第十三話
ゴブリンジェネラルは真っ直ぐに僕に向けて走ってくる。
雑魚のゴブリンも何匹か引き連れて、だ。
父たちがミスを犯したらしいことはこの時点で明白だが、四の五の言わずに目の前の相手をしなければ僕が死ぬ。
……当たったらマズいな。
残った熟練度をすべて〈回避〉につぎ込み、習得する。
「全員傾聴! ゴブリンジェネラルがこちらに来ている! 手が空いている者は槍を持って僕を援護しろ!」
来る。
まずは取り巻きのゴブリンをなで斬りにして、ゴブリンジェネラルの大ぶりの一撃を横っ飛びに回避。
風を切る音は死の招き。
背筋に冷たい汗を掻きながら、「まずは雑魚から片付けろ!」と兵士たちに命じる。
槍が突きこまれた。
僕は体勢を立て直して距離を取る。
だがゴブリンジェネラルは死んだゴブリンの頭を片手で掴むと、あろうことかそれを僕に投げつけてきやがった。
回避する。
が、先回りするようにゴブリンジェネラルの棍棒が僕の目前に振り下ろされた。
それを地面を転がるようにして回避。
マズい、早く立たないと。
振り上げた棍棒がこちらに照準を定めて振り下ろされようとする。
しかし僕はひとりではなかった。
兵士の槍がゴブリンジェネラルを襲う。
ゴブリンジェネラルは振り上げた棍棒で槍を叩き折った。
その隙をついて僕は急いで立ち上がる。
マズい。
かなりの強敵だ。
「槍ぃ! タイミングを合わせてもっと積極的に突きこめ!!」
「「「はっ」」」
ゴブリンジェネラルが棍棒で槍を薙ぎ払った。
――今ッ!!!!
短剣を投擲する。
狙いは、右目だ。
シュン、と風を斬り裂き短剣が飛ぶ。
ゴブリンジェネラルは頭を振ってこれを回避しようとする。
が、魔術具の短剣は自ら軌道修正して正確に右目を穿った。
「ギィヤアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
片方の視界を奪ったのは大きい。
そのまま僕は左に移動して、死角となった右目側から剣の一撃を繰り出す。
が、がむしゃらに振り回された棍棒に阻まれて攻めあぐねる。
リーチが足りないなら、攻撃魔術の出番だ。
相手の挙動を見つつ、魔力を練る。
「〈ウォータースピア〉!」
水の槍が鋭い一撃を脇腹に見舞った。
シュパァン! という音とともにゴブリンジェネラルの脇腹に穴があく。
僕の魔術の威力は高い。
〈魔力圧縮〉で一撃に込める魔力を増加し、〈魔術制御〉で〈ウォータースピア〉の形状を細く鋭くしているからだ。
ゴブリンジェネラルは口角泡を飛ばしながら、何事か喚く。
残念ながらゴブリン語は分からない。
分かろうとも思わないけど。
ゴブリンジェネラルから流れる血が足元に赤い水たまりを作った。
僕を怨敵のように見つめる左目からの視線が痛い。
だが順調に出血を強いているのは僕の方。
勝ち筋は見えている。
このまま兵士の槍で隙をつくり、魔術で遠巻きに射撃していれば勝てる。
ミスが許されないという部分だけは緊張となって身体を強張らせようとするが、〈集中力〉がそれを阻止してくれている。
戦いに没頭しろ。
後は勝つだけだ――。
ロイク・ルークエンデ(男/8歳)
【魂】
└【前世の記憶】
【肉体】
├【器用】
│ └〈剣技〉Lv4
├【敏捷】
│ ├〈回避〉Lv3 new!
│ ├〈俊足〉Lv2
│ ├〈軽業〉Lv2
│ └〈水泳〉Lv1
├【感知】
│ ├〈発見〉Lv1
│ └〈索敵〉Lv2
├【筋力】
│ ├〈格闘技〉Lv3
│ ├〈盾技〉Lv2
│ ├〈膂力〉Lv3
│ └〈瞬発力〉Lv3
└【体力】
├〈持久力〉Lv4
└〈持久走〉Lv1
【精神】
├【知力】
│ ├〈集中力〉Lv4
│ ├〈記憶力〉Lv10
│ │ ├〈模倣〉Lv3
│ │ ├〈写真記憶〉Lv2
│ │ └〈記憶の図書館〉Lv2
│ │ └〈検索〉Lv1
│ ├〈錬金術〉Lv1
│ └〈指揮〉Lv1
└【魔力】
├〈魔力操作〉Lv2
├〈魔術制御〉Lv2
├〈魔力圧縮〉Lv1
├【水属性】
│ └〈水魔術〉Lv3
├【光属性】
│ └〈光魔術〉Lv2
└【情報属性】
└〈情報魔術〉Lv1




