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僕だけスキルツリー ~〈記憶力〉ツリー特化ビルドで最強です!~  作者: イ尹口欠


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第二十三話

 初秋の時期にファーランド一家がルークエンデ家に遊びに来た。

 フェリシアとブランコを連れてタチアナを護衛に、森へ散策へ出かける。

 僕の座学は終了してしまったので、勉強時間がない。

 フェリシアは毎日のように外出できることに大喜びで、イチェリーナ先生の魔術の授業以外は自由時間のようなものだ。

 アーヴァング先生の剣技の授業中は見学に回っているし。

 

 あまりにも高度な剣技の応酬にファーランド卿と一緒に目を丸くしていた。

 

 

 

 森の浅い部分はよほどのことがない限りもう安全なので、僕たちは森の奥にまで足を伸ばしている。

 体力に不安のあるフェリシアは〈小型化〉を解いたブランコに乗って移動しているのがちょっと羨ましい。

 

 大型の使い魔を持てば騎乗できるのか……。

 

 森の奥ではオークやホブゴブリンなどちょっと強い魔物と遭遇することになるのだが、そこは強くなったタチアナと僕とで安定して瞬殺できる。

 森の奥も今では危険地帯ではない。

 

 珍しい薬草などを採集して回る。

 

 錬金術の素材ならばオープンフィールドでも集められるが、あちらで得た素材や成果物は現実世界でおいそれと出すわけにもいかないので、こうして地道な採集をする必要があるのだ。

 

 ふと〈直感〉が何かを知らせてきた。

 

「ねえ、少し寄り道をしていいかな?」

 

「構いませんが……坊っちゃん、どちらへ?」

 

「うん……気になる気配があるものだから」

 

 気配、と表現したが、それが何なのか実のところ具体的には分からない。

 魔物じゃなければいいのだけど。

 いや別にちょっと強いくらいの魔物なら退治できるから問題ないか?

 

 そんなことを考えながら〈直感〉に従って進むと、――巨大な卵を発見した。

 

「わ、大きな卵!」

 

 フェリシアが口に手を当てて驚いてみせた。

 いや、それにしてもデカい。

 卵の段階で僕やフェリシアくらいのサイズがある。

 

 〈アナライズ〉をかけてみれば、それが竜の卵であることが判明した。

 

 竜!

 

 ドラゴン!

 

 やっべ、幻獣最強種の卵だ。

 親が来ないうちに退散した方が良くないかこれ?

 

 しかし〈生存本能〉も〈直感〉も危険を知らせてこない。

 もしや親竜に見放された卵ではなかろうか。

 

「持ち帰ろう。幻獣の卵だ」

 

「え? 坊っちゃん、本気ですか? 親の幻獣が怒ったりしません?」

 

「うーん、それなんだけど、どうも卵が放置されている形跡があるんだよね。もしかしたら親に見放されてここに放置されているんじゃないかな」

 

「そんなことが分かるんですか?」

 

「あーうん。まあね」

 

 曖昧に言葉を濁したが、このまま放置するのは得策ではない。

 野生の竜なぞが孵ったらこの森の危険度が跳ね上がる。

 管理できるならすべきだ。

 

 ……というのは建前で、実際のところは僕も使い魔が欲しくなっただけのこと。

 それが竜ならば文句なしである。

 というかこれ以上ないくらい最高の幻獣だ。

 

 僕は内心でほくほくしながら卵を背負って持ち帰った。

 まだ早い季節だが暖炉をたいて卵の面倒を見る。

 

 父は胡乱げに「危険な魔物や幻獣が孵ったら処分するように」とだけ言付けて、ファーランド卿の相手に忙しい。

 隣り合った領地同士で通商などの打ち合わせがあるようだ。

 家を継ぐことのない三男の僕には関係のない話である。

 

 

 

 さてフェリシアが遊びに来て一週間ほどで竜の卵が孵った。

 屋敷内は卵が竜であったことに大騒ぎ。

 父は目を白黒させながら「元の場所に返して来なさい!」と大慌てだ。

 

 冗談じゃない。

 せっかく孵した竜を手放すだなんて!

