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親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
2章 教会編

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教会編 49話 女神エレン

いつも誤字報告ありがとうございます。

誤字報告がありましたので修正しました。


 魔力の塊が消えたことで驚いたのは、私はもちろん、アブゾルも同じなようで、呆然とした目で見ていました。

 しかし、今は戦闘中です。

 余計なことを考えると死んでしまいます。

 つい先ほどまでは、死ねばエレンの元に行けると思っていたのですが、エレンはこの世界に戻ってきたみたいなので、死ぬわけにはいきません。

 だから、私も生き残ってアブゾルを殺すことだけを考えます。

 アブゾルには私の攻撃は効きません。私の剣ではあの皮膚を切り裂くことは出来ないのです。

 どうしましょうか?

 打撃攻撃はどうなのでしょうか?

 私が、腕をグルグルと回し始めると、エレンが私の右腕をそっと握ってきます。


『レティ。ヒヒイロカネという鉱物は、打撃に強いの。だから下手に殴ったらレティの拳が傷つくわ』


 エレンはそう言って、私の右腕を治してくれます。

 エレンの治癒魔法はやはり凄いです。

 先程無理をしたので、私の腕は後遺症が残るほどの怪我だったというのに、エレンは一瞬で治してしまいました。


 アブゾルも漸く正気を取り戻したのか、エレンを見て驚いています。


「ぎ……ギザマ……ダマジイがないどオモッだら、ジンガイ(神界)にいだのが?」

『アブゾルさん、私を見てください。私の()()()を』


 羽の色? エレンの羽の色は金色ですが……それが何か?

 エレンはドヤ顔で羽を自慢し始めます。

 どうやら神界では、羽の色で神格というモノが決まるらしく、金色になって初めて神族を名乗ることが出来るそうです。

 エレンの話では、自殺した後、魂だけになって彷徨っていたところ、誰かに連れていかれたそうです。

 連れて行ったのは短髪でリボンを付けた可愛い少女で、「綺麗な魂だね~。君、素質あるよ~」と言われ連れていかれたそうです。


 ……はい。サクラさんですね。あの人、エレンのことを知っていて黙っていましたね。

 この件が終わったら、しっかり説明してもらいましょう。

 私が、少し俯いて今後のことを考えていると、エレンが声をかけてきます。


『どうしたの? 急に俯いて低い声で笑いだして……』


 あぁ、これはいけません。私はエレンに「何でもありませんよ」と笑いかけます。

 エレンの話は続きます。

 サクラさんに、女神としての力を引き出してもらい、神族や世界のことを勉強していたそうです。

 そこで、私とアブゾルが争っているのを聞いて、この世界に戻りたいとサクラさんに言ったところ、アブゾルの出現の秘密と今のアブゾルのことを聞かされたそうですよ。

 いやぁ、あの人は全部知っていたんですねぇ……。

 あとで殴ります。たとえ殺されようとも絶対殴ります。

 

「ぞ、ぞうが……ギザマ、ジンゾグになっだのが……」

『そうだよ。貴方の羽の色は()()だったよね。私は金色。()()()()()()()()()貴方と違ってね』


 え? 神族になれなかった? アブゾルは神族じゃないんですか?

 それに羽の色と言っていましたが、アブゾルの羽の色は……金色だったと記憶しているのですが……。

 アブゾルはそれを聞いて、大声を上げ始めます。


「ふざけるな!! 何故、この世界で汚れたお前が神族になれる!!」

『そうね。私の魂を汚すのを目的に、貴方には随分と好き勝手されたからね。それで? どこまでが貴方の計画通りだったの?』


 計画? どういうことですか?


『私が治癒の力を持って生まれたのも、聖女認定されて勇者と係ることになったのも、私が勇者に弄ばれて自殺したのも、全てあなたのシナリオ通りだったんでしょ? 貴方にとっての誤算はレティだけ……よね?』

「黙れ……」

『黙りません。私が親によって酷い目に遭わされたのも、逃げるように勇者について行くように仕向ける為だよね。だけど残念。私はレティと出会って、勇者について行きたいと思わなかった』

「うるさいぞ……小娘……」

『それで教会を利用して、親を操り、勇者に無理やり同行させた。本来ならば憎悪を持ち自殺した私の魂を自身に取り込んで、神族になるつもりだったんでしょ?』

「黙れぇえええええええええええ!!!」


 アブゾルは口からいくつもの魔力球を吐き出してきます。

 このくらいの()()()()()()()()()()することは可能ですよ。


 私は魔力球を全てアブゾルに殴り返します。

 アブゾルは、自身の出した魔力球を受け大爆発を起こします。


「自身の攻撃は喰らうのですかね?」


 そう思って期待していたのですが、残念。無傷の様でした。


『レティ、相変わらず出鱈目だね。あの魔力球は結構な魔法だと思うのだけど……』

「そうですか? 殴り返せるのならばお返しするのは簡単ですよ」

『普通は魔法は殴れないんだけどなぁ……』


 そんな今更なことを言われましても……。

 拳に魔力を溜めて殴れば殴れますよ。


 アブゾルが急に笑い出します。そしてエレンを見て涎を垂らし「まぁいい。女神となったお前を喰えば、私も神になれる」と口角を吊り上げます。

 気持ちが悪い。

 しかし、今、気になることを言いましたね。

 神に? アブゾルはもう既に神なのでは?

 私はエレンをジッと見ます。


『あー。そのことは後で説明するからね。今はアブゾルを倒すことに集中しようね』


 何か誤魔化された気分ですが、まぁいいでしょう。

 しかし、アブゾルを殺すことは賛成なのですけど、現状倒す方法が無いんですよね。

 そういえば、先ほどヒヒイロカネは打撃に強いと言っていましたが……それは斬撃には強くないということなんですかね?


「エレン。ヒヒイロカネには斬撃は効くのですか?」

『効くよ。打撃では傷はつかないけど、斬り傷をつけることは出来るからね。脛の部分を見て』


 私は、アブゾルの脛を見ます。そういえば、先程、何度も斬りつけた部分です。

 確かに薄っすら傷はありますが、あのくらいしか傷ができないのであれば、いつまで斬っても殺すことは出来ません。

 何故斬れないのか……剣の素材の問題でしょうか? 神剣アレは進化したとはいえ、元はただの鉄の剣。どう考えてもヒヒイロカネという金属に勝てると思えません。

 どうしたものでしょうか……。 

 剣に魔力を乗せることで切れ味を上げることは出来ますが、私の魔力に剣が耐えられるかどうか、ですね。


 エレンが何かいい方法を知っていると良いのですが、何か知っていますかね? しかし、エレンは優しい性格です。人の殺し方、物の壊し方を知っているとは思えません。

 しかし、今は少しでもヒントが欲しいですね。聞くだけ聞いてみましょう。


「エレン。アブゾルを殺したいんですけど、いい方法ないですか? 先ほどの魔力球でも無傷となると、魔法も期待できませんし……」

『そうだねぇ……。いい方法はあるよ?』

「どんな方法ですか?」

『私と合体するの』


「はい?」


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