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禁忌

作者: Fuga*29

[禁忌]

これは誰も知らない物語。

この少年に名はない。生まれついたときから、呪われた子、忌みの子として存在そのものが「禁忌」とされてきた。

この村には伝説がある。眼が紅い者は、天災を起こす。そして「禁忌」は生まれた。物心つく前は誰も知らなかった。でも物心ついたとき、村の人は気づいた。

彼が「禁忌」ということに。

そこからは檻の日々。飯は無し、日々の暴力、体中に傷、アザだらけ。そんな日々が一ヶ月続いた。つまり、一ヶ月たっても死ななかった。紅眼の力で。村のも者は何をやっても死なないことに気づいた。少年は洞窟の奥深くに閉じ込められた。


少年は思った。

「悲しいことは何も無い。なぐられても、けられても、かみを千切られても、体に傷を入れられても、飯がなくても。何も痛くない、辛くない。でも外にいる子は何故だろ、なんで笑ってるの、なんで泣いてるの、なんで怒ってるの。」

少年は欲しいと願った、

「感情」を。

でも、望んでも何もなかった。ただ暗い日々が過ぎるだけ。

少女は思った

「なんで僕は死なないの。感情はない、夢はない、欲しいものは手に入らない。」

そう考える日が続いていった。だがある日、一筋の光が差し込んだ。紅色の眼の少女が、そこにたっていた。そして少女は、

「今まで寂しかったよね。死にたいって、何度も思ったよね。でもそんな日々はもう終わり。一緒に逃げよう。」

そう言って少女は僕の手を引っ張っていく。少年は初めて感情というものがわかった。

「これが嬉しいってことなんだ。」

二人は走り続けた。もちろん村では異変に気付き探し回ってた。「禁忌」の双子を。

二人は遊びまわった。そして。捕まった。

少年は少女がなぐられるのを見てるしかできなかった。

少年には力がない。

「なんでこんなことになるんだ、なんで僕達が生きていたらダメなんだ。」

少年は強く望んだ、

「こんな世界、僕と君以外、皆いなくなればいいのにな。」

世界は紅と黒に染まった。人は誰もいない。

これが

「禁忌」

の力。

そして、本当の

「天災」

が起こった。



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