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戦乱を広げないようにしただけなのに

「王女様、お戻りになられましたか」


「ええ、今帰ったわ。はぁ~」

最悪、結局勇者が目覚めるきっかけを作ってしまった。

しかも勇者に恨まれるのは私じゃない。

いや、それよりもあれはタケルじゃないの?

どうみてもタケルだった。じゃあ私はタケルと戦うことになるってこと?どうすればいい


「しかし、まさか王女が直接人間に手を下すとは思わなかったですよ」

ロマネがキザっぽく笑う。

ああ、苦手なタイプだ。


「ま、まぁね。魔女の力を人間共に見せつけなくてはね」

ああ、私は何を言っているんだ。

人間と仲良くならないと行けないのに。



「どうやら、王女様は問題なさそうですな」


「本当かしらやっぱり何かおかしい気がするけど」


「そうだな。じゃあとりあえず俺が人間達を始末してくるわ」


「ちょっと、ブロス。今何て言った!!」


「あ、人間達を始末しに行ってくるって言いましたぜ」


「な、何を考えているのよ。そんなこと許さないわよ」


「はぁ、何をバカなことを」

いや、待てよ。この後の展開は…

確かブロスは勇者に倒される。


「うん、良いわよ。行ってきなさいブロス」

にやりと私は笑う。


「何だか変な王女だな。よし行ってくるぜ」


「気をつけてね。ブロス」

ブロスは部下を連れて進攻を開始する。


よしよし、ブロスはこれで勇者に倒されるとして。

ってあれ?このままブロスが倒されたら魔族と人間の間にさらに亀裂が…


「あ、あの私も行こうかな」


「ラフィール様、何を考えておられるのですか」


「だってブロスがやられたら困るしー」


「ブロスのことを信用してないの。ラフィール様」


「いや、そう言うことじゃないんだけどー」

どうしよう、どうしよう。



「お、あそこに人間がいるぞ」


「ブロス様、どうやら勇者のパーティーのようです」


「へぇ、勇者かさっさと倒してやろうぜ」



「クラウン、魔力を感じるわ」

僕に声をかけたのは魔法使いのメリーだ。

僕はあの魔女に町を破壊された後、魔族を倒すために旅に出ることになった。

メリーは旅の途中で出会った大事な仲間だ。


「メリー、僕から離れないで」


「わかったわ」



「よお、勇者殿。俺の名前はブロスだ。ここで終わりにしてやるよ。まずは部下に殺らせてやるか。行けお前ら」


「了解ですぜー」

部下の魔人達が一斉に勇者パーティーに攻め込む。


「クラウン私に任せて。フレイムバースト」


「ぐぎゃぁぁぁぁ」

魔人達は消滅していく。


「すごいな。メリー」


「ざっとこんなもんよ」


「ちっ、やるじゃねぇか」



「はぁ、どうしよう」


「どうされました?ラフィール様」


「いや、あの、ブロスが心配でね」

私は頭を抱える。


「ブロスは強いわよ」


「いや、そうなんだけど。色々と問題が」


「問題ですと!?」


「えっ、あのそれは」

どうしよう、このままじゃ。

ええぃ、仕方がない。

私はテレポートする。


「ら、ラフィール様!!」



「トドメだ。クラウンクラッシュ!!」


「ぐがぁぁぁぁぁ」

ブロスは力尽きる。


「ブロス!!」

私はテレポートで勇者の前に現れる。


「間に合わなかった…」


「な、あの時の魔女!!」

クラウンは後退りをしながら剣を構える。


「あ、ちょっと違うのよ。あんたを倒しに来たわけじゃないの」

ああ、やっぱりタケルに似ている。


「く、クラウン。どうしよう。魔女になんか勝てないよ」

メリーがクラウンに抱きつく。


「ちょ、ちょっとあんた何くっついてるのよ!!」

私は思わず力が入る。


「きゃぁぁぁぁ」

メリーが吹き飛ばされる。


「メリー!!」


「あ、やば。違うの、違うのよ。タケル」


「僕はタケルじゃない。クラウンだー」

タケル…クラウンは剣を私に向ける。


「だめよ、私に剣を向けないで」

私は人差し指で剣を抑える。


「う、嘘だろ」


「あ、あれ。あははは」


「こんなに力の差があるなんて」


「ファイヤボール」

炎の玉が私に向かって放たれる。


「ちょっと危ない」

私は手で炎を振り払う。

その勢いで魔法使いの体が両断される。


「あ、うそ…」



「め、メリー!!」


「ごめん…クラウン」

メリーは絶命する。


「うわぁぁぁぁぁぁ、メリーーーー」


「どうしよう、どうしよう。そうだ生き返せばいいのよ。落ち着け私」

私は魔法使いの元に駆け寄る。


「メリーに近づくな」

クラウンは剣を私に当ててくるが全く痛くもない。


「くそ、こんな展開はなかったわ」

復活の魔法なんてあった?

そうだ魔女を倒すときに魔女が四天王を復活させていたわ。

確かあれは

私は呪文を唱える。

すると魔法使いの体は再生していく。


「やった、成功した!!」


「め、メリー」


「ラフィール様、このメリー。ラフィール様に忠誠を誓います」


「えっ!?」


「め、メリー。どうして」


「クラウン、死ぬがいい。ファイヤボール」


「う、うわぁぁぁぁ」

ちょ、ちょっとこんなの聞いてないわよ!!

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