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親友が酷い目に遭わされたので全てに復讐しました。  作者: ふるか162号
3章 邪教編

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7話 エスペランサの邪教はこれで終わりです。


「クランヌさん。明日、邪教のアジトを壊滅させますので、アジト周辺に人が近付かないように手配してくれませんか?」

「明日か……急だが何とかなるだろう。先ほども言っていたが、くれぐれもやり過ぎないように頼む。出来れば現場の視察だけはしておいてくれ」


 現場の視察ですか……。確かに、追い詰めたとしても逃げ隠れされたら厄介ですし、暴れた結果、周りの家々に被害が出て、邪教徒以外の人が死ねば、後味が悪いですからね。

 私とは違い、クランヌさんは流石一国の主です。町の住民のことも考えなければいけないのでしょう。

 ここで確認しておきましょう。ブレインから出された条件は『人間や亜人は殺さず捕らえること、魔族は別に殺していい』とのことでしたね。


 そうそう、殺しさえしなければ心は壊していいとのことでした。一番重要でしたね。


 そうとなれば、早速、現場を見に行きましょう。

 ブレインから地図を借りて、アジト周辺を確認しに行きます。


 調べた結果、この周辺は建物が崩れやすく、人も多く住んでいる様ですね。これはクランヌさんに報告しておきましょう。

 このあたりの壁を見る限り、軽い魔法で崩れてしまいそうです。

 外で暴れるのは得策とは思えませんね。これはアジト内で対処した方が良いでしょう。


 一度エスペランサに戻り、クランヌさんにあの周辺の情報を伝えておきます。

 もし、何らかの地震が起きた場合、あの周辺の家々は崩れてしまいます。そうなる前に対策を取らねばなりません。

 このことをクランヌさんに伝えると、至急対策を取ってくれるそうです。まぁ、クランヌさんの国の住民ですからね。

 明日は、私が暴れる時間の30分前までは、ホムンクルスを使った偽住民に、日常の生活しているよう動かすことで、邪教徒にはいつも通りの日常を送っていると錯覚させるそうです。

 そうすれば、まさか自分達が今日潰されるとは思わないだろうと、ブレインが言っていました。

 それと、邪教徒達は明後日に特別な神事を行う予定があるそうです。

 なんて都合のいい話だと思ったのですが、以前からクランヌさんが部下を潜入させていたそうで、その部下の人に、その日に神事を行わさせるように命令したそうです。

 元々はその日に軍を投入しようとしていたそうです。

 私にとっては、タイミングが良く、都合がいいことには変わりありません。


 その二日後、私はブレインの部下を連れてアジトへと向かいます。

 潜入しているクランヌさんの部下の人が言うには、昨日に人間が数人アジトへと連れてこられたそうです。

 恐らくは生贄にされるのでしょう。

 クランヌさんは暴れる前に人間の保護を頼んできました。私はこれを了承して、朝早くにアジトに乗り込むことに決めました。

 神事が行われるのは10時からなので、まだ数時間余裕があります。連れ去られた町の人をまず見つけましょう。


 アジトは薄暗く、明かりは蝋燭だけでした。


 邪神というだけで薄暗い所が良いと判断したのでしょう。私としては、明るいところが好きなんですけどねぇ……どこまでも私の意に反する行為をしてくれます。

 私は、目を瞑り気配を探ります。

 気配を感じられたのは二人だけ……、普通に考えれば、門番と連れてこられた生贄の人でしょうか? どのみちこの二人しかいません。

 私はこの二人の下へと近づいて行きます。


 地下の牢屋に二人いました。どうやら二人共生贄に捕まったのか、抱き合って震えています。夫婦でしょうか?

 まぁ、いいでしょう。 

 私は二人を牢から出すべく、近付きます。

 中にいた人達は、突然のことで驚いていましたが、私が口元に人差し指を当てると、黙って頷いてくれました。

 

 牢屋を破壊して、中にいた人をブレインの部下へと預けます。後は、エスペランサ軍の方で保護してくれるでしょう。

 私はこのまま待ちます。



 二時間くらい待ったでしょうか、アジトが少しだけ騒がしくなります。邪教徒共が集まり出したのでしょうかね。

 邪教徒の一人が牢へと近付いてきます。生贄を取りに来たのでしょう。

 私は、牢の前でじっと仁王立ちで待っています。


「な、何者だ!!」


 牢にやってきた男は私を見て驚きます。本当に私の顔を知らないのでしょうね。

 自分の信仰する神の顔くらい知っておけと思うのですが、この人達には常識すらないので仕方ないかもしれませんね。

 まぁ、今騒がれても鬱陶しいので黙らせましょう。

 私は、魔力球を男に当てます。すると男は悲鳴を上げ気絶してしまいます。え? これだけで失神してしまうのですか? 流石に人間は脆いですねぇ……。

 私は男を引きずりながら、邪教徒が多く集まっている部屋へと移動します。


 アジトの一番広い部屋では、真っ黒のローブを着た怪しい連中が何かを相談している様でした。

 真ん中に大きな魔法陣の様なモノが書かれている絨毯があります。あそこで生贄を殺すつもりだったのでしょう。

 しかし、邪教というのは本当に色々な種族がいるモノですね。魔族や人間が殆どを占め、数は少なそうですが、亜人もいます。


 私は魔法陣に向かって気絶した男を投げつけます。

 邪神である私が乱暴に扱いたいのですから肯定してくれますよね?

 邪教徒達は、一斉に私を見てきます。魔族の信者は私を見た瞬間絶句しました。()()()()知っているのでしょう。

 さぁ、お仕置きの時間です。



 制圧自体は見事にアッサリ終わりました。相手は所詮ただの人間や少し強い程度の魔族です。私が本気を出す必要もなく、全員を拘束することが出来ました。

 人間達は怯えきった顔をしており、亜人もそれは同様です。

 さて、ここからが本当の恐怖ですよ? エスペランサ軍の人達は、あと一時間は来ることがありませんからね……。

 

 人間と亜人は肉体的に殺してはいけないので、ここでじっくり見ていて貰いましょう……魔族の信者を凄惨に殺すところを……。



 一時間後、エスペランサ軍がこの部屋に踏み込んできました。

 まぁ、もう終わったので構いませんが、この光景に引くのは止めてくれませんかね。照れるじゃないですか。

  

 今のこの部屋で生きているのは、気が狂った人間達と、失神している亜人達だけです。それ以外に()()のは、死体になり壁に貼り付けられている魔族だけです。

 これが邪教の望む邪神の所業なのでしょう? 私は良く知りませんがこんなものでしょう。


 この日、エスペランサの邪教は壊滅しました。人間と亜人の信者は国際法で裁かれることになります。私としては生ぬるいのですが、まぁいいでしょう。それと同時に、邪神は邪教徒であろうと殺すときは殺すということも広まってくれるといいのですが。


 これでエスペランサ国内から邪教が消えたのは良いのですが、これとは別問題としてクランヌさんから思いもよらない噂を聞かされました。


 新たな勇者が現れた……と。

感想などありましたら、よろしくお願いします。

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