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僕だけスキルツリー ~〈記憶力〉ツリー特化ビルドで最強です!~  作者: イ尹口欠


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17/55

第十七話

 ブランコの嗅覚はジンへの道筋を正確に辿っていたらしい。

 濃紫色の霧をまとった異形の男性型。

 手には透き通った青い剣を持っている。

 

 間違いない。

 あれが水精の剣だろう。

 

 同時、ジンから不吉にも似た強烈な圧力を感じる。

 

 危険な相手だ、多分ゴブリンジェネラルよりも。

 僕は〈ディテクト・ステータス〉でジンのステータスを確認する。

 

《名前 ジン 性別 男 年齢 107

 【器用】179 【敏捷】107 【感知】275

 【筋力】184 【体力】110 【知力】346

 【魔力】477

 〈闇の精霊術〉Lv7 〈魔力操作〉Lv7 〈魔術制御〉Lv5

 〈魔力圧縮〉Lv2 〈浮遊〉Lv3 〈物理耐性〉Lv5》

 

 このステータスに加えて水精の剣を使ってくるのか……。

 マズい、思ったよりもかなり強い。

 

 下手をすれば死者がでかねない。

 

「ぎぃいいいいいいいいいいっっっ」

 

 言葉にならない雄叫びを上げながら、ジンはその場で水精の剣を振るった。

 どす黒い粘性の液体がほとばしる。

 

「くっ」

 

 咄嗟に〈回避〉して、剣を抜いた。

 

 ジンの〈魔力操作〉を〈模倣〉しつつ〈闘気法〉で全身の身体能力を上げる。

 魔術戦になれば僕は役立たずだが、前衛としてジンの注意を引きつけるくらいの働きはできるだろう。

 

「おおおおおおッ!!」

 

 ――〈模倣・魔力操作〉〈闘気法〉〈剣技〉!!

 

 剣に魔力をまとわせた一撃は、ジンの〈物理耐性〉の上からダメージを与えた。

 

 行ける、と手応えを感じたと同時に、ジンの身体を纏う濃紫色の霧が膨れ上がる。

 慌てて距離を取るが、間に合わない。

 霧に巻き込まれた僕は、全身の魔力が狂わんばかりに暴走するのを感じる。

 

 ――魔力毒か、厄介だな。

 

「〈キュア・ポイズン〉」

 

 〈光魔術〉ですぐさま解毒する。

 

 ブランコが激しく吠えながらジンに突進した。

 既にフェリシアの手で〈小型化〉は解かれている。

 大人より大きな白い虎。

 その牙がジンの肩口に突き立てられる。

 

 幻獣であるブランコの牙だ、僕の〈闘気法〉で強化した剣と同等かそれ以上に効果があるはず。

 案の定、ジンは苦悶の表情を浮かべて水精の剣を振り回す。

 当たるようなブランコではない。

 

「フェリシア、魔術でジンを攻撃してくれ!」

 

「う、うん。分かった!」

 

 背後から魔力を練る気配。

 それはすぐに解き放たれた。

 

「〈フレイムランス〉っ!」

 

 ゴウ、と炎の突撃槍が真っ直ぐにジンに命中する。

 爆炎とともにジンがよろめくのが見えた。

 すさまじい威力。

 とともにやはりジンには魔術による攻撃が最も効果を上げることが察せられた。

 

 ジンもそれに気づいているのだろう。

 フェリシアに向けて水精の剣を振るう。

 

 どす黒い油のような液体がぼてぼてと滴り、空中を滑る。

 それを受け止めたのはタチアナの盾だ。

 

 しかし受け止めたタチアナの盾はジュウジュウと不気味な音を立てて黒ずんでいく。

 

「なにこれ!?」

 

 マズいな、普通の盾じゃ長く保たない。

 次に受け止めたらタチアナにどんな影響があるか知れたものではない。

 魔力毒で済めばいいが、もっとキツい呪いのような雰囲気を感じた。

 

