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親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
2章 教会編

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教会編 30話 アブゾルはどこにいるんでしょうかね?

今日から、投稿を再開します。

 サクラさんがアブゾルが復活していると言うならば間違いないでしょう。

 私と姫様は納得していますが、他の三人は困惑している様です。


「ネリー女王、少しいいか? 貴女達が話しているサクラとは、何者なのだ? レティシアですら信用しているということは、在り得ないほど強いか、重要な人物の様な気がするのだが……先程の反応を見る限り、クランヌ殿も知らない人物のようだが?」


 ん? サクラさんのことはクランヌさんには何度か話した気がするのですが……気のせいでしたかね? まぁ、実際会ったことが無いのなら知らないのと同じでしょうから、仕方ないといえば仕方ないですね。

 さて、つい名前を出してしまいましたが、サクラさんの存在はこの世界の常識を破壊してしまう存在です。軽く話をしていいんでしょうか? 

 

 私は確認のために姫様に視線を移します。……姫様は無言で頷いてくれました。

 この人達には話しておいた方が良いという判断ですね。


「サクラさんという人は、異世界の女神様だそうですよ。見た目は幼い少女なのですが、神々の中でも最上位と言っていましたね」

「神々だと!? その言い方では、アブゾル以外に神がいると言っているようなものだぞ!?」


 グローリアさんは、目を見開いて驚いています。他の二人や三人についている人達も驚いている様です。

 それはそうです。

 アブゾル教の教えでは、『神アブゾルは唯一神』という風に教えられているはずです。

 もし、異世界にも神々がいると言うのならば、教会が嘘を吐いているということになります。

 

「レティシアの話が本当ならば、この話は教会を攻めるのに使えるかもしれないな。神が嘘を吐く。それだけでも信じている奴等に猜疑心を持たせることができる」

「しかし、奴等にとってレティシア様やネリー女王は神敵です。その話を信じるでしょうか?」


 ベネットさんが言うことは尤もです。

 しかもです。私達はサクラさんに直接会っているので信じていますが、もしサクラさんに会っていなかったら、私ならば、この話を信じません。


「そうね。レティが言うように、私達はサクラ様に会っているからね……」


 姫様も同じ考えの様です。


「信じる信じないはともかく、もしその女神がいるのならばアブゾルをこの世界に送った張本人ということになる」


 クランヌさんが良いところに目を付けます。

 神々の頂点ということは、アブゾルをこの世界に送ったと思われても仕方が無いです。


「そういうことになりますかね。だからこそ、この件が解決したらサクラさんが責任を取ることになっています」


 私はサクラさんと交わした約束を話します。

 この話に、クランヌさん達は驚いています。何故でしょう?


「お、お前!? 神と交渉したのか!!?」

「何か変ですかね?」


 神であろうと何であろうと、力がある者は責任というモノが付きまといます。そう言ったのはサクラさんです。

 それを交渉に使うのは当然です。


「今はそんなことよりも教会をどうするかです」

「そうね。そういえば気になることがあったのよね。何故、アブゾルはレティに固執するのかしら」

「どういうことだ?」

「アブゾルがこの世界で神を名乗ったのははるか昔の話よね? クランヌ殿が魔王に()()()()何十年になるの?」

「うん? そうだな。私が覚えている限り、二百年ほどだ」

「「「な!!?」」」「へぇー……」


 そんなに前から魔王をしていたんですね。私以外の人はクランヌさんの年齢に驚いているのでしょうか?

 アブゾルに死なないように()()()()のなら、寿命もないように作られていても、おかしくありませんからね。

 

「これ以上は俺も知らないが、俺の前任の魔王もいたのはいた」


 前任の魔王ですか。その前任の魔王がいつからいたのかは分からないですが、何故クランヌさんに代替えしたのでしょうか?

 クランヌさんに話を聞いた後、姫様が話を続けます。


「アブゾルは数百年、下手をすれば数千年規模でこの世界を管理しているということになるのよね? それなのに、レティの前に現れレティを殺そうとして返り討ちに合った。そして復活して再びレティを狙う……相手は神。レティは人間なのよ? そこまで固執する必要があるのかしらね……」


 私に固執ですか。

 確かに、私は所詮人間。あと五十年も放っておけば勝手に死にます。それなのに、何故アブゾルは、私を殺すためだけに、教会の暴走ともとられかねない程の無茶をしたのでしょうか? 今まで、教会と上手くやって来た国々にも教会の都合で国一つを滅ぼすという()()を行ったのです。これは不干渉条約にも抵触します。

 そこまでして、私に固執する……。どういうことでしょうか?

