少女の懺悔
投稿が遅くなり申し訳ございません。
頭を下げたまま少女は誠也にを連れて来た際に予想外の不手際があったことを謝ると話し続ける。
「いろいろと説明しなければいけないこともあるかとは存じますが、まずは主様をこちらの世界に断りもなくお連れしたことに付きましてもお詫び上げます。」
少女はそのまま頭を下げ続ける。その姿は言葉こそ丁寧であったが、どこか寂しそうで不安げであった。
頭の狐耳もこころなしか垂れ下っているように思える。
たしかに少女は謝りはしたが誠也にしてみれば連れされたことに変わりはない。少女はそのことを十分理解している。急に自分の住んでいる環境を勝手に変えられて怒らない者はなかなかいないだろ。
そうして誠也の言葉を少女は待つ。
「………」
「………」
少女が頭を下げ始めてから数十秒たつが誠也から言葉が発せられる雰囲気はない。
そんな雰囲気の中で、未だ頭を下げている少女の現在状況はいわば裁判の結果を待つ犯罪者の心境に近いことだろう。それでも少女は主の言葉を待つ。
「………」
「………」
さらに時間が進む。既に少女が頭を下げ始めてから数分はたっているだろうか?
そんな中ふいに少女の肩が徐々に『ぷるぷる』と震えだす。頭を下げている事で少女の表情を見ることは出来ないが、想像はできる。おそらくは、今にも泣き出しそうな顔になってしまっているに違いない。
もしかしたら許して貰えないかもしれない。だから主様はなにも発せられないのではないのだろうか?少女の頭にそのような考えが巡っている。
たしかに誠也が怒るかもしれないということは少女も覚悟はしていた。
しかし、実際このように黙れられるというのはかなり精神的に堪えるものがある。頭を下げ続けていて相手の顔を見ることができないのであれば尚更といえるだろう。
少女のそんな内心を知ってか知らずか、誠也がついに口を開く。
「えっと…?なんでそんなに、ふ、震えてるの?も、もしかしてずーっとその格好だった?ごめん…ちょっと考え事してたから…」
頭を下げる少女の斜め前に座る誠也の口から出たのはそんな言葉であった。
怒るでもなく、許すでもないそんな予想外の反応に少女は思わず首を動かして顔を少しだけ上げ、上目づかいになりつつ誠也を見上げる。
少女の少し赤くなって薄らと涙をためている瞳の先には、申し訳なさそうに金色の頭を掻いている誠也の姿があった。
そんな上目づかいになっている少女の顔をみて誠也もなぜかワンテンポ遅れてから驚く。
「え!?なんで泣いてるの!?」
そんなどこかズレタ誠也の反応を受けて、少女は少し躊躇いながらも口を開く。
「あ、主様…その反応はまさかそんなことはあるとは思わないですけど…私の言葉を聞いてくださっていなかったの?」
その声は少し涙声になっている。
口調も丁寧ではあるがいつもに比べてどこか幼い。
少女の言葉を受けて誠也は一言だけ呟く。
「ごめん…。」
少女は誠也の言葉を受けると再度頭を下げる。自分で下げたというよりは、下がってしまったと言った方が正しいかもしれない。もしこれが漫画であるならば『ガックシ』という効果音が背景に描かれたであろう。
今度は先ほどとは逆に少女が黙ってしまう
「………」
そんな少女の姿を受け、
「えっと…本当にごめん。でもわざとではないんだよ?」
誠也は申し訳なさそうに手を合わせると頭を下げる。
そんな誠也の姿だが、頭を下げていて(?)見えていないので少女には関係がない。
先ほどまでは不安と悲しさで震えていた肩。今も尚、震え続けているが震えの先ほどまでとはどこか種類が違うようなきがする。肩を『プルプル』と震えさせながら強くコブシも握っているように思える。
そんな中、少女は口が開きはじめる。
「私が…私が…どんな気持ちで返事を待っていたか…主様はお分かりになっていないと…」
『わなわな』と肩の震えが強くなる。
そうして少女は下げていた上半身を上げる。
そんな少女の姿をみて誠也は嫌な予感がする。
「ちょ…ちょっと落ち着こう!は、話しは聞くから!次はしっかり聞くから。」
「主様の………主様のばかぁ~~~~~~~~~!!!!」
『ゴスッ』
誠也が焦った様子で喋った次の瞬間誠也の頬に少女の右ストレートが突き刺さっていた。
ご覧頂きましてありがとうございます。
今回は少女メインに書いてみました。とは言ってもいつもとそんなに視点を変えるつもりがないので(書くスキルがない)微妙かもしれませんが…
前も似たような事書いたかもしれませんが、このヒロインに皆様が少しでも魅力を感じていただけるかが気がかりではあります。
※週末仕事が忙しく投稿するのが遅れてしまいました。申し訳ございません。次回は早めに上げるつもりでおります。
急いでろくに確認もせずに投稿したために誤字が多かった…修正しました。