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親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
番外編 勇者タロウの章

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番外編 勇者タロウ編3 終わりの始まり

今回は短いです。

タロウ編は後日談も含めるのでもう一話増やしました。


20年1月30日改稿

改稿というよりは全書き直し……かな?


 城に入った俺達を見て、襲い掛かってくる兵士達。

 しかし、俺達の敵ではない。

 俺達は兵士を斬りながら、先に進む。


 しかし、今日は何かがおかしい。

 いつも通り、兵士達は弱いもので、俺達に簡単に斬られていく。

 だが、殺せたとは思えない。

 ……手応えがない?


「ソレーヌ……」

「えぇ……。なぜか殺したという実感がないですわ」


 ほかの二人にも同じ事を聞いてみたが、同じ答えだった。


 まぁ、いい。

 レッグを殺す準備はできた。レッグを殺し、ネリーを手に入れたら、俺に逆らう兵士は全員処刑してやる。


 

 俺達は、謁見室の大扉の前に立つ。

 扉の前には、立派な鎧を着た護衛兵士がいる。


「ソレーヌ」

「えぇ……」


 ソレーヌは、護衛兵士の首を落とした……はずだった。

 護衛兵士はソレーヌに斬られて倒れているが、首は斬れていない。

  

 なぜだ?


「邪魔よ……。死にたくなかったら……どきなさい」


 ソレーヌがとどめを刺さない?

 どういう事だ?


「おい、ソレーヌ」

「タロウ。おそらくだけど、兵士に何らかの魔法がかけられている。その魔法を解こうとしたけど、できなかった。術者を殺さない限り、こいつらを殺せないわ」


 魔法のエキスパートのジゼルがそういうなら、俺達にはどうしようもないな。

 しかし、ファビエの宮廷魔導士にそんな魔法が使えるのか?

 ジゼルに解けない魔法を使えるのか?


 まぁ、いい。

 この中に入れば、全てが終わって、俺の時代が始まる。

 そう思って俺は扉を蹴り開けた。



 しかし、その先の光景に俺は目を疑った。


 あ、あのガキが……、なぜ、ネリーの隣に!?


「あ、宿屋の前で下半身を丸出しにして寝ていた変態さんじゃないですか?」


 こ、こいつが、俺をあんな目に合わせた張本人か!?


「て、てめぇが、俺にあんな屈辱を……」

「はて? 貴方が勝手にズボンを脱いだんじゃないですか。私は気絶した貴方を気付かれやすい場所に置いておいてあげたんですよ?」


 こ、このクソガキ……。

 確か、エレンの親友だったか。


 まさかと思うが、このガキにエレンの死の真相を話したのか!? 


「ネリー!! なぜ、そのガキがそこにいる!?」


 俺は、ネリーに詰め寄るが、レッグが邪魔してくる。

 くそっ。

 こいつを殺す事は可能だが、それは俺自身の強化魔法を使ってこそだ。

 レッグを殺すのは今じゃない。


「ネリー姫。国王はどこだ? その玉座は国王が座るところだろう? 姫とはいえ、娘のお前が座っていい椅子じゃない」

「それは違うわ。前王は罪人として処刑され、今では私が王なの」

「なんだと?」


 という事は、あの噂は本当だったのか?

 ふざけるなよ……。

 国王が居なければ、俺が好き勝手出来ねぇじゃないか。


「ふざけるな!! お前は俺の妻になるんだ!! その玉座に座っていいのは、俺だけだ!!」

「なぜかしら? 貴方はいつ魔王を倒したの? 私は言ったはずよ。魔王を倒せたら、貴方の妻になると」


 覚えているさ。

 だが、魔王を倒すというのはそんなに簡単な事じゃない。

 それこそ、俺が王になって、ファビエの兵を引き連れ魔王と戦う必要がある。 

 そうだ……。

 俺こそが神に選ばれた勇者なんだ!!


 俺はレッグを睨みつける。

 くそっ。

 不意打ちすれば、レッグを殺せるか?

 ソレーヌ……。後ろへ……って何をやってやがる!?


「露出狂ですね」

「誰が露出狂よ!?」


 いや、ガキと何を言い合っているんだ。

 違う。

 これはチャンスかもしれない。

 このガキを使って、俺の言葉を正当化させる。

 こいつは、勇者である俺に手を挙げたんだ。


「そもそも、ネリー姫の隣にいるガキは重罪人だ」

「なぜ?」

「そいつは勇者である俺に対し、数々の無礼を働いた。そのガキを寄こせ!! 甚振って殺してやる!!」


 俺はそうガキを怒鳴るが、あのガキは涼しい顔をしている。

 ふざけやがって……。


 このガキから出ている威圧感……。

 な、なんだ? このガキは!?


 そんなガキを押さえたのは、ネリーだった。


 ね、ネリーの言う事は聞くのか?

 ネリーは俺に魔王討伐の進捗を聞いてきた。


 馬鹿か!?

 そんなに簡単に倒せるわけがねぇだろうが!?


 そう言い返そうとした時、あの魔族(・・・・)が部屋に入ってきた。


「な!? ば、馬鹿な……」


 俺達を圧倒した魔族がなぜこの城にいるんだ!?


 魔族はネリーと親しく話し出す。どういう事だ?


 ま、まさか……。

 ネリーは操られているんじゃないのか!?


「き、貴様!! まさか、ここまで追いかけてくるとは……、ネリー!! 今解放してやるぞ!!」


 俺達は、戦闘態勢に入る。

 しかし、ネリーは俺達を哀れんだ目で俺達を見ていた。

 

 ガキは魔族の頭を掴み何かを言っている。

 魔族が怯えているように見える……。ば、馬鹿な……。


 その時言い訳のように、魔族から衝撃の言葉を聞かされる事になった。


 こいつは、四天王じゃなくて……、部隊長レベルだと……?


 こいつは俺達を圧倒したんだぞ?

 う、嘘だ……。


 俺達が絶句していると、ネリーがガキに妙な事を聞き出す。


「レティ……魔王の事を報告してくれないかしら?」


 魔王の事を報告だと?

 何を言っているんだ?


 ガキは四天王を含む魔族全て、一人を残し皆殺しにして、魔王は不死だったから封印したと言った。


 何を馬鹿な事を言っている?

 こんなガキが魔王を倒した?

 魔王を倒せるのは……勇者である俺だけじゃないのか?


 さらに追い打ちをかけるように、ネリーは俺にこう言った。


 魔王がいない今、貴方という勇者に何の価値があるのかと……。


 ふざけるな……ふざけるなよ!!


「ふざけんな!! 魔王を倒せるのは俺だけだ!! こんな小娘に何ができる!!」


 俺は聖剣を抜いていた。

 ここで、このガキを殺せば、俺が英雄で勇者だ。

 俺は……。


 勇者タロウだ!!

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