第二十一話
季節は巡る。
ファーランド領にいる間はフェリシアの勉強を見たり、一緒に遊んだりしつつ、夜はブランコと一緒にサードテリアの街周辺で魔物を狩り、鍛冶と錬金術に明け暮れた。
走り回るブランコに引きずられて〈持久走〉のレベルが随分と伸びたが、継戦能力が上がったと考えれば悪くない。
夏休みにはまた兄たちが帰ってきて、お土産を渡してくれた。
サイズ調整機能のある魔法の肌着は防刃効果のある防具で、動きを妨げないため重宝している。
魔術の腕前もかなり上達していると知らせていたためか、剣を振るのに邪魔にならない指輪型の魔術具も貰った。
指輪は回復魔術を自分に行使する際に、消費する魔力を低減するというスグレモノだ。
オープンフィールドでの修行の成果もあって、最近はアーヴァング先生と互角に近い戦いができるようになっていた。
そんな僕に兄ふたりが敵うはずもなく、兄ふたりは悄然としていた。
次の夏までには鍛え直す、とのことだったが、僕も立ち止まっている気はない。
兄たちが一年の修練を積む間、僕は二年分もの修練を積むことができるのだ。
チート様様である。
サードテリアの貸し工房で、遂にミスリルの剣を打つことができた。
〈アナライズ〉で品質を確かめれば上々の一品だと判る。
思わず快哉を叫んだ。
後はこのミスリルの剣に魔法を付与すれば完成だ。
〈付与魔術〉は各魔術の派生で習得できる。
ひとまず〈光魔術〉の聖属性付与をしたい。
属性はともかくとして魔法が付与された剣なら、かつて〈物理耐性〉を持っていたジンにも普通にダメージを与えることができる。
〈鍛冶〉を鍛える途中でできた大量の鉄の剣に〈付与魔術〉を試しながら、レベル上げをする。
熟練度で一気に〈付与魔術〉のレベルを上げるのは自重だ。
熟練度はもっと貴重なスキルの習得などに使いたい。
季節ひとつ分を費やして、僕はミスリルの聖剣を完成させた。
もちろん現実世界で見せびらかすわけにはいかないので、〈インベントリ〉の肥やしだが……いざというときには躊躇せず抜くつもりである。
戦闘にアイテム作成にと修行をしまくって、かなりスキルレベルが上がった。
熟練度もだいぶ溜まったし、そろそろオープンフィールドのボス戦に挑むのもいいかもしれない。
オープンフィールドのボスは強敵揃いだ。
なんせMMO要素のある場でのボス戦とあって、プレイヤーが複数いる前提である。
ソロ撃破も不可能ではないのだが、入念な準備が必要だ。
忘れがちだが九歳の僕の体格で剣士は無理があるし、魔術は回復重視の属性なので……うん、よく考えたらまだ挑むのは早いかな。
熟練度とアイテムとお金を稼ぐため、僕はクエストを受注していくことにした。
各クエストは簡単なストーリーがあり、ドラマがある。
報酬もあるから楽しめるわけだが……ソロでやると作業感が半端ない。
……いっそフォーステリアに行って戦闘三昧も良さそうだな。
敵が強くなる分だけ実入りは大きい。
ただしフォロー役がいないため、何か不測の事態が起きたときに対処ができない。
いくら強くなってきたとはいえ体格の未熟さは明らかだし、複数のプレイヤーがパーティを組んで稼ぐような場所にソロで行くには、まだ強さが足りない。
とはいえ〈剣技〉のレベルはもう既に7だ。
これを8以上にするには、普通に戦っていたのでは年単位の月日が必要になる。
熟練度を消費すればあっという間に上昇させられるのだが……果たして〈剣技〉に注ぎ込んでいいものか?
〈記憶力〉という汎用性の高いツリーに熟練度を集中させたのは成功だったと言わざるを得ない。
このようにもっと汎用性の高いスキルツリーに熟練度を回すべきだと思うのだが……さて。
今後の成長方針に頭を悩ませながら、まずはさらなる装備の充実を図ろうと考える。
剣は出来上がったので、次は防具だ!
ロイク・ルークエンデ(男/9歳)
【魂】
└【前世の記憶】
【肉体】
├【器用】
│ └〈剣技〉Lv7
├【敏捷】
│ ├〈回避〉Lv6
│ ├〈俊足〉Lv4
│ ├〈軽業〉Lv4
│ ├〈水泳〉Lv2 update!
│ └〈跳躍〉Lv1
├【感知】
│ ├〈発見〉Lv3 update!
│ ├〈索敵〉Lv3 update!
│ └〈常在戦場〉Lv3
├【筋力】
│ ├〈格闘技〉Lv5
│ ├〈盾技〉Lv6
│ ├〈膂力〉Lv4
│ ├〈瞬発力〉Lv4
│ └〈鍛冶〉Lv7 update!
└【体力】
├〈持久力〉Lv6
└〈持久走〉Lv5
【精神】
├【知力】
│ ├〈集中力〉Lv6
│ ├〈記憶力〉Lv10
│ │ ├〈模倣〉Lv5
│ │ ├〈写真記憶〉Lv5
│ │ └〈記憶の図書館〉Lv5
│ │ └〈検索〉Lv3
│ ├〈錬金術〉Lv7 update!
│ ├〈指揮〉Lv3
│ └〈戦術思考〉Lv3
└【魔力】
├〈魔力操作〉Lv6
├〈魔術制御〉Lv6
├〈魔力圧縮〉Lv5
├〈闘気法〉Lv5
├【精霊語】
│ └〈水の精霊術〉Lv2
├【幻獣語】
├【水属性】
│ └〈水魔術〉Lv6
├【光属性】
│ └〈光魔術〉Lv5 update!
│ └〈付与魔術〉Lv5 complete!
└【情報属性】
└〈情報魔術〉Lv5




