蘇る(?)記憶
思ってた以上に前回からつなげるのに苦労してしまいました。
そしてどうしても今回分を描いていると、違和感があったために前回分の最後に少女のよそよそしい態度の説明を一文だけ追加させていいただきました。
うまく話しがつながってくれていればいいのですが…
(うぅ…やっぱり気まずいな…)
少女の態度の奥にある感情に気づいていない誠也は未だに気まずい思いをしていた。
そんな気まずい状態を紛らわすためか誠也は料理に箸を伸ばす。そして料理を口にすると、
(でも本当においしいや。こんなおいしい料理が目の前にあるんだから味わって食べなきゃ損だよね。)
そう頭の中で無理やり区切りをつけると、誠也はとりあえず食事を堪能することに決めたようだ。堪能することに決めた後は、お腹が減っていたこともあってか箸が止まらなくなってくる。しかしその箸の動きは、先ほど少女に怒られたことが関係するのか無意識的にどことなく丁寧になってしまっている。
自分ではそんなことに気づいていない誠也、食事を続ける。
(おぉ!この炊き込みご飯もすごくおいしい。こっちの御漬物もしかり漬かっていて味わい深い。)
次々と料理を口に運ぶ誠也。美味しいものを食べているためか、誠也の表情にも自然と笑みが浮かび上がっている。
自分も食事を摂りながら、そんな主の姿を時折チラチラと眼差しを送っていた少女の顔にも笑みが浮かびはじめている。やはり料理を作った者としては、自分が作ったものを美味しそうに食べてくれている姿を見るのはうれしいのだろう。
いつしか食卓を覆っていた、気まずい雰囲気は消え去りどこか温かな雰囲気に変わっていた。
「ごちそうさまでした。こんな美味しい料理をたべさせてくれてありがとう。おかげさまでもうお腹いっぱいだよ。」
手を合わせながら誠也は少女に対し笑顔でお礼を口にする。
「いえいえ、お粗末さまでございました。さぁこちらをお飲みくださいませ。」
少女の方も誠也の言葉に笑顔を作りながら食後のお茶を入れてくれる。さきほどまでのよそよそしい感じはすっかりなくなっていた。
なぜ少女の態度が軟化したのかは理解していないようだが、先ほどまでの気まずい雰囲気から会干されたためか、そんな少女の姿をみて誠也は思わず、『ふっー』と息を吐いてしまう。
そうすると、安心して余裕ができたためか、先ほどは気がつかなかった事にも気付き始める。
(そういえばさっきの料理は、もしかして俺が起きてから作ったものじゃなくて寝てる間に既に用意してくれた物だったのかな?)
先ほどの料理は、煮物一つをとってみても大根に味がしっかり染み込んでおり、時間がかけられていることはほぼ間違いない。煮物の他にも、キノコの炊き込みご飯やお味噌汁なども食卓には並んでいた。
そのことに付随して、誠也の頭にはふとある疑問が浮かび少女に尋ねる。
「そういえば、俺ってどのくらい寝てたの?」
動物公園に行った日の夕方からの記憶が途絶えてしまっている。よくよく見ると部屋の中でもわかるくらい外が明るくなってしまっているようなので、『半日くらいは寝てしまっていたんだろう。』と自分では思っている。
そんな誠也の疑問に少女は答える。
「主様は、2日半ほどお休みになられておりました。」
「えっ!?嘘!?…2日半も?」
思った以上に眠りこんでしまっていた事実を聞かされ思わず聞き返してしまった…
そんな誠也の様子をみて、ひどく申し訳なさそうに少女は良くわからないことを口にする。
「はい…私が考えていた以上に、主様の体はあちらの世界に順応されていたようで、こちらの世界にお連れした際に、思っていたよりもお体に負荷がかかってしまわれたようでして…、私の配慮が足りませんでした。大変申し訳ございません。」
そういうと少女は両手を着きながら深々と頭をさげるのであった。
そんな少女を前にして誠也は、
(えっと…あちらの世界とかこちらの世界とかって…)
誠也は『主様』と呼ばれる事にいつのまにか慣れてしまっていたり、いろいろなハプニング(しっぽをもふもふしてしまったり、抱きついていたり)が起こったり、美味しい料理をごちそうになっていたこともあり、すっかり忘れてしまっていたが…
そういえばこの子って…
厨二病を患っていたんだった…
ご覧頂きましてありがとうございました。
まえがきにも書かせていただきましたが、文才と計画性の無さがゆえに思ったよりも話をつなげるのに苦労してしまって、どうにか書きあげまして自分では及第点くらいかな?と思っているのですが、私の方では気付けなかった違和感などもあるかもしれないので、もしお読みいただきましておかしな点などがございましたら教えて頂けるとありがたく思いす。