1章 転生者のもたらすもの 1
説明会です
この世界ユグドラシルはあらゆる異世界から転生者があらわれる。
彼らから魔法を見せてもらった時は驚き、常識が壊れるかと思った。
科学というのは言葉ではよくわからなかったけど、雨が降る仕組みなどを教えてくれて雨乞いで人柱をたてる必要がなくなった。助けられた。女の子は泣いてよろこんだ。
彼らはたくさんの驚きや楽しみをくれて、たくさんの命も救ってくれた。
彼らは世界を操れるのだと信じて疑わなかった。
でもどうしてであろう、彼らが俺達の命まで操れるのではないかとおもわなかったのは。
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ユグドラシルにある小さな村レシト村に俺、ガトラは住んでいる。今年で12歳になった。
何もないへんぴな村だが、友達や両親に囲まれ幸せに暮らしている。
当然こんな村にも異世界からの転生者が時々やって来る。彼は様々な情報や技術を教えてくれるがこの村にはたった一つだけ彼らに対して規則がある。
決して彼らのこの村での生活を認めないことだ。
転生者が当たり前となった今転生者を身近に置いておきたいという人や国は後を絶たない。彼らの持つ技術を独占出来るかもしれないし、魔物や他国との戦争の際に切り札となり得るからだ。事実転生者一人に軍隊丸ごと一つ潰されるなんてザラにある。
それなのに、この村はそうしない。何故かは成人してから教えると言われているが今のところまったく想像がつかないし、魔物も自分達で処理しなくてはならないため、この村では子供のうちから戦闘練習をさせられる。
おかげで俺も友達もそこらの大人じゃ敵わないくらいに自分の武器を使いこなせる。
まず同じ歳のレビンは剣の使い手だ。短く揃えられた金色の髪でそこそこの顔立ちをしている(俺には及ばないけどね)。だが剣を使う様子は悔しいが様になっていると思う。
一つ年下のコルドは槍使いだ。少し臆病なところはあるが、その腕はなかなかで練習でも俺やレビンと最近は互角に戦って来る。優しい顔立ちだか油断は出来ない奴だ。
同じく一つ年下の女の子のリア。彼女はなんと転生者がもたらした魔法を使える。昔転生者に師事した村の司祭に才能を見出され、それから魔法の腕がメキメキ上達した。栗色の髪でなかなか整った顔をしているがだからって気を抜くとあっという間に黒焦げになる。
練習で一回燃やされた。
もう二度とあんな目に会いたくない。
俺?俺は盾だ。嫌いじゃないんだけど武器じゃないし、魔物を倒すのに時間がかかる。レビンからはよくからかわれる。まぁ、大抵4人で一緒にいるし、俺が魔物を引きつけている間にみんなが安全に倒せるからいいんだけどね。でも1番この中で背が高いぞ!(ここ重要だからな!)
今日もレビンの家に集まってみんなで修行をすることになっている。
農作業をする親に送り出されてレビンの家へと向かう途中、村の端で1人の悲鳴が響いた・・・。
レビンの容姿に対するガトラの評価はかなりのところライバル関係にあるレビンを褒めたくない感情が詰まっています。
察してやって下さい。
一応二人とも同じくらいカッコいいです!