弔い
悲しく響く遠吠えを
虚しく照らす月夜の光
はりつめた空気に
触れたのならば
その身は千切れ
血の雨の夜
遠吠えの声は獣ではなく
恋人殺された悲しき女よ
悲しみの声を
聴いたのならば
それが最期
食われて月へ
悲しく響く遠吠えも
夜が明ければピタリと止まり
スズメの鳴く朝がくる
遠吠えは幻のように
忘れ去られて消えていく
まわれまわれど
憶えているのは
虚しく照らした月夜の光
悲しく響く遠吠えを
照らし続けた月夜の光
今宵も月夜は悲しく泣いて
その魂を慈悲ている
読んで頂きありがとうございます。遠吠えのお話でした。これからもよろしくお願いします。