熟慮
次は早くするつもりと言っておきながらそんなに早くありませんでした…
申し訳ございません。
時間は若干巻遡る。
食事を食べ終えたかと思えば目の前にはなぜか頭を下げている厨二病と思われる少女。
(えっとこれはどうしたらいいんだろう?と、とりあえず少女を最初から疑うのはよくないかな?さっきの少女の言葉をもう一回良く考えてみようかな…?)
頭の中で先ほど少女の語った言葉を反復する。
『いろいろと説明しなければいけないこともあるかとは存じますが、まずは主様をこちらの世界に断りもなくお連れしたことに付きましてもお詫び上げます。』
(フムナルホド。ナルホド)
少女の言葉を少しでも理解しようと頭を働かせる。、
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・無理でした。
(あっちとかこっちとかって何だよ…)
とりあえず結論としては、理解不能。わからなければさらに少女の説明を聞くという手もあるが、聞いたところで状況が好転するとは思えない。そう考え誠也は少女の言葉を聞き流す事に決めて、物思いにふける。そして数分考えて末に一つの結論を出す。
それは…
(逃げよう。)
ただでさえ人と接する事が少なかった事で誠也の対人スキルは低い。咄嗟に思いついたのは逃げる事であった。相手が電波少女となれば誠也の手には余る。逃げ出したくなるのも仕方がないことだろう。
それに昔の偉人は言っていた。
≪君子危うきに近寄らず。≫
誠也はその心を胸に刻む。誰がいったかはしらないけど、素晴らしい言葉だ。
この場そして電波な少女から距離をとることを誠也の中では確定した。
「いろ・・・とせつ・・しなけ・・・もあるかと・・・・ますが、・・・・・・・・・・・・・・・・・ます。」
頭を下げている少女が何かしゃべっているようだが、逃げることに決めてその手段を模索する誠也の耳と瞳には入っていない。今はどうやって逃げるか。それが重要だと判断してそのことに集中しているようだ。
その判断のため、のちに誠也をさらなる悲劇(?)に見舞われることになるのだが今の誠也にはもちろん知る由はない。
(でも…逃げるにしても、ここの場所すらわかってないしなぁ…でもたぶん、自然公園の近くの山で寝ちゃって起きたらここにいたんだしそこから遠くはないよね?)
とりあえず外に出ればなんとかなるんじゃないかと結論付ける。
(あれ?そういえば…)
ふと今まで忘れていたを思い出し、誠也は自分のズボンのポケットを漁る
(あれ!?携帯と財布がない!?)
服装は2日前のままだがポケットの中身がなくなっている。2日間服装が一緒なのもどうかと思うが意識がない少年の服を少女が服装を着替えさせなかったことを責めるのも酷なことだろ。
それに今はそんなことを気にしてる場合ではない。
(もしかして…どこかに落とした…?)
誠也は自分の記憶はたどる。
(ん…たしか寝る前まではあったような気がする…そうするとあの子にここに連れてきて貰ったときにどっかにいった?起きた時にはもうなかったような気がするし。もしかしてどっかにしまってくれているのかな?)
誠也は少なくとも少女の盗られたとは考えていなかった。
財布や携帯を盗んだなら誠也をここまで運んだりはしないだろ。っと考えたのだ。
(む…これは逃げるに逃げられなくなった…)
とりあえず逃げることは一旦諦めるしかないようだ。ここがどこだかもわからない状況でお金もなけらば連絡手段もないとなるとさすがに逃げることは戸惑ってしまう。
(とりあえず財布と携帯を見なかったか聞いてみるか。)
そう思い近くに座っていながら考えることに集中したために意識の外に外していた少女に再び意識を向ける。
(…………!?)
意識を向けたその先の光景に一瞬誠也は言葉を失う。
(あ…あれ?未だに頭下げ続けてるんだけど)
しかも先ほどよりもなんだか小さく丸まっているような…。
そんな光景を目の当たりにした誠也は恐る恐る少女に話しかける。
「あれ?なんでそんなに、ふ、震えてるの?も、もしかしてずーっとその格好だった?ごめん…ちょっと考え事してたから…」
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・数分後誠也の頬には少女の拳が突き刺さることとなる。
ご覧頂きましたありがとうございます。
ヒロインもヒロインなら主人公も主人公な気がする…
こんなんでほんとにいいんでしょうか?