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親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
2章 教会編

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教会編 45話 都合のいい話です。

誤字報告いつもありがとうございます。


 私はカチュア。愛するレティ様の侍女であり、レティ様との特訓の結果、この国では最高戦力の一人に数えられています。


 そんな私の目の前に、頭を潰されたタロウとその仲間達がいます。

 彼女達がここに転移してくることは、事前にレティ様に聞かされていましたが、タロウの血で絨毯が汚れてしまったではありませんか。

 これは新しい物に交換する必要がありますね。

 そして彼女達も、酷く狼狽している様です。


「で? 貴女がたはどうしてファビエ城の……しかも、レティ様の部屋にいるのですか?」


 彼女達がここに来ることは聞きましたが、どうしてここに来たかまでは知りません。

 タロウは死んでいる様ですが、こいつのやって来たことを考えると当然の報いだと思います。

 宰相様の話では、心が奇麗になっていると報告を受けましたが、私からすれば何を今更? といったところです。

 一瞬、ファビエの住民にでも殺されましたかね? とも思いましたが、それならば私の耳に入ってもいいはずです。

 私がタロウの死体を見下していると、聖女が話しかけてきます。


「あ、あの……私達は助かったのですか?」

「そうですね。貴女がたがどんな目に遭っていたのか興味もありませんが、ここに転移して来たのならば、命は助かったのでしょう。ですが、貴女がたは我が国からしてみれば罪人です。一概に助かったとは言えませんよ?」

「……そ、それは……」

「まぁ、そんなことは興味もないので、何があったかだけ説明してくれませんか?」


 私はエレン様に似ているといわれている、聖女エレーナに話を聞きます。


 エレーナの話では教会の教皇の正体が魔物で、アブゾールの住民はアブゾルによって操られているそうです。

 また、ソレーヌの国の人間も恐らく操られているとのことです。

 タロウが殺されたこと自体はどうでも良いのですが、アブゾルが少年に化けているという情報は役に立ちました。

 役に立ったのだから、今は生かしておいてあげましょう。そもそも、それを決めるのはネリー様です。


 レティ様と言えば、「()()()()()()()()()()()()ウジ虫共には興味がありません……」と愚痴っていましたね。今のレティ様からすればタロウ以上に彼女達の存在はどうでもいいのでしょう。

 ところで……。


タロウの死体(その汚らしい物体)をこの神聖なレティ様の部屋に置いておかないでくれますか? 血が臭いので……」


 私がタロウの死体を汚いモノを見る目で見ていると、彼女達の目が少しだけ鋭くなります。

 今の彼女達の話を聞く限り、貴女達もタロウのせいで人生を狂わされたというのに、そんな目も出来るのですね。ただ、私には効きませんよ。


「そもそも、貴女達は私達の敵でしょう? そんな人達が何故この国に逃げてきたのですか? 本来であれば貴女達もこの国にとっては憎悪の対象だと思うのですが? あ、性格を作り変えられていたことは理由になりませんよ?」

「そ、それは……」


 ソレーヌ、彼女は目を伏せます。何か思うことでもあるのでしょうが、まぁ、いいでしょう。今はともかく、タロウの死体を処分することを考えましょう。


「あ、あの……」


 聖女が話しかけてきます。

 まぁ、姿形がエレン様なだけで私にとってはどうでも良い存在ですが、話くらいは聞いてあげましょう。


「なんですか?」

「タロウを生き返らせることは出来ませんか?」


 この聖女は何を言っているのでしょうか? 

 教会でも教わっているとは思いますが、蘇生魔法というのは本来使ってはいけない禁忌の魔法です。

 それ以前に使うことができる者がいません。

 レティ様がもしかしたら使えるかもしれませんが、それ以外となると女神サクラ様くらいでしょうか? 私は会ったことはありますが、直接話をしたことはありません。


「それは不可能です。いえ、たとえ出来たとしても私は拒否します」

「ど、どうしてですか!!?」

「何故、ファビエに住む私達がタロウを生き返らせる必要があるのですか? コレは私達にとって一番の憎悪の対象ですよ?」

「た、確かに以前のタロウがやってきた行為は許されるものではありません。で、でも彼は改心……「それが何か?」」


 たとえタロウが改心していようが、それはどうでもいいのです。

 タロウが起こした事件の被害者は誰も帰ってきません。

 エレン様もその一人です。


「まぁ、貴女達の()()はネリー様が言い渡すでしょう」


 私は部屋の外に待機している、私の部下を呼び、タロウの死体を()()するよう命じます。

 実は、事前にレティ様からタロウの死体を保管しておくようにと頼まれていたのです。

 当然、私は反対しましたが、()()()()()()()はもう復活しないということを聞きました。それで仕方なく了承しました。


「貴女達も兵士達について行ってください。目障りです……」


 彼女達は私を睨みつけつつ部屋を出ていきます。

 レティ様の部屋で一人になった私は、レティ様から聞いたサクラ様の言葉を思い出します。


()()()()()は永遠の罰を与えられました。しかし、それではこの世界で犯したタロウの罪は消えません。だからこそ、タロウを()()()で復活させ贖罪させるそうですよ』


 正直、私はサクラ様が何を言っているか分かりませんでした。

 ただ、レティ様はそのことに納得している様でしたので私も納得することにしました。


 レティ様の部屋の片づけを始めようとしたとき、ケンが部屋に飛び込んできました。


「レティシア!? はいないのか……」

「どうしました?」


 ケンは焦っている様でした。


「教会がエスペランサに進軍を始めた」


 ついにアブゾルが動き始めましたか……。

ブックマークの登録、評価、感想ありがとうございます。


タロウの死体を残しておくのは別の用途に使う為ですので、タロウそのものの復活はあり得ません。


ブックマークの登録、評価、感想がありましたら是非よろしくお願いします。


短編「ある王国の婚約破棄」を投稿しました。

https://ncode.syosetu.com/n7666ff/


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