、サクラさんの粋な計らいで、若干顔を変え旅をしているそうです。


 勇者の仲間であったソレーヌは、本来の性格が優しい姫剣士だったこともあり、アブゾルの一番の被害者ともいえるので、私とサクラさんの二人で話し合った結果、ちょっと大掛かりなことをしました。

 まず、彼女の国に関するすべての記憶を世界から消し、記憶の改ざんを行いました。

 その結果、ソレーヌは元の姫のまま、昔の記憶を完全に消し、元の国に帰らせました。

 これはサクラさんから後から聞いた話なのですが、ソレーヌだけは洗脳されている間も一人の人間も殺していなかったそうです。

 確かに彼女に斬られた人は多かったそうですが、誰一人死ぬことは無かったそうです。

 どうやらそれには理由があるそうで、彼女は剣を習っている頃から、人を殺さず制圧するために急所を意図的に外すことだけを考えていたそうです。

 どうやら体がそれを覚えていたらしく、無意識に急所を外していたそうです。

 サクラさんはこのこともあり、ソレーヌだけは元の暮らしに戻す決意をしたそうです。


 アブゾルは、ファビエ王国の地下、私がウジ虫を虐めていた地下拷問室にいます。

 いるといっても、アブゾルは今も石像のままですが、強度を極端に弱め、痛覚を百倍、精神耐性を付けさせているので狂うことも出来ず、教会に恨みがある者が毎日のように押し寄せてヒヒイロカネのこん棒で殴りに来ています。

 今では恨みを持ってくるものも少なくなりましたが、殴りに来る者は減るどころか最近は増えてきています。アブゾル像を殴れば幸運になるといった根も葉もない噂があるらしく、多くの人で予約がいっぱいです。

 噂を流したのが誰かは知っていますが、内緒です。あ、私じゃありませんよ?

 当のアブゾルは狂うことも出来ずに、毎日泣きながら悲鳴を上げていますけどね。まぁ、私達にしか聞こえませんけど……。

 アブゾルには飽きられたら殺してあげるとは言いましたが、こうなってはいつまでも飽きられることなく殴られ続けそうですね。


 最後に、私とエレンとカチュアさんとレーニスですが……。

 サクラさんの提案により、エレンがこの世界を管理することになりました。

 エレンは性格も優しいのでアブゾルの時のようなことにはならないでしょう。

 カチュアさんは今まで通り、私専属の侍女をしてくれていますが、今は邪教の聖女になってしまっています。

 邪教の聖女って何でしょうね……。

 逆にレーニスは、エレンに懐き、正式にエレンの聖女となりエレンと共にいます。少し妬けてしまいます。

 私にも変化がありました。

 これは立場というよりも……いえ、立場もですが、肉体的にということです。

 エレンを一度体に入れたことにより、私も神族になってしまいました。しかも、大聖堂でアブゾル像をどつきまわして遊んでいたところ、その光景を見た者に「邪神レティシア」と呼ばれ始め、最初は気にもしなかったのですが、その者のせいで各地に邪神教会という怪しい組織が出来たらしく、その組織が崇めるのが私というはた迷惑な結果になってしまいました。

 まぁ、とうの邪神レティシアは、いつも通りネリー様の近くで護衛として働いているのですけどね。   




 終わり。 

な、何とか今日中に書き終わりました。

実は、朝のうちに半分くらいは書きあがっていたのですが、夜に読み直して気に入らなかったので完全に書き直しました。

今後は閑話と番外編を不定期で書いて行きます。とはいえ、まだ何も考えていませんし、もしかしたら気紛れに三章を書き始めるかもしれません。まぁ、ざまぁ対象がもういないんですけどね。流石にこれ以上アブゾル君を復活させるのもアレですし。


この後も、メインをクジ引きにして、新作を近いうちに書き始めます。タイトルは「死者の国」か「俺はモブとハッピーエンドを迎えたいんだ(仮)」のどちらかを新連載として書き始めます。


ブックマークの登録、評価、感想ありがとうございました。


では……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