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誕生した日

作者: 豊田直輝
掲載日:2026/04/13

くだらない人の話が嫌になった時

私は自分もくだらない人である事に気づいてしまった。

世間や歴史には有用な人がごまんといるのに

そのいずれの人にもなれない私は

自己嫌悪を通り越して

無という境地に到達してしまった。

自分という認識が消えた時に聖人となり

その聖人であることも分からなくなるほどに

極度に研ぎ澄まされた私というものは

静かな音の中に埋もれていった。

音というのが私の存在価値というものになり

人と自分の境界線が消えてしまい

個性の消えた人がたった今、誕生した日であった。

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