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親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
2章 教会編

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教会編 27話 逃げられていましたか……。

 サクラさんは見た目が幼いのに、これで神様達の中では一番偉いそうです。見た目からは信じられないほどの威圧感も持っています。

 この人が、もしこの世界を管理してくれたのなら、この世界は安定すると思うのですが……。


「お久しぶりです。サクラさん」

「ひさしぶりだね。レティシアちゃん」


 サクラさんは笑顔で手を振ってきます。

 私が座ると、サクラさんも座ります。そして、軽く微笑んで私の目を見ます。


「で? 聞きたいことは何?」


 きっと、もう知っているのでしょうね。だから、余計なことは話すつもりはありません。

 ストレートに切り出しましょう。


「誰がそうなのですか?」

「誰が? 何の話?」

「とぼけないでください。復活しているのでしょう? アレが……」


 アレ……。

 神アブゾルが復活している可能性がある。いえ、私の予想では復活していることは間違いないと思います。


「そうだね。私も予想外だったよ。まさかこんなに早く復活……いや、うまく隠れていたみたいだからね」


 隠れていた……ですか。殺しつくせてなかったということですかね?

 確かに、神を名乗るにしては、目の前のサクラさんとは違い、たいしたことはなかったですし、死体も残りませんでした。

 逃げられた? と考えるのならば、私が殺したのは身代わりか、ホムンクルスのどちらかですかね?

 しかし、アブゾルのことは神様達の汚点。


「今度は女神である貴女が、アブゾルを完全に消してくれるのですか?」


 私はサクラさんにそう聞きますが、サクラさんは難しそうな顔をします。

 この期に及んで何を?


「レティシアちゃん。前にも言ったけどね、この世界のことはこの世界の人に解決して欲しいんだ」

「しかし……」

「レティシアちゃん。力ある者には責任が発生する。レティシアちゃんはその力を持っている……だからこそ、レティシアちゃんに解決して欲しいんだよ」


 それを丸投げと言いませんか?

 私は、目を細めてサクラさんを見ます。


「そんなジト目で見ないでよ。(私達)からしても苦肉の策なんだから」

「苦肉の策?」


 サクラさんの話では、女神であるサクラさん、または別の神が介入してしまえば、今回の問題は簡単に解決するらしいです。

 ただ、その場合は支配する神がアブゾルから後任の神に代わるだけだそうです。

 私としては、それでもかまわないと思うのですが、長い目で見るとダメだそうです。何がダメか聞きましたが、答えてくれませんでした。

 まぁ、これ以上ごねても仕方ありません。アブゾルのことは、逃がした私の責任でもありますし。


 ちょうどその時、カチュアさんがお茶を用意してきてくれます。

 

 お茶を飲みながら、ウジ虫のことを聞いてみます。


「ウジ虫を殺したのはアレですか?」

「間違いないね。神族でもなきゃ、レティシアちゃんが独自に開発した結界魔法をすり抜けた挙句、レティシアちゃんの作った気狂いじみてる治癒魔法を上回って殺すことは出来ないはずだよ」


 気狂いじみた治癒魔法ですか。褒められている気がしませんねぇ。

 そういえばウジ虫には、まだ50個近くの命があったはずです。そのことを聞いてみると、命を授けたアブゾルならば、全てを奪うことも可能だそうです。

 と、いうことは、アブゾルを50回も殺さなければいけないのですか?


「その点は大丈夫だよ。神族に、いや、不老を持つ者は命を複数持つことは出来ないから」


 不老? アブゾルは髭爺でしたよ?


「アブゾルは、老人になってから不老の力を手に入れたからね。どっちにしても、姿を変えられることは前回戦った時に知っているでしょう?」


 確かに……あの時は聖女に化けていたんでしたっけ? 

 ……思い出してしまいました。気持ちが悪い。

 まぁ、どのみち、私がアブゾルを殺さなきゃいけないようですね。


「そうですか……。サクラさん、私が解決しなきゃいけないことは理解しました。理解したくはありませんけど……だけど、元々この世界にアレを送り込んだのは貴女達です。その責任はどうとるつもりです? 先ほど言っていましたよね? 力あるものには責任があると」


 これを揚げ足取りと言います。

 言い逃れはできませんよ?


「くっ……。しょうがないなぁ。レティシアちゃんには、この騒動が終わったら神としての権利をあげるよ」

「いりません」

「そんなに簡単に拒否しないでよ」

「嫌なものは嫌です。まぁ、責任の取り方はアレを殺した後に決めて貰いましょう」

「そうだね」


 サクラさんは少し嫌そうに答えました。

 そうです。ついでに気になったことも聞いておきましょう。


「サクラさん。ホムンクルスというのは簡単に手に入るものなのですか?」

「どうしてそんなことを聞くの?」

「いえ、ホムンクルスを枢機卿に置いて操っている可能性も、捨てられないと思いまして」

「どういうこと?」


 私がグローリアさんから聞いた本来の枢機卿の性格と今の性格の違いをサクラさんに話します。

 グローリアさんの言う通り、性格が変わっているとすれば、本人が操られているか、もしくは既に殺されてホムンクルスに置き換えられているかのどちらかじゃないか、という話をします。


「なるほどね。ありえるね。ホムンクルスは神界でも高価だけど、複数手に入れる事は可能だよ」


 神様にもお金という概念が存在するようです。

 しかし、高価なのですね。

 そんなものを数体用意してくれたサクラさんは、お金持ちなんですね。


「サクラさんはアブゾルが隠れている場所、もしくは化けている者がわかりますか?」


 もしホムンクルスを見分けられるのならば……魔力を通しているのなら、魔力を感知することも可能なのでしょうか?

 私としてはそのことを期待したのですが、それは無理だそうです。


「ごめんね。正直分からない。アレは隠れるのが得意みたいだからね。それに、ホムンクルスに魔力を送っている者の特定も不可能なの。だいたい、そんなに簡単に特定できるのならば、ホムンクルスを使う意味が無くなるからね」

「……そうですか」


 確かに、魔力感知が優れている者に簡単にバレるようならば、代わりの意味がありません。

 これ以上、聞いても仕方ありませんか。


 私はサクラさんを見送った後、一人で考えます。

 アブゾルを見つけることは不可能である以上、ファビエやマイザー、それにエスペランサやエラールセに入り込まれる可能性があります。

 それだけは避けないといけません。

 各国の国民を管理するのは不可能ですが、お城にいる人間の選別くらいはできないといけませんね……。

 明日までに、何かの魔法を開発しておきましょう。


 しかし、アブゾルが復活ですか……。今度こそ、確実に殺してあげますよ……。

日間ハイファンタジー、14位にランクインしました。最高記録更新です。ありがとうございます。

ブックマークも3300を超えました。

できる限り毎日更新は続けていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。


 少しでも面白いや続きが気になるという方がいれば幸いです。

よろしければ、ブックマークの登録、評価をよろしくお願いします。


 他にも連載していますのでよろしくお願いします。

 新・クジ引き  https://ncode.syosetu.com/n4468fd/

 旧・クジ引き  https://ncode.syosetu.com/n2043en/ 連載凍結中 

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