教会編 16話 交渉決裂ですか?
ファビエ王国をファヴィエ王国と間違えて書いていたのにようやく気付いたので、ファビエに統一します。
これ以前の話でファヴィエと書いている所は、順次直していきます。
マイザー王がレッグの事を王配と知っているのに知らない風に書いていたので、そこを一応、つじつまの合うように書き直しました。
教会の事を話に出した時の生ゴミの反応……、間違いなく、教会とつながっていますね。
まぁ、最初っから、疑ってはいましたから、驚く事もないのですが。
「わ、ワシらは、ど、独自の判断で、レ、レティシア嬢を我が国に返せといったのだ!!」
必死に言い訳をしていますねぇ……。
必死になればなるほど、教会の指示があった事が明白になるのですが……。
まぁ、そのおかげで、教会がしたかった事がなんとなくわかりました。
これは推測なのですが、私が名誉とやらで、マイザー王国に寝返った後、教会に引き渡す事で、教会での地位を手に入れようとでも思ったのでしょう。
教会は、前教皇を殺した私を処刑する事で、教会の威信とやらを誇示でもしたかったのでしょう。
しかし、ツルツルも教会での地位を得る為に、お金をつぎ込んでいたみたいですが、そこまで教会の地位というのは魅力的で強力なのでしょうか?
「まぁ、いいさ。今日は、マイザー国王に第三王子の最期について、説明しようと思ってな」
おっと、それが本題の一つでしたね。
レッグさんは、あくまで沈痛な面持ちで生ゴミに話しかけています。
まぁ、恐らくですが激昂してくるでしょうね。
「き、貴様等、私の可愛いファニーを殺したのか!!?」
これは予想通りですね。
しかし、こんなに簡単に口を滑らせてくれるとは思いもよりませんでした。
「何故、俺達が殺したと疑うんだ? 俺達はまだ死因も話していないんだぞ?」
レッグさんの口角が吊り上がります。
本来ならば、最期の話と聞いたら「死んだのか?」と聞いてくるのが普通と思うのですが、生ゴミは「殺したのか!?」と聞いて来ました。
という事は、私達が殺した事を……もしくは、私達が原因で死んだ事を、知っているという事になります。
「そ、それは……」
生ゴミは、自身が不味い事を話したと自覚しているのでしょうか? レッグさんから目を逸らします。
今の発言の意味を知る程度には、脳味噌は入っている様ですね。
「まぁ、そんな事はどうでもいい。あんたは、俺達が殺した事にしたいようだが、彼は事故死だ」
「じ、事故死だと?」
生ゴミの目が鋭くなります。また、余計な事を言うんですかね?
ここで、何かを言ってしまうと、ますます教会とのつながりを疑われる事になるんですが……。
「う、嘘を吐くな!! 貴様らが殺したのだろう!?」
生ゴミが玉座から立ち上がります。
それと同時に、この王の間にいる兵士や騎士達も殺気を放ちだします。
私は周りを見ます。
たいした事がありませんねぇ。
レッグさんも、兵士達を呆れた目で見ています。
カチュアさんは当然として、戦闘経験の無いレーニスちゃんですら、全く怖がっていません。
「俺達が彼を殺したという証拠でもあるのか? まさかと思うが、俺達の国にスパイでも入れてるんじゃないだろうな……」
レッグさんが怖い顔をして、生ゴミに近付きます。
「な!? 貴様!! マイザー王国国王であるワシに、冒険者ごときが近付いても良いと思っておるのか!?」
冒険者ごとき?
先程、王配だとマイザー王自身が言っていたと思うのですが、頭がおかしくなって忘れてしまいましたか?