 

 僕は「親に見放されていたから戻したら野生化するだけです」と強弁して、さっさと使い魔契約を強行した。

 竜との使い魔契約は難易度が高いと言われており、イチェリーナ先生も興味津々で手伝ってくれた。

 

 儀式は無事に終了。

 ウィンドドラゴンの仔、名前はハヤテとした。

 

 〈フレンド申請〉も承認されて、こっそりと意思疎通を図ることもできるようになった。

 問題は魔力食いなところか。

 

 使い魔契約の儀式があっさりと成功したので油断していたが、難しいのは使い魔の維持の方だったらしい。

 幻獣界に送還するのも手だが、そうするとせっかく使い魔にしたのにいちいち召喚する手間がかかる。

 ブランコのように〈小型化〉して省エネモードにするのがいいだろう。

 あとは単純に僕自身の魔力を増やすことも忘れずに。

 

 熟練度は〈集中力〉ツリーを伸ばした際にかなり使ってしまったので、オープンフィールドで稼ぐ必要がある。

 オープンフィールドに行けば向こうで稼いだお金を使うことができるから、魔力の確保ができるまでは食事を与えることも考えた方がいいだろう。

 

 色々と準備は必要だが、使い魔をゲットできたのは大きい。

 ハヤテが大きくなったら騎乗して空を飛ぶこともできるだろうから、今から槍の練習もしておくべきだろう。

 

 将来は竜騎士か……それもいいかもね。


 ロイク・ルークエンデ(男/9歳)

 

 【魂】

  └【前世の記憶】

 【肉体】

  ├【器用】

  │ ├〈剣技〉Lv8

  │ └〈槍技〉Lv1 new!

  ├【敏捷】

  │ ├〈回避〉Lv6

  │ ├〈俊足〉Lv4

  │ ├〈軽業〉Lv4

  │ ├〈水泳〉Lv2

  │ └〈跳躍〉Lv1

  ├【感知】

  │ ├〈発見〉Lv3

  │ ├〈索敵〉Lv3

  │ └〈常在戦場〉Lv3

  ├【筋力】

  │ ├〈格闘技〉Lv5

  │ ├〈盾技〉Lv6

  │ ├〈膂力〉Lv4

  │ ├〈瞬発力〉Lv4

  │ └〈鍛冶〉Lv7

  └【体力】

    ├〈持久力〉Lv7

    ├〈持久走〉Lv5

    └〈頑強〉Lv3

 【精神】

  ├【知力】

  │ ├〈集中力〉Lv7

  │ │ ├〈限界突破〉Lv2

  │ │ ├〈心眼〉Lv2

  │ │ └〈生存本能〉Lv2

  │ │   └〈直感〉Lv3

  │ ├〈記憶力〉Lv10

  │ │ ├〈模倣〉Lv5

  │ │ ├〈写真記憶〉Lv5

  │ │ └〈記憶の図書館〉Lv5

  │ │   └〈検索〉Lv3

  │ ├〈錬金術〉Lv7

  │ ├〈指揮〉Lv3

  │ └〈戦術思考〉Lv3

  └【魔力】

    ├〈魔力操作〉Lv6

    ├〈魔術制御〉Lv6

    ├〈魔力圧縮〉Lv5

    ├〈闘気法〉Lv5

    ├〈魔力庫〉Lv3 new!

    ├【精霊語】

    │ └〈水の精霊術〉Lv2

    ├【幻獣語】

    │ └【使い魔:ハヤテ】 new!

    │   └〈小型化〉Lv1 new!

    ├【水属性】

    │ └〈水魔術〉Lv6

    ├【光属性】

    │ └〈光魔術〉Lv5

    │   └〈付与魔術〉Lv5

    └【情報属性】

      └〈情報魔術〉Lv5


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