教会編 28話 独断ですが、なにか?
いつも誤字報告ありがとうございます。本当にこの新機能があって助かっています。
日間ハイファンタジーで20位にランクインしました。ありがとうございます。
私はエラールセ皇国に転移します。
謁見の間に直接転移する事で、無駄を省きます。
謁見の間には、グローリアさんの他に、エラールセの騎士達、それに宰相さんでしょうか? あとは……。
「何者だ!! ……ぎゃっ!!」
一番大声で私を威嚇しているのは……教会の神官ですか?
私は反射的に殺してしまいます。
神官の死体は、すぐに騎士の人達が片付けてくれます。
「あ、殺してしまいました。グローリアさん、申し訳ありません」
一応、悪いことをしたので、笑顔で謝っておきます。本音はどうでも良いんですけどね。
私の顔を見てグローリアさんは笑い出します。
「ははは。全く悪いと思っていない顔だな。まぁいい。鬱陶しかったからな。で? 昨日の今日だが、会談の日程でも決まったか?」
「まだ、姫様に了承を取っていませんが、私の希望は明日のお昼です」
紫頭に姫様に話を通すように言っているので、大丈夫でしょう。
アブゾルが復活している以上、対策は早めにしておいた方が良いでしょう。
「明日のお昼前に迎えに来ますので、準備をしておいてください」
「随分と急だな。何かあったのか? それに準備とは?」
「そうですね。昨日、私達が想像していたことが現実となりました。だからこそ、貴方がたが調べている教会のことを話して欲しいということです」
私がそう話すと、グローリアさんの顔が少しだけ動きます。
「そうか。いやな予感が的中したか。わかった。明日の昼前だな。俺達も自分達が調べた内容をまとめておくとしよう。宰相達、側近が徹夜をすれば、まとめきれるだろう」
グローリアさんがそう言うと、近くにいた宰相さんがグローリアさんに挨拶をしてから動き始めます。
さすが、狂皇と呼ばれた人です。統率力は素晴らしいですね。
「はい。よろしくお願いします」
「レティシア。エスペランサの国王も呼ぶのだな?」
「はい。後はマイザーのベネットさんにも来てもらおうと思っています」
ベネットさんはマイザーの次期国王として来てもらう必要があります。
「マイザーにベネットという者はいなかったと思うが?」
グローリアさんのわずかに笑っている気がします。恐らくマイザーであったことを把握しているのでしょう。
「そのことも含めて、明日の会談でお話ししますよ」
「あぁ、楽しみにしているぞ」
私は、グローリアさんに挨拶をした後、魔国エスペランサに転移します。
魔国エスペランサの謁見室に転移した私は部屋を見回しますが誰もいません。
留守ですかね? それとも別の部屋ですか? 困りましたね。
私が一人で困っていると、魔王四天王もとい、エスペランサ四天王の筋肉が入ってきます。
「な、貴様!!」
「お久しぶりですね。筋肉」
「パワーだ!! で? 何しに来た?」
名前なんてどうでも良いでしょう。ちょうどいいので、筋肉にクランヌさんの居場所を聞きましょう。
「クランヌさんに話がありまして、クランヌさんはどこに?」
「クランヌ様は、町の視察に出ている。暫くは帰ってこないぞ?」
これは本格的に困りました。
城下町とはいえ、エスペランサは広い国です。
もしかしたら、今日は帰ってこないかもしれません。とはいえ、筋肉に伝言を伝えるのは不安です。これがせめてブレインか、マジックなら……。
「今日中に帰ってきますか?」
「あぁ。三時ごろには帰ってくる予定のはずだ」
三時ですか。あと二時間くらいですね。
「ならば、待ちましょう。その間に貴方を鍛えてあげましょう」
「な!!?」
ほんの暇つぶしなので、そこまで鍛えられませんが……。
二時間後、クランヌさんが謁見室に帰ってきます。
謁見室には、笑顔の私とボロボロになった筋肉が転がっています。
「なんだ? この状況は……」
クランヌさんも、筋肉の不甲斐なさに呆れている様です。
「お帰りなさい。クランヌさん」
「レティシア嬢。パワーが何かしたのか?」
クランヌさんが、呆れた顔で私に聞いてきます。
あれ? 不甲斐ない筋肉に呆れていたんじゃないんですか?
筋肉は震えた顔で、クランヌさんに助けを求めます。
「た、助けてください。こいつは手加減というモノを知らなすぎる」
「ダメですねぇ。聞きましたよ? 紫頭とは友人関係なのでしょう? 紫頭は強くなっていますよ?」
紫頭ならば、あれくらいは耐えれます。全く情けないです。
筋肉も紫頭の名前を聞いて、目に力が戻ります。
「くっ。ケンはそこまで強くなっているのか!?」
「はい。あれでもファビエ王国最強の一角ですからね」
これは嘘ではありません。
紫頭を鍛えた結果、レッグさんに匹敵するくらい強くなりました。
ファビエで最強なのは、レッグさん、紫頭、カチュアさんの三人です。
私ですか? まぁ、言わなくともわかりますよね。
私の言葉に筋肉は悔しそうにします。
「くそ!! もっと筋肉を強くしなくては!!」
駄目ですよ。
筋肉だけでは、強くはなりません。
「はぁ。で? レティシア嬢はパワーを鍛えに来たのか?」
クランヌさんは呆れながらそう聞いてきます。
残念ながら、私はそこまで暇ではありません。
「違いますよ。クランヌさん。明日迎えに来ますので、強制的にファビエ王国に来て欲しいのです」
「なぜだ?」
「はい。姫様とグローリアさんとの会談を行ってもらいます。その時に重要なことを話そうと思います」
「グローリア?」
クランヌさんにグローリアさんのことを説明します。
意外なことにクランヌさんはグローリアさんのことを知っている様でした。
「お前とエラールセの狂皇がつながっていたとはな。それに重要なこと? 今話すことは出来ないのか?」
「はい。問題を共有することで解決策……これは私に託されたのですが、対応策は四国がする必要があります」
「四国? ファビエとエラールセ、それに俺達、後一国はどこだ?」
「マイザー王国です」
「マイザー? あの国はホムンクルスに統率させているのだろう? そんな傀儡国が何の役に立つ?」
確かに、クランヌさんの言うことは正しいです。
しかし、マイザー王国にはベネットさんがいます。
「大丈夫です。次期国王に来てもらいます。明日のお昼に迎えに来ますので、準備しておいてください」
「あぁ。分かった」
私は、続いてマイザー王国に向かいました。
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