 再び〈闘気法〉を使いながら注意を引きつける。

 ブランコも主が危険にさらされないように、回り込みながらジンを襲撃した。

 

「フェリシア、どんどん魔術で攻撃してくれ!」

 

「わ、分かった! ……〈フレイムランス〉っ」

 

 ゴウ、と炎の突撃槍が世界の理を書き換えながら進む。

 爆散する火炎。

 濃紫色の霧が分厚い障壁となって己の存在を守る。

 

 水精の剣から再びどす黒い呪いが滴り落ちる。

 

 僕はすぐさま準備していた魔術を展開する。

 

「〈セイクリッドシールド〉!」

 

 ――〈模倣・魔力操作〉〈闘気法〉〈盾技〉!!

 

 フェリシアへ向かう呪いとの射線に割り込み、〈光魔術〉で作った盾が呪いの水を受け流す。

 

 すぐさま射線を開けてフェリシアの魔術攻撃が再開されるのを待つ。

 このペースなら勝てるか。

 

 タチアナも盾を捨てて〈ファイアボルト〉を撃ち始めた。

 通じているかは微妙だ。

 やはり主力はフェリシアの〈フレイムランス〉だろう。

 

 僕も隙を見ては剣で斬りつける。

 分厚いゴムを剣で殴っているかのような感触。

 〈模倣・魔力操作〉でかさ増ししているとはいえ〈闘気法〉のレベルが低すぎる。

 

 〈魔力圧縮〉で魔力を剣に集中する。

 

 フェリシアは要領を掴んだのか、〈フレイムランス〉の連射間隔が短くなってきている。

 ジンは声にならない苦悶の雄叫びを上げながら、必死に炎を振り払おうと濃紫色の霧を撒き散らしている。

 

 ――〈模倣・魔力操作〉〈魔力圧縮〉〈闘気法〉〈集中力〉〈膂力〉〈瞬発力〉〈剣技〉!!!!

 

 紫電一閃。

 

 魔力を込めた剣戟がジンの首をはね飛ばした。


 ロイク・ルークエンデ(男/8歳)

 

 【魂】

  └【前世の記憶】

 【肉体】

  ├【器用】

  │ └〈剣技〉Lv6 update!

  ├【敏捷】

  │ ├〈回避〉Lv4

  │ ├〈俊足〉Lv3

  │ ├〈軽業〉Lv3

  │ ├〈水泳〉Lv1

  │ └〈跳躍〉Lv1

  ├【感知】

  │ ├〈発見〉Lv1

  │ ├〈索敵〉Lv2

  │ └〈常在戦場〉Lv1

  ├【筋力】

  │ ├〈格闘技〉Lv3

  │ ├〈盾技〉Lv5 update!

  │ ├〈膂力〉Lv3

  │ └〈瞬発力〉Lv3

  └【体力】

    ├〈持久力〉Lv4

    └〈持久走〉Lv1

 【精神】

  ├【知力】

  │ ├〈集中力〉Lv6 update!

  │ ├〈記憶力〉Lv10

  │ │ ├〈模倣〉Lv5

  │ │ ├〈写真記憶〉Lv3

  │ │ └〈記憶の図書館〉Lv3

  │ │   └〈検索〉Lv3

  │ ├〈錬金術〉Lv3

  │ ├〈指揮〉Lv3 update!

  │ └〈戦術思考〉Lv2 update!

  └【魔力】

    ├〈魔力操作〉Lv5 update!

    ├〈魔術制御〉Lv5

    ├〈魔力圧縮〉Lv4 update!

    ├〈闘気法〉Lv3 update!

    ├【精霊語】

    ├【水属性】

    │ └〈水魔術〉Lv4

    ├【光属性】

    │ └〈光魔術〉Lv3 update!

    └【情報属性】

      └〈情報魔術〉Lv1


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