「もう一度言っておくぞ。お前が知っている頃の俺は冒険者だったが、今の俺は王配だ。お前と同じ王族なのを忘れるなよ」
レッグさんが、そう生ゴミに話すと、生ゴミの顔が青褪めます。
「まぁ、俺の立場など、どうでも良い。もし、うちの国にスパイを入れていますと断言するのなら、俺達は一番やりやすい方法で、この国との戦争回避をさせてもらうだけだ」
レッグさんがわかりやすく、殺気を放ちます。
「ま、まて……。貴様らはワシを殺すつもりなのか? 出来ると思っているのか?」
生ゴミは、玉座で何かの合図を出します。すると、兵士達が剣を抜きだします。
「囲まれているのだ!? どう戦うのだ!?」
私は、ナイフを取り出します。
この状況に、ついつい口角が吊り上がってしまいます。
「レッグさん? これは殺してもいいんですよね?」
「あぁ。だが、兵士だけだ。国王は殺すな」
国王を殺しちゃダメですか? まぁ、今も利用価値があるという事ですか……。
まぁ、良いでしょう。
私が動くと、兵士達も動こうとします。
まぁ、遅すぎますけどね……。
数分後、王の間では、動かないゴミが積み上がっていました。
まぁ、私がやったんですけどね。
「生ゴミ。片付けやすいように一カ所にまとめてあげましたよ」
……感謝してください。
生ゴミは、目の前の惨状に顔を青褪めさせます。
「き、貴様……。我が国で殺人を犯しおったな……。貴様は処刑だ!!」
処刑? 何を言っているのでしょうか?
「おいおい。お前等が喧嘩を売って来たんだろう?」
「黙れ!! ワシはこの国の王だ!! ワシの言う事は絶対だ!! この国でワシが死ねと言ったら死なねばならぬのだ!!」
青い顔で、そこまで言えるのは、逆に立派です。
「相変わらず、都合のいい解釈だな。そう言えば、お前等は人の話を聞かないんだったな」
レッグさんが、呆れ切った顔で、生ゴミに言い返します。
「エレン嬢の事にしてもそうだ。うちのネリーが、何度もあんた達に保護するように頼んでいただろう? それを無視したのはお前達だ」
「ふざけるな!! 何故、貴様等の様な馬鹿な国の言う事を、ワシが聞かねばならん!!」
馬鹿な国? もしかして、姫様の事を馬鹿と言っているのですか?
やはり、この生ゴミはここで殺しておくべきでしょう。
私は、殺す為にナイフを取り出します。しかし、レッグさんが私を止めます。
「まぁ、待てって。別にお前が話を聞こうが無視しようがどうでも良いさ。俺達が来たのは、お前に招待状を届けに来ただけだ」
「招待状だと?」
「あぁ。うちの国から本物の神に選ばれた本物の聖女と勇者が出た。ここにいるレティシアが勇者でこのレーニスが聖女だ」
「ふ、ふざけるな!! 本物の神とは何だ!! 神はアブゾル様だけだ!!」
まぁ、教会での権力を欲しただけありますね。
しかし、唯一神はアブゾルだけですか。まぁ、殺しましたけどね。
「まぁ、どうでも良いさ。お前等の国が魔王アブゾルを信じるように、俺達は本物の神ギナの神託を信じる。それにいちいち文句を言われるいわれはない」
「馬鹿な。アブゾル様を敵に回すという事は、全ての国の教会を敵に回すという事だぞ!!」
「どうでも良いと言っているだろう? でだ。その招待状はファビエ王国と魔国エスペランサの同盟を祝う会への招待だ」
「ば、馬鹿な!! 貴様らは魔族と同盟を組むだと!!? 人間の敵にでもなるつもりか!!?」
やはりというか、教会にどっぷり浸かっている生ゴミならば、ソレは許せない行為なのでしょうね。
「それにだ。貴様らこそ都合がいいのではないか? 貴様らは、勇者タロウという偽物を世に出した。その責任は誰が取る?」
これは生ゴミの間違いですね。
性格クズで、どうしようもなく弱いとはいえ、ウジ虫はアブゾルが作り上げた勇者だったというのに……。
その事を知らない生ゴミは、勝ち誇った顔で、レッグさんに詰め寄ります。
しかし、レッグさんは冷静です。
「うちの国王が自らの首で責任を取っただろうが」
その通りです。
ツルツルは、国王として処刑されました。まぁ、偽物だったんですがね……。
「前国王は、勇者タロウを召喚した事により、国自体を混乱に貶めた。娘であるネリー女王が責任をもって、父親である前国王を、ネリーの名のもとに処刑した。これ以上の責任の取り方はないと思うが?」
さて、生ゴミはどういう反応を示しますかね?
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