狐の嫁入り
「ん~こんだけ天気がいいと昼寝日和だねぇ」
『自然動物公園』を後にした俺は山の遊歩道を散策して山の緩やかな斜面に寝っ転がり昼寝を楽しんでいた。今日は秋なのにぽかぽかして暖かい。ついうとうとしてしまう。
「ん・・・寝ちゃってたか・・・」
目を覚ましあたりを見回す。空は青から赤に変化していた。
「もう夕方かよ…早く帰らないとな。」
起き上がり服に付いた汚れをたたき落としていると不意に
「!?」
『ピッチャピチャ』
「雨かよ・・・空に雲なんてねぇのによ・・・天気雨ってやつか?」
そうぼやくと俺は走り出した。
「クソ・・・雨がどんどん強くなって行きやがる・・・」
どんどん強くなっていく雨。視界も悪くなっていく。そんな中どこからか…人が歩く音が聞こえてきた。
「え?こんな山の中で人の歩く音?後ろからか?しかもこの音の感じだと少人数じゃなくてだいぶ多くね?」
雨の中でも聞こえてくる歩く音。気になって誠也は振り向くと
「えぇぇぇぇ!!!????」
・・・なんだあれ?普通じゃねぇだろ?俺はまだ夢でもみてるのか?
そこには行列が・・・しかも普通の行列ではなく100匹を超すキツネの行列中盤には時代劇で見るような「籠」を担ぐキツネまでいる。
言葉を失い、訳がわからない状態の誠也。そんな中、籠の窓?からこちらを見る視線を感じる。
そちらをみると白無垢姿の一人の少女と目が合う。
(白無垢かぁ~結婚するのかなぁ?綺麗な人だなぁ…いや綺麗というか可憐だぁ…っと俺はなにを考えて!?逃げなきゃ!!さすがにこれはふつうじゃねぇ・・・あれ?おかしい・・・)
誠也は逃げようとするが体が動かない。動かないというか…その女性から目が話せない。
(え?なんで?どうして?俺なにが起きたの?)
ふとその少女がにっこりと笑う。
(あぁすごく可愛い。そしてなんだか懐かしい・・・体がふわふわしてきた…なんだろうこの暖かさ・・・なんか眠くなって…)
誠也がそんなことを思っていると再度少女が笑い
「うふふ」
先ほどと同じく可憐にそして先ほどど違い妖艶に笑うと少女の唇が動いた。
「お迎えにあがりました。主様。」
誠也は意識を失った。
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次からついに異世界です。
1話が短いな・・・次からもう少し延ばすようにした方がいいのかな・・・?
全然方向性もまだ決まっておりませんが、よろしければ生温かい感想をいただければと思います。
よろしくお願いいたします。