王族の中で唯一凡人顔のアリサは何故か他の王族に溺愛されている2
どうか読んでやって下さいな
~次男~
今日も今日とて私の顔は平凡だ。
自室に帰る途中、鏡が掛けてあるところを通るが、敢えて目をそらす。
見たって何の意味もないし、見たら見たで感傷的になる。鏡の間とか必要最低限入らない。あの空間すっごく嫌いだ…。
そんなことを考えて歩いていた時だった。
向こう側からこの国の第二王子である兄・ガルドが歩いて来るのが見え…
「…!!」
気付いた時にはもう遅い。
向こうもこちらに気付いたらしく、早足にこちらへ歩いてくる。チッ気付く前に逃げようと思ったのに…!!
足長いんだから早歩きとかしたらそらあっという間にこっち来るわな…!
「やぁ、アリサ」
長兄であるエルクとは正反対の漆黒の瞳を細めて、ガルドは不敵に笑う。
「えっと…、こんにちは、お兄様…」
正直私はこの妖しく笑っている兄が苦手だ。なんか無駄に色気あるし。
出来ることなら今すぐ走って逃げたかったが、走って逃げると、この兄は余裕で追いついて後ろから私を抱きすくめ、小一時間耳元で「なんで逃げたんだい?」と問い詰めてくるのである。ちょうこわい。
「あのさ」
…ヤバイ。
私はそう思った。
これまでの経験から、彼の「あのさ」に続くのは私への文句であることは容易に想像できたからだ。
「…はい?」
素知らぬ顔で返事をし、彼を見上げると、彼の目はとても冷たかった。
「今僕のことお兄様って呼んだ?」
「…ええ。」
今まで通りだ。問題ない、ハズ。
「君はエルクをエルクと呼ぶのに、なんで僕だけお兄様なの?」
何を今更っ!?と内心混乱しまくりだが、冷静にアリサは返す。
「だって今までそうしてたじゃないですか。」
「あとそれ。」
「…どれでしょう。」
「敬語だよ。」
「……。」
私が黙っていると、彼はつまらなさそうに「…昔は違ったのに…」と呟いた。
「…昔?」
そういえば昔は無邪気にガルドと戯れ、相手をしてもらったものだ。幼き私よ、よくそんな事出来たな…!
「君が悪いんだからね。」
唐突に、彼はそう言った。
私何か悪い事した!?と彼を見上げると、また妖しい笑み。
「君がそんな風に可愛く育ったのが悪い。」
それだけ言うと、彼をは来た方と同じ方向へ去って行った。
…うん、一言言わせてくれ。
「も、文句は両親へどうぞ!!」
感想ご指摘等ありましたら以下略
指摘されるの大好きなんで!
もうどんと来いです!
次は誰にするか未定です(^^;)