 もしかして……。 


「アブゾルが固執する理由かどうかは知りませんが、サクラさんの話では、私も力ある者に数えられるそうです……」


 私がそう話すと、クランヌさんが小さな声で何かを呟きます。


「クランヌ殿? どうかしましたか?」

「む? あぁ、レティシア嬢に固執する理由として、神としての地位を奪われると思ったんじゃないか? と思ってな」


 神としての地位を奪う? 誰がそんな面倒なことをしますか!! この意見にグローリアさんは呆れかえった顔をしています。私も同じ意見です。

 しかし、グローリアさんが呆れていたのは、クランヌさんの考えではなくアブゾルに呆れている様でした。


「下らぬな。神としての矜持があるのなら、力を持つレティシアが出て来たとしても気にする必要はない。なぜなら、アブゾルには世界中に信者がいて、神として揺ぎ無い地位を持っているからだ。レティシアは所詮人間。気にする必要すらあるまい」

「そうですなぁ……。そんな小さな心しか無い神よりも、いっそのことレティシア様が神を名乗ればいいのではないの「嫌です」」


 最後まで言わせません。


「即答だな……。まぁ、今はその話はいい。それよりも、レティシア嬢は誰がアブゾルだと思う? 件の枢機卿か?」


 私が何かを答える前に、グローリアさんがアブゾル=枢機卿を否定します。


「俺は枢機卿は無いと思うぜ。もしレティシアがなりふり構わず教会を滅ぼしにかかった場合、真っ先に狙われるのは誰だ?」


 枢機卿を狙うでしょうね。

 もし、姫様がいなかったのなら、私は真っ先に枢機卿を殺します。そして、それに混乱した神官達を一人ずつ殺していきます。

 それが一番、教会関係者に恐怖を与えることが出来ますから……。


「勇者タロウの時もそうなのだが、聖女に化けていたんだろ? もし、レティシアに勝てるという自信があるのならば、いちいち裏から殺そうとしないだろう? それこそ、自分が勇者を名乗るとかな。やっていることがいちいち姑息なんだよ」


 姑息ですか。当たっていますね。

 しかし、枢機卿ではない……ということは? 新教皇ですか? いえ、それも考えにくいですね。

 私達が考えていると、私の横に立つカチュアさんが何かを閃いたように話しだします。


「横からすみませんが、もしかしたら教会関係者じゃないかもしれませんね……」


 教会関係者じゃない?

 それは無いと思うのですが、カチュアさんは頭が良いので、何の考えもなくそんなことを言うとは思えません。


「何故か聞いても?」

「はい。まず、レティ様にお聞きしますが、枢機卿を殺した後、教会をどうしますか?」


 あぁ。そういうことですね。

 ……ならば、答えましょう。


「皆殺しですよ」

「ですよね?」


 カチュアさんは、私の答えに笑顔になります。

 ついつい私も笑顔になってしまいます。姫様以外の皆は呆れた顔をしていましたが。


「レティ様が教会関係者を皆殺しにする以上、いつかは神自身がレティ様と対峙することになります。もし裏からコソコソするのならば、私ならば関係者に化けません」


 カチュアさんは頭が良いです。

 確かに、私に狙われるのを避けるというのであれば、教会関係者にはなりませんね。

 そうですね……。私の推測では、孤児の子供だと思いますね。


 私の言葉に、姫様達の顔が青褪めます。

 正直最悪ですね。子供を全員殺す。そうすればこの世界は終わります……。流石の私でもそれはできません。


 これは困りましたね……。

ポイントが10000ポイントを超えました。

ありがとうございます。

日間ハイファンタジー55位にランクインしました。

 

 本当は、昨日から投稿再開したかったのですが、引っ越し後の片づけが全然終わらなかったので、投稿再開できませんでした。

 今日からは投稿していきたいと思います。


ブックマークの登録、評価、ありがとうございます。

 少しでも面白いや続きが気になるという方がいれば幸いです。

よろしければ、ブックマークの登録、評価をよろしくお願いします。


 短編を書いてみました。良かったら、読んでください。

 無関心の不死者 https://ncode.syosetu.com/n6278fe/


 他にも連載していますのでよろしくお願いします。

 新・クジ引き  https://ncode.syosetu.com/n4468fd/

 旧・クジ引き  https://ncode.syosetu.com/n2043en/ 連載凍結中 